2004年2月14日(土)「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」

THE LORD OF THE RINGS : THE RETURN OF THE KING・2003・米/ニュージーランド・3時間23分(IMDbでは3時間21分)

日本語字幕:手書き書体、下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(Super 35、Arriflex)/ドルビーデジタル・dts・SDDS(劇場によってはEX 6.1)

(米PG-13指定、ニュージーランドM指定)

http://www.lotr.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

フロド(イライジャ・ウッド)とサム(ショーン・アスティン)はいよいよ指輪を捨てるため“滅びの山”へ入ろうとしていた。同じ頃、サウロンの大軍がゴンドールの都ミナス・ティリスに襲いかかろうとしていた。ガンダルフ(イアン・マッケラン)、アラルゴン(ヴィゴ・モーテンセン)、レゴラス(オーランド・ブルーム)らは救援のためミナス・ティリスに向かう。そしてローハンの人々もまたゴンドールを救うため軍を派遣する。

73点

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 長い。なかなかすごい映画だとは思うけれど、途中2回ほど気を失った。まず、なかなか物語が動かない前半(細かく何回も気を失ったが)。そして指輪を捨てた後のラストまで30分くらい。それにしたって、休憩なしで一気に3時間23分ぶっ通しはないだろう。昔は3時間とかの映画はトイレ休憩が入ったのに。ラスト1時間くらい続々と人が立った。いつから休憩がなくなったんだろう。休憩があればドリンクとかももっと売れるはずなのに。ボクだったら休憩中にトイレに行って、絶対コーヒーを買うけどなあ。回転を優先したということか。

 今回は話としては単純だった。指輪を捨てるフロド・チームの話と、サウロン軍と戦うアラルゴンを中心としたチームの戦いの話。この2つだけ。なのに、どうしてこれだけで3時間23分もかかるのか。いろいろ根幹となるストーリーに枝葉があるにしても、長すぎるんじゃないの。前半のだらだら部分と、指輪を捨ててしまってからの不要とも思える長いエンディングをガバと切れば、2時間30分くらいにはできるんじゃないだろうか。

 とにかく戦闘シーンはスゴイ。圧倒される。つい最近公開された「タイム・ライン」の攻城シーンを彷彿とさせる。数というか規模はまったく違うが。しかし、「タイム・ライン」は「タイム・ライン」で迫力があったし、実在感もあった。一方、本作は想像を超えるほどの大群で、目を見張るばかりだが何か実在感が薄い。たぶん、どうせCGだろうという頭がある。そしてこの映画全部がCGで作られているような気になってくる。

 それは最新の「スター・ウォーズ」(Star Wars : Epsode I・1999・米)シリーズや「マトリックス」(The Matrix・1999・米)シリーズと似た印象だ。まず数で圧倒する。「ハリー・ポッター」(Harry Potter and the Socerer's Stone・2001・米)シリーズも似たものかもしれない。CG技術が発達すると、これまで出来なかったことが出来るようになる。ということは、このような超巨大なモブ・シーンを多くの監督がやりたがっていたということなんだろうな。いかにも映画的ではあるし。ただ、これらはどれも似た印象になってしまい、最初にやった映画(たぶん「スターシップ・トゥルーパーズ」(Starship Troopers・1997・米)だったような)を見たとき以外は、もう驚きが無くCGだとわかっているからまたかと思ってしまう。すると次からはまたやってる、ということになってむしろ逆効果になりやすい。

 フォト・リアリスティックなんただけれど、どこか実在感がないとう感じ。実写も多いのだろうがそれまでがCGに見えてしまう。ほぼ全編がCGに思えてしまうから損だ。

 そして気になったのは、ホビットとか良い方というのは皆白人だということ。それに対して悪のサウロン軍には、御者などにアフリカ系らしき有色人種がいる。異形のものが多いが、有色人種を思わせる容貌の特徴(鼻が神楽鼻だったり、目が小さかったり)がある。白の勢力というくらいだからか。しかし、もっと言えば、悪役さえも重要な役は白人だ。ゴラムはあきらかに白人だ。まえ、考えすぎだと言えば考え過ぎなのかもしれないが、映画を見ていてふとそう感じてしまった。

 公開初日の初回、銀座で見ようと思い、用心してちょっと外した劇場を選び70分前に着いたらすでに60人くらいの行列。ええっ、一体、先頭の人は何時から並んでいるんだ。

 男女比はほぼ半々で、ほとんどが20代とおぼしき若い人たち。中年以上は2割くらいか。高齢者はほとんどいない。嬉しいことに65分前には開場してくれたので、暖かい場内へ。たぶんドリンクとかポップコーンなんかがよく売れることと思う。始まるまで1時間以上もあるんだから、何か欲しくなるもの。外で待っていたら、どこかへ買い出しに行ってしまうから。

 初回のみ全席自由で、11席×4列とぴあ席11席も自由。プログラムを買っている人が多い。とりあえず、まずトイレに行っておく。そして温かいコーヒーを飲みながら、文庫本を読みゆったりと上映を待つ。いいなあ、この余裕。

 35分前には516席の6割が埋まった。この時点で下は小学生くらいから。若い人寄りながら、割と年齢層は広いようだ。10分前、長い映画と知っていたので、念のためもう一度トイレへ。5分前には9.5割が埋まってしまった。隣にいた女の子がトイレに行って来たら、次の回を待つ列が既にできていたと驚いていた。最終的にはほぼ満席。そこまでスゴセイ映画なのかなあ。もちろん悪くはないけど……。

 予想どおり、2時間を超えたあたりからトイレに行っておかなかった人たちがポツポツと席を立つようになった。そして2時間半から3時間経過したころには続々と席を立ち、気になった。せっかく映画の世界にのめり込んでいるのに、現実に引き戻されるような感じ。みなさん、上映開始30分くらい前と、5分くらい前の2回はトイレに行っておきましょう(って、15〜20分の休憩があれば問題ないんだけど。ドリンクとかも売れるし。でも上映回数を増やしたいんだろうなあ)。


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