2004年1月31日(土)「ハリウッド的殺人事件」

HOLLYWOOD HOMICIDE・2003・米・1時間55分

日本語字幕:手書き風書体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビーデジタル/dts/SDDS

(米PG-13指定)

http://www.movies.co.jp/hariteki/index.html


ハリウッドの若手刑事K.C.コールデン(ジョシュ・ハートネット)とベテラン刑事のジョー・ギャヴィラン(ハリソン・フォード)は、お互いにヨガ・インストラクター、不動産とそれぞれ副業を持っていた。そして、ハリウッドの新しいクラブで新人ラッパーが惨殺される事件が発生、2人は現場に駆けつけるが、それぞれ副業が忙しくなかなか本業に集中できない。そんなときに内務調査班が副業にからんで調査に入る。

71点

1つ前へ一覧へ次へ
 あの「ブラックホーク・ダウン」(Black Hawk Down・2001・米)のジョシュ・ハートネット、「インディ・ジョーンズ」(Raiders of the Lost Ark・1981・米)のハリソン・フォード、「蜘蛛女」(Romeo is Bleeding・1993・米)のレナ・オリン、「マジェスティック」(The Majestic・2001・米)のマーチン・ランドー……といったビッグ・ネームがあってもこういう映画が出来てしまうという、ある意味悲しい映画。本来はアクション・コメディになるばずなんだろうが、スターだけを集めたお手軽、お気軽映画になったしまった印象が強い。

 ギャグが滑っているとか、そういうことではなくて、殺人課が舞台で殺人事件が起きてその謎を探るという話なのに、その肝心のミステリー部分があまりにお手軽でお粗末すぎ。むしろ味付けであるべきサイド・ストーリーの「警察を辞めて役者になりたい」部分だとか、「離婚による金銭的な負担から不動産を扱って金儲けをする」部分がメイン・ストーリーと同等くらいにふくらんで、単なるシチュエーション・コメディになってしまっている。これだったらべつに刑事でなくても良いようだし、ハリウッドである必要もないし、スターという点を除けば映画でなくても良かったのでは、と思わせるところがすでに失敗していると思う。

 とにかく、このタイトルを名乗るのであれば、もっとちゃんと事件捜査の部分を丁寧に本格的に撮らなければいけないと思う。大もとの本筋までもお手軽に描いては、すべてのレベルが低下してしまう。柱がしっかりしていれば、役者や不動産はいいサイド・ストーリーになっただろうに。

 監督はロン・シェルトンといって、大傑作「アンダー・ファイヤー」の脚本を書いた人。その後、監督を兼ねることが多いようだが、どうも脚本だけやっていた方が良かったのでは……という感じ。「さよならゲーム」(Bull Durham・1988・米)も「ティン・カップ」(Tin Cup・1996・米)もパッとしなかった。あっ、でも、ヒットはしたものの評価は低い「バッドボーイズ2バッド」(Bad Boys 2 Bad・2003・米)は脚本だけか……あれれ。

 装備品は、役者を目指すジョシュ・ハートネットがいまどき流行らないショルダー・ホルスターに、軍用銃のベレッタM92。あまり命中率のよろしくない銃という印象があるのだが、想像に違わず射撃がヘタという設定で、なかなか射撃訓練でも真ん中に弾が入らない。この変がリアル。

 一方ベテラン刑事のハリソン・フォードは、革ながら標準的なヒップ・ホルスターで、銃はS&Wの4006あたりのオートマチック。相当射撃がうまい設定だが、そろそろハリソン・フォードは走るのがきつくなってきたようだ。ドタドタと走っていた。うーん、いくら何度再婚しようが62歳だもんなあ。

 公開8日目の2回目、35分前に金座の劇場に着いたら、ロビーには10人くらいの人。30代後半以上という感じで、男女比は6対4くらいで男の方が多い。

 30分前くらいから人が増え始め、25分前に列を作る案内があった。指定席は11席×4列、ぴあ席が11席×1列。結局、この指定席には勝手に座ったのかはじっこに3人、ぴあに0。あまり人気がないらしく、最終的には50人ほどにしかならなかった。これは明日の「映画の日」(1,000円均一を見越しての出控えか)。


1つ前へ一覧へ次へ