日本語字幕:丸ゴシック、下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(HDTV、Sony HDW-F900)/ドルビーデジタル/dts/SDDS
〈米R指定〉
伝説のガンマン、エル・マリアッチ(アントニオ・バンデラス)三兄弟に、CIAと名乗るサンズ(ジョニー・デップ)が、麻薬組織のボス、バリヨ(ウィレム・デフォー)がメキシコ大統領暗殺のためにやとったマルケス将軍を殺すように依頼する。エル・マリアッチの妻はかつてマルケス将軍によって惨殺されていたため、すぐに引き受けることにするが。 |
「スター・ウォーズ」新シリーズや「ドッグヴィル」、「突入せよ」などもそうだが、もはやハイビジョンのデジタル・ビデオで撮影された映画は、後のフィルム風の処理によって見分けが付かなくなってしまった。撮影後の処理のしやすさ、経費の削減ということを考えると、これからはHDのDVCAMが主流になっていくことは間違いないようだ。この画質、雰囲気はどう見てもフィルムでしょ。 しかもメキシコを強調するためなのか、全体に黄色っぽい色調を強調している。これがまたフィルムっぽい雰囲気を醸し出しているのだ。色調の変換なんかデジタルだから簡単だっただろうけど、とにかくフィルムっぽい。 一部、映像が生っぽすぎていかにもビデオのようなシーンがあったものの、そこだけで他は本当にフィルムと見分けが付かない。 ただ、そのすばらしさに内容がついて行っているかというと、頭をかしげざるを得ない。一言で言えば、出来の悪いマカロニ・ウェスタンという感じ。内容はないといっても良いかも。単にカッコいい銃撃戦を撮りたかったから作ったような印象。 そういえば、監督のロバート・ロドリゲスはこの前に「スパイ・キッズ3-D」なんていう、シルベスタ・スタローンがラジー賞を受賞したやつ撮っているしなあ。しかも「スパイ・キッズ」シリーズは全部で3作もあるし。アメリカで一番人気のあった第1作でもIMDbでは6.3だし。ロドリスゲスはどうしちゃったんだろう。ボクは割と好きだった「パラサイト」(The Faculty・1998・米)(IMDb=6.1)のあと、ダメになってしまったのでは。 銃はショート・サイレンサーを付けたUSPや、グロック、ベレッタM92、ソウド・オフの水平二連ショットガン、S&WのM66っぽいリボルバー、AKアサルト・ライフル、M16ショート・カスタム、ショート・サイレンサー付きのイングラムSMG……などなどバラエティ豊かに取りそろえられている。 それと同様にキャストも贅沢なほど大物がズラリとそろえられている。アントニオ・バンデラスに仕事を依頼するCIAエージェントにジョニー・デップ。バンデラスの恋人にメキシコ美女のサルマ・ハエック。麻薬組織のボスに怪優になりつつあるウィレム・デフォー。その片腕に、本作では中途半端なワルの印象のミッキー・ローク。ボスの娘に「ワイルド・スピードX2」の女性捜査官を演じていたエヴァ・メンデス。そしてロドリゲス作品常連の悪役、ダニー・トレホとチーチ・マリンなどなど。ただ、どのキャラクターも実在感が薄く、員数会わせ的な感じさえするのはもったいない。うーん……。 公開初日の初回、新宿の1,072席の劇場は45分前に着いたら、30人ほどの列が出来ていた。下は小学生からいたが、中心は20代の若い人たち。女性が7人、オヤジも7人。30分前に開場し、その時点だだいたい50人くらいに。初回のみ全席自由で、10席×4列×左右のプレミアムっぱい指定席も、10席×2列×左右のぴあ席も自由。 イスは新しいものに入れ替えられていて、背もたれが高くなったからスクリーンの見え具合はなかなかいい(もともと良かったが)。すべての席にカップホルダーが付いたのも嬉しい。音響効果ではなくスクリーンの見やすさで考えると、ぴあ席がベストのようだ。 最終的に4割ほどの埋まり具合。これはまあまあ優秀な成績だと思う。初日プレゼントがあって、名入りTシャツをもらった。 |