日本語字幕:手書き書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビーデジタル・dts
(米R指定)
ニューヨークで活躍する宣伝屋(パブリシスト)のスチュ(コリン・ファレル)は、ある日ついも浮気相手にかけるために使う公衆電話で電話をした直後、その電話が鳴ったので出た。すると「レミントンM700にタクティカル・スコープを装着して、周りのビルのどこかからおまえを狙っている。言うことを聞かなければ射殺する」と告げられる。そしてその証拠として、近くの男が射殺される。電話の男の目的とは。そしてスチュの運命は。 |
すばらしい、ハラハラドキドキのドラマ。まるで舞台劇のような構成なのに、シネスコの横長画面を生かした画面イン画面や、スプリット画面(マルチ)を使い、それぞれが同時進行する別な人物を見せるなどの手法を使い、緊張感をずっと保つ手腕はさすが。とてもおもしろい、ラストを迎えるまでは。 ではラストはどうかというと、うーん、どうなんだろう。これでいいのだろうか。ハリウッド式のハッピー・エンディングを避けたかったのだろうとは思うけれど、これではあまりに尻切れトンボ。ほとんどの疑問というか謎に答えないまま、映画は一方的に幕を引かれてしまう。一体、なぜ? 確かに、映画の中盤で、なぜこんなことをするのかということは、犯人の口によって語られる。しかし、これは全くスチュに対する脅しのようなもので、しかも真剣に答えているとも思えないもの。そして犯人は映画の中で何回も嘘をついている。むしろほとんどすべてが嘘という感じもするほど。これが語られる時点でも信じられないのに、終わりまで行ってからそれを信じろと言うのは難しいと思う。問題があるとすればここだけだろう。なぜ、なのか、それを明らかにしてほしいと。 まさか、映画を盛り上げるためにいろいろ入れすぎて、収拾がつかなくなった、なんてことではないよなあ……。 謎の狙撃者がどこにいるかわからないので(電話ボックスの弾痕とスチューの怪我した位置から推測できるだろうが)、銃撃はあるが狙撃銃は出てこない。ただしセリフとしてレミントン700にタクティカル・スコープをつけているという説明はある。この辺はまさにリアル。しかも説得力がある。たぶん狙撃者が選ぶとしたら、いま一番ベストな選択だろう。拳銃としてはたぷんS&Wのグロック・クローン、シグマ。 ラストの印象は、どの映画でも強いもので、本作もそこに至るまでがいいのに、ラストのほんの数分が納得できないために全体としてのあまり良くない。これは評価が難しい。どこをどう評価するか、人によってまちまちになるだろう。ボクはおもしろかったし、ラスト前までを評価したい。 公開初日の初回、45分前に着いたら銀座の劇場は15人くらいの行列。このうち女性は3人で、いずれも若い。一方、男性は2/3がオヤジ。あと残りが若い男性。うーん、かなりの偏り。 35分前に開場し、初回のみ全席自由の場内へ。この時点で30人ほどに。あれだけ繰り返し同じTVスポットと劇場予告を流し続けた割には、人が少ない印象だ。やっぱり同じ内容だったのがいけなかったのでは。最後の法難か見飽きてしまったもんなあ。見たいという意欲が続かないもの。 最終的に17席×2列のカバー席を含む654席に3.5割ほどの入り。うーん。少ない。どうして。 最後の方で若い人たちが増えたが、中心はオヤジ世代。下は小学生からいたもののアメリカではR指定の大人限定作品。暴力的であまり小学生にはふさわしいとは思えないが……。 初日プレゼントがあって、主演のコリン・ファレルの生写真。これを渡すためか、またまた大量のスタッフが。せっかくリラックスして楽しめる空間なのに、どうも感じが悪い。1人か2人でできないものだろうか。 |