日本語字幕:手書き書体下、栗原とみ子/シネスコ・サイズ(レンズ)/ドルビーデジタル・dts
(米PG-13指定)
裕福な家庭の子息である大学生のエンブリー・ラーキン(チャーリー・ハナム)が2年以上失踪したままで、遺産の問題もあり、死亡と認定してほしいという願いが家族から出された。警察は最後の調査として、アル中から復帰したばかりの刑事ハンドラー(ベンジャミン・ブラッド)に担当を命じる。ハンドラーはまず大学のを訪れ、つきあっていたという女子学生ケイティ(ケイティ・バーク)の話を聞く。 |
うーん、これは……。何の工夫もない脚本。普通のハリウッド映画なら、もうひとひねりか、ふたひねりは加えるだろうというストレートさ。1回のひねりでは、おそらく観客のほとんどが映画中盤で犯人がわかってしまうだろう。ひねりがないので、思った通りの人物を追いつめ、その人物はボロを出し、大団円を迎える。これ予定調和ってヤツ? これは辛い。しかも前半がタラタラとたいした展開もなく、どうでもいいことをつないでいく。これにどうにか耐えたら、すぐに結末が見えてきて、まさかこうならないよなあ、というままに展開する。これはつらい。この手のスリラー映画が、わかっている結末へ突き進んでいくと、見るべきところがなくなってしまう。 脚本と監督を兼ねたのが、「トラフィック」でアカデミー脚本賞を受賞したスティーブン・ギャガンという人。ボクは個人的にはあまり好きな映画ではないので、この人が凄い人なのかどうか、よくわからない。危機感を煽るためかドキュメンタリー風の作りで、解決のない映画だったから、あまり脚本が優れていたという印象はない。 なんでも本作はそのスティーブン・ギャガンが、主演のケイティ・ホルムズをイメージして書いた脚本だそうで、女優が“お気に”で一緒に仕事したかったということなのかも、と勘ぐってしまうほど脚本が良くない。TVのホラーものをずっと手掛けてきた人なので、1時間もののノリで1時間半のドラマを作ってしまったのかも……これまた邪推です。まっ、そういう映画だと。だから不要とも思える着替えシーンがあったりと……。 「バッドボーイズ2バッド」の美人黒人女優、ガブリエル・ユニオンがこちらでも主人公の大学のクラスメイトとして出演。30歳なんだけど、大学生に見えるなあ。美人は得だなと。 公開2日目の2回目、初回以降は全席指定というシステムの劇場で、183席に40人ほどの入りは、この出来ではしようがないだろう。TVムービーで見るならいいと思うけど。 階段(スタジアム)形式の座席ながらスクリーン位置が低いので、結構前席の人の頭がじゃまになる。そのため全席指定でも、上映が始まると移動する人が多かった。前席が座高の高いジーサンで、ボクも横にずれた。入場の際、パソコンの画面などで埋まっている席を見ながら選べるといいのに。 観客層としては、おはりオヤジ以上。白髪が目立った。女性は10人ほど。20代くらいは数えるほどしかいなかった。 それで、なぜシネスコ? 賞を取ったご褒美? これも邪推ですみません。 |