2004年4月17日(土)「ピーター・パン」

PETER PAN・2004・米・1時間53分

日本語字幕:手書き書体、下、石田泰子/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビーデジタル・dts(オリジナルはSDDS・DTS-ES・Dolby EX 6.1)

(米PG指定) 字幕版と日本語吹き替え版あり。要注意

http://www.sonypictures.jp/movies/peterpan/index.html
(全国劇場案内もあり)

ロンドンに暮らす13歳の少女ウェンディ(レイチェル・ハード=ウッド)と2人の弟の部屋に、ある日ピーター・パン(ジェレミー・サンプター)が現れ、ネバーランドへと連れ出した。そこで彼らは孤児のロスト・ボーイズと出会い仲良しになる。そしてさらに、フック船長(ジェイソン・アイザック)率いる海賊が、ピーター・パンに復讐しようと待ちかまえていることを知る。

73点

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 とても丁寧に、原作に忠実に作ろうとした、正当派ピーター・パン映画。デジタル技術を駆使し、不思議なおとぎ話をリアルに描いてみせる。とてもまじめで、ちょっと過激な表現もあるもののちょっと大きな子供になら安心して見せられる映画だと思う。大人なら、子供の頃に読んだ物語の感動が蘇るかもしれない。優れたおとぎ話と言って良いと思う。

 「妖精なんていない」と言われると世界のどこかで1人が死ぬという設定の妖精、ティンカー・ベルに、インディアンのタイガー・リリーもいる。そしてセントバーナードにして乳母役のナナというワンちゃんの名演技。

 スピルバーグ印のピーター・パン映画「フック」(Hook・1991・米)と比べると、原作への忠実度はもちろん、完成度も高いのではないだろうか。俳優の豪華さや、広告の投入具合、予算のかけ方などでは劣っているだろうけれど。

 1つ気になるとすれば、ワイヤー・ワークがあまりにもミエミエなこと。デジタルでうまく消されてはいても、どう見てもワイヤーで飛ばされているようにしか見えない。なんかへっぴり腰だし、回転軸がハッキリ見える。

 本作のピーター・パンは、アニメのようにトレードマークの全身タイツ状のものは身につけていない。むしろほとんど裸に近いから、ワイヤーにつなぐハーネスを隠すことができないのだ。当然、手としてはデジタルで消していくしかない。これが不自然だと感じさせる結果に。

 驚くべきは、主演の美男子、1989年生まれの15歳ジェレミー・サンプター。新人かと思ったら、2001年、10歳の時にピル・パクストンが監督した「フレイルティ/妄執」(Frailty・2001・米/独/伊)で、連続バラバラ殺人事件の犯人とされる男の子供時代を演じていた少年だった。ボク自身、過去に今後注目かもしれないと描いていた。

 ウェンディを演じる美女は、レイチェル・ハード=ウッド。1990年生まれの14歳。なんとオーディションで選ばれた新人だそうで、これまで演技の経験はないのだとか。それで日本にまでやってきたのだから、役を得たことによって人生は大きく変わってしまったのだろう。美人なので今後に期待したい。

 監督はP.J.ホーガンという人で、オーストラリア出身の42歳、若手監督だ。これまでに「ベスト・フレンズ・ウェディング」(My Best Friend's Wedding・1997・米)などを撮っている。

 公開初日の2回目、40分前についたらロビーには2〜3人の若い女の子のみ。初日プレゼントがあって、ポスト・カード・セット(4枚つながり)をもらった。

 入れ替えの10分くらい前から人が増えだして、半分以上は18〜25歳くらいの若い女性。たぶん男女比は3.5対6.5というところだろう。カップルも多い。オヤジは数人のみ。

 最終的には指定席なしの420席に4割ほどの入り。2回目にしてはちょっと寂しいか。


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