日本語字幕:手書き書体、下、風間良平/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル
(香11B指定、米R指定)
売り出し中の殺し屋トク(アンディ・ラウ)は、有名になってギャラを上げるため、ベテラン殺し屋の小野こと“O”(オー、反町隆史)を倒す計画を立てる。手始めに“O”の見せかけの部屋の掃除をやっているアルバイトの女チン(ケリー・リン)に接触し、小野の正体を明かすが……。 |
さすがに香港映画、凄いアクションと勢いは少しも失われていなかった。細かな矛盾や強引な展開をいちいち上げていたらきりがないが、とにかく全体としてよく出来ていて面白い。初めはよくあるパターンのアクションものかとおもったら、次第にどう展開するのかが読めなくなって物語に没頭できる。それでも落ち着くところはやっぱりパターンなのだけれど、それを悟らせないのがスゴイ。そして何よりアンディ・ラウと反町隆史がカッコイイ。それだけでもOKでしょ。 香港が中国に返還され、海外へ流出してしまった才能も多いけれど、本作を見る限りまだまだ香港映画界は大丈夫のようだ。ただ、製作年が2001年と古いのは気にかかる。なぜ3年も経ってから公開されたのか。1〜2年はタイミングをはかって公開が遅れることがあるとしても、3年も経つと古い感じは否めない。しかも出来が良いのに。 何と言ってもアンディ・ラウがカッコイイ。本作ではプロデューサーも兼ね、反町隆史をゲスト・スターとして招き、彼をもり立てる立場に自分をおいて悪役に徹しているものの、彼のカッコ良さは隠しきれない。街頭で衆人環視の中、暗殺を実行するときも、アメリカ大統領のマスクを被っていても誰かすぐにわかるし、まるでモデルのようなすらりとしたスタイルは眼を惹きつけずにはおかない。残酷な殺しをやった後でも、美しい花が咲き誇るような笑顔は若い女性を虜にしてしまうに違いない。それがスターというものなのだろう。すばらしい。 反町は特に気負うこともなく、割とリラックスして演じている感じ。たぶん国内の撮影でもこんな感じなのだろう。カッコいい殺し屋に見えるようにガンバッタようだ。しかしそれよりもいいのは、かなりハードなアクションをがんぱってこなしていること。香港の俳優さんは多少のアクションは全部自分で演じなければならない。日本のプロップとは違う本物ベースのプロップ・ガンをよく使いこなしている。かなり優秀なトレーナーがついたのだろう。 惜しいのは、日本人の役なので、劇中、日本語しか話さないこと。できれば中国語(広東語?)を話して欲しかった。SMAPの草なぎクンじゃないが外国語を使うことによって見えてくることもあるだろうに。とはいえ、人気俳優にはセリフを覚える以外に外国語まで覚えている時間的な余裕はないのだろうけれど。 公開2日目、2回目の20分前、すでに入れ替えになっていた。ここは前売り券でも当日券との引き替えが必要だが、ポップコーンの割引券をくれるので、まっいいか。 ゆったりめで大きなスクリーンの435席に、2.5〜3割ほどの入り。おもしろい映画なのに。これは宣伝不足か。 男女比は4対6でやや女性の方が多く、年齢層の中心は20代から30代と若い。中高年は1/3ほどだった。 予告ではスクリーンの右端がボケていたが、本編ではちゃんと合っていたのか、ちょっと気になった。それと、上映中に人を入れるのは、横のドアではなく後ろのドアにしてもらいたい。売店の明かりかロビーの明かりなのか、かなり明かりが漏れてきて気になってしようがなかった。 |