2004年4月25日(日)「KILL BILL Vol.2 ザ・ラブ・ストーリー」

KILL BILL : Vol.2・2004・米・2時間16分

日本語字幕:手書き書体、下、石田泰子/シネスコ・サイズ(マスク、スーパー35)/ドルビーデジタル・dts・SDDS

(米R指定)

http://www.killbill.jp/killbill_vol2/main.html
(画面が勝手に極大化。全国劇場案内もあり)

ザ・ブライド(ユマ・サーマン)「毒蛇暗殺団」の復讐リストはあと3人となった。ボスのピル(デヴィッド・キャラダイン)、その弟のバド(マイケル・マドセン)、アイパッチの女殺し屋のエル(ダリル・ハンナ)だ。まずザ・ブライドはバドのところに向かう。

73点

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 前作より面白いと評判の本作、IMDbで調べてみるとVol.1が8.3点のVol.2が8.4点とわずかにVol.2がリード。しかしボクはVol.1の方が面白かった。本作も十分おもしろいのだが、前作と比べるとインパクトが減る分、やはり見劣りしてしまう。

 もちろん本作によって、虐殺の顛末、原因などが語られるので、それらは興味深いしチェックしておかなければならないだろう。そして、事件の原因となった身勝手なラブ・ストーリーが語られる。親子の愛もある。ただし、それらがある分、ハードなアクションの流れは滞り、もたつく感もする。メリハリというより冗長にさえ感じる部分も。

 見所の一つとして、中国拳法の名人のところに修行に行かされるシーンがあり、ジャッキー・チェンの「ドランク・モンキー/酔拳」(Drunken Monkey in the Tiger's Eye・1978・香、監督は「マトリックス」のアクション監督のユエン・ユーピン)で出てきたような特訓が始まる。師匠は、日本刀など敵ではないと豪語し、技を極めれば……とあっさりユマ・サーマン(ご本人はウマと呼んで欲しいと言ったとか、言わなかったとか)の日本刀をかわしてしまう。

 だというのに、結局勝負を仕掛けるのは日本刀だし、日本刀だけが印象に残る構成。それと、ビルを演じるデビッド・キャラダインがTVの「燃えよカンフー」というよりは地方公開のみだった「サイレントフルート」のキャラクターのように存在している。タランティーノがファンだったということか。

 たぶん「2」が「1」より盛り上がりにくいのは、青木屋での大立ち回りに匹敵する見せ場がないからだと思う。残りの3人は結局どれも1対1り戦いになっており、残酷さはともかくとしても比較をすれば地味なのだ。

 やはり今回の目玉は、アイ・パッチの女エル(「ブレードランナー」(Brade Runner・1982・米香)のダリル・ハンナが好演)との一騎打ちだろう。姉弟子にあたるエル。どうやら彼女だけが生き残ることで、「3」も作る予定らしい。

 前日に「1」のDVDを見て当日に望んだボクとしては、「2」でも両手を失ったジュリー・ドレフュスが出ると思ったし、使われていないカットがあるというアニメ・シーンもあのものだと思っていた。そして中心となる日本刀、服部半蔵ソードの作者であるソニー千葉演じる服部半蔵が再び出るものだと思っていた。期待は見事に裏切られた。いともあっさりとタランティーノはそれらを無かったかのようにスッハーリと切ってしまった。

 公開2日目の初回、座席と開始時間の関係で選んだ新宿の劇場は、ちょっと朝早い9時30分からの回の50分前、1組の若いカップルと、若い女性が1人。40分前になって5人ほどに。あれ、「1」の時はあんなに混んでいたのに……。

 30分前に開場となり、それまで締め切られていたドアが開いた。この時点で15人ほど。指定席はなく、全席自由。女性は全体の1/3、オヤジも1/3。

 それにしても、初回からシートやカップ・ホルダーが汚い。これくらい掃除しろよって感じ。最終的には400席の6割ほどが埋まった。カーテンはあって、最初は閉まっていた。


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