2004年1月25日(日)「悪霊喰」

SIN EATER・2003・米/独・1時間42分

(イギリス・タイトル、上映フィルムの表示/アメリカ・タイトルはTHE ORDER)

日本語字幕:手書き風書体下、関 冬美/ビスタ・サイズ(テクノビジョン)/ドルビー

(米R指定)

http://www.akuryogui.jp/


イタリアのローマで、ドミニク修道士が急逝した。ニューヨークで司祭を務めるアレックス(ヒース・レジャー)は、その知らせをドリストル枢機卿(ピーター・ウェラー)から告げられ、彼を慕うマーラ(シャニン・ソサモン)と友人のトーマス神父(マーク・アディ)と共にローマに向かう。そこでドミニク修道士は異端の研究により破門され、自殺したと聞かされる。それを信じられないアレックスは独自に調査を始め、邪悪な物の存在を知るが……。

70点

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 タイトルからついついB級ホラー、それも悪霊と戦う神父とかスレーヤーを想像していたが、まったく違った。霊は関係なく、相手は邪悪なる物、悪魔とも呼ぶべき存在。非常に宗教色の強い作品だった。

 ハッキリ言ってあまり怖くはない。ボクら一般的日本人にはキリスト教的な罪とか救いとか、異端とか不死の恐怖などはピンとこない。原題は最初はSin Eater(罪を食らう者)だったそうで、イギリス公開はこのタイトルで行われたらしい。アメリカではThe Order(儀式)に変更された。いろいろそれにまつわる話もあるようだが、これまだ日本人にはピンとこない。

 ようするに、ある人物が臨終の折、儀式によって彼の犯した罪をすべてをSin Eaterと名乗る者に喰らってもらい、罪をなくして天国へ迎えられるようにする者の映画だ。本来、それは神の仕事であって、それを行うことは自分を神に近づけることで、とんでもないことだと。そういう映画。

 ただし、映画というよりは、「ダーク・エンジェル」などのような連続テレビ・ドラマのパイロット版という感じがした。物語はここから始まり、以降毎回主人公の神父がアメリカ中を放浪し、迷っている魂を救っていくのではないかと。そして最終回に、自分をSin Eaterにした魔性の者と戦い自分を解放すると……。

 なんでもスタッフが公開前に不幸に見舞われたりして、本当かどうかアメリカでは劇場公開が5回も延期されたといういわく付き映画らしい。日本人的にはたいして怖くもないが……。

 こんな邦題にも関わらず、見ることにしたのは、スタッフ、キャストとも多くが傑作中世騎士物語「ロック・ユー!」(A Knight's Tale・2001・米)をやった人たちだったから。当然ヒース・レジャー も同様。監督のブライアン・ヘルゲランドももちろんそう。悲劇のヒロインを演ずるシャニン・サソモンは「ロック・ユー!」でヒース・レジャーがあこがれるお姫様をやっていた個性的美女。

 主人公の友人の神父もしかり。「ロック・ユー!」で従者の一人を演じていたマーク・アディ。これは期待するなと言われても期待してしまうよなあ。

 公開9日目の初回(と言ってもお昼スタート)、30分前に着いたら新宿の劇場は珍しくすでに開場していて、女性0で男性ばかりが10人。一番若い30代らしき人々は2〜3人で、当然のようにあとはオヤジたち。

 最終的には5〜10分前に増えだして、300席に50人ほどに。女性は6〜7人になった。


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