シネスコ・サイズ(マスク、Panavision)/ドルビーデジタル
50年も続いた世界規模の戦争の結果、大亜細亜連邦共和国が勝利したが世界は荒廃していた。そんな時、東博士(寺尾 聡)が病人や怪我人を救うために、母細胞から人間のあらゆる部位を製造することができる新造細胞理論を提唱し、開発資金の提供を求めた。軍がいち早く協力を申し出、実用化研究が始まるがなかなか完成させることができない。ところがある日、奇妙な現象と共に研究所に落雷があり、研究中の部位が寄り集まって4体の新造人間が誕生してしまう。 |
うーん、感情も動かされるし、ビジュアルもすごいし……でもどう言って良いのかよくわからん、って感じ。だいたいオリジナルの「新造人間キャシャーン」ってこんな話だったっけ? 自分もかつて見ていたのにもう記憶の遠い彼方にありよく覚えていない。本作を見ても何も思い出さない。そこでタツノコプロの公式WEBサイト(http://www.tatsunoko.co.jp/)を見てみると、換骨奪胎というか似て非なるものというか……。オリジナルは1973年から1974年にかけてフジテレビ系で放送されていた(http://www.aii.co.jp/go/tatsunokoworld.htmlで有料視聴が可能)。 当時、公害が社会問題になりつつあり、それを処理するために作られたロボットが突然反乱を起こすという話だった。それをロボット工学の東博士が自分の息子をアンドロイドにして、ロボット犬フレンダーと一緒に戦わせるという話。 それを現代らしく「戦争」に置き換え、遺伝子工学的な新生命に置き換えている。しかし印象はまったく違って、あえて言うなら「妖怪人間ベム」のようなダークな話に。なぜ「キャシャーン」だったんだろう。ヒーローのコスチュームもだいぶ違っているし、トレード・マークであるヘルメットはかぶる前に壊れてとまうし……。こういう話にするのなら、完全なオリジナルにするか、別な原作にすればいいのに。 人物が実写で、背景はほとんどCGという映画だが、すべてにデジタル加工が使われていて、いじりまくり。おそらく撮影されたままの映像はひとつも(1カットも)ないのではないだろうか。背景がCGで、3Dとは言えパンフォーカスだから。とても平面的に見えてしまう。CGというより電子紙芝居を見ているような印象。 世界観はかつてCD-ROMのゲームであったシナジー幾何学の「GADGET(ガジェット)」にも通じるものが。 公開6日目の初回、45分ほど前に銀座の劇場に着いたら、50〜60人の行列。えっ、この人気は何? やっぱりヒッキーの旦那だということ? しかし、何だかオタッキーな感じの人が多く、アニメ映画のような観客層。オリジナルの「キャシャーン」人気? よくわからん。 男女比はほぼ半々で、大学生くらいが中心。というかほとんど。 |