日本語字幕:手書き書体、下、稲田嵯裕里/ビスタ・サイズ(in Panavisionと表記)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG指定)
2日後に再婚を控えたテス(ジェイミー・リー・カーティス)は、ロックに明け暮れる高校生の娘アンナ(リンゼイ・ローハン)とぶつかってばかり。テスは結婚式のリハーサルを、アンナはバンドのオーディションを同じ日に控え、どちらも譲らない。そして食事に出かけた中華料理店でも口論を始める始末。するとお店のマダムが「フォーチュン・クッキー」を食べるようにと2人に出してくれた。しかたなくそれを食べると、おみくじに「相手の目を通して自分の本当の姿を見なさい」と謎めいたメッセージ。翌朝目覚めると母と娘の体と心が入れ替わっていた!? |
ストーリーとしては映画らしいありがちなもので、予想通りの結末へと至る。この種の映画面白いかどうかは、どのようにその予定調和に至るのか、登場するキャラクターにどれだけ感情移入できるか(好きになれるか)、だろう。そういう意味でこの映画はそれに成功している。細かなエピソードの作り方がうまく、問題はあっても登場人物たちが魅力的なのだ。ラストは感動が用意されていて、涙が……。 実はオリジナルがあって、本作はそのリメイク版。「フリーキー・フライデー」(Freaky Friday・1976・米)がオリジナルだそうで、主演はジョディ・フォスター。監督はほとんどTV界で活躍しているゲイリー・ネルソンという人で、同じディズニーでなかなか面白かったSFアクション「ブラックホール」(The Black Hole・1979・米)や人気作の続編「キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて」(Allan Quatermain and the Lost City of Gold・1986・米)を撮っている。こちらは日本では劇場公開されなかったようで、初公開はWOWOW。 とにかく主要キャラクターが魅力的。いつも弟ばかりをかわいがってね長女をしかってばかりに見える母親も、“スクリーミング・クィーン”と呼ばれたホラー(「ハローウィン」(Halloween・1978・米))出身でコメディ作品の多いジェイミー・リー・カーティスが演じると、陰険な感じがしない。 それに演技がうまいので、46歳(ジェイミーは1958年生まれ)からいきなり高校生になっても納得できてしまうのだ。たぶんこの話は娘と母役の役者の演技力に成否がかかっていたといってもいいだろう。この2人がうまくはまったので、あとはストーリーが回っていけば良かった。 長女を演じるリンゼイ・ローハンは、生意気盛りで憎たらしいかと思えば美形と言うこともあるし、以前「ファミリー・ゲーム/双子の天使」(The Parent Trap・1998・米)て双子の天使を演じただけあってこちらも芸達者。愛嬌があって、好きな男の子には顔も合わせられない内気さでバランスを保っている。まじめな感じと不良な雰囲気の演じわけがうまく、人格が入れ替わってからも違和感がない。 こまっしゃくれた弟のハリーを演じたのはライアン・マルガリーニで12歳。生意気なのだが、作文にこっそり姉が大好きと書くような子を好演。 母の婚約者を演じるマーク・ハーモンもきまじめな中年男性を好演。ちょっと子どもたちに取り入ろうと策を弄するところもあるものの、誠実でハンサムで清潔感もあって、この人なら再婚を許そうという気になる。TVが多いようで、ボクが印象に残っている映画は「プレシディオの男たち」(The Presidio・1988・米)くらい。 アクセントとなる、ちょっとボケて耳も遠いおじいちゃんがまた良い味を出している。知っていてやっているのか、知らないでやっているのか、まさに絶妙なところでのボケは何度も危機的状況を救ってくれる。演じているのはハロルド・グールドという人で、大傑作「スティング」(The Sting・1973・米)や、ネズミが大活躍する「スチュアート・リトル」(Stuart Little・1999・米)でもおじいちゃん役をやっていた。 ちなみにエンディング・ロールのバックで、ギターを弾きながら歌っている曲は本当にリンゼイ・ローハンがパフォームしているのだそうで、この映画がヒットしたことからCDシングルとして発売されたということだ。 公開2日目の初回、新宿の劇場は55分前に着いたら誰もいなかった。その後、45分前くらいになって中学生くらいの女の子が4〜5人やってきてのオヤジも1人。30分前になって1階のドアが開き、地下の入り口へ移動。この時点で15〜20人ほど。 男女比は3.5対6.5といったところで、やや女性の方が多い。中高年も3〜5人いたが、ほとんどは10〜20代の高校から大学生くらい。 15分前くらいになってやっと開場。ハッキリと案内はなかったが、全席自由のようだ。指定席は11席×4列と、11席×1列のぴあ席があてられていたが、この劇場の場合は指定席は音は良いかもしれないが、スクリーンの見え具合としてはあまり良くないと思う。 最終的には763席に50人程度。おお寂しい。これは宣伝不足なんだろうか。もっと入っても言い映画だと思うが……。たた、スクリーン中央部分のピントが甘いのは最後まで直らず、ずっと気になってしようがなかった。毎朝調整しないんだろうか。 |