2004年5月16日(日)「ドーン・オブ・ザ・デッド」

DAWN OF THE DEAD・2003・米・1時間40分

日本語字幕:手書き書体、下、岡田壮平/シネスコ・サイズ(マスク、super 35)/ドルビー・dts・SDDS

(米R指定、日R-15指定)

http://dotd.eigafan.com/top.asp
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

ウィスコンシン州エヴェレットの看護婦、アンナ(サラ・ポリー)は深夜に物音で目を覚ますと、娘が襲いかかってきた。それをかばった夫が噛みつかれ、いったんは出血多量で死ぬが、ゾンビとして生き返ってしまう。命からがら逃げ出したアンナは、外に出て、地域すべてにゾンビがあふれていることを知る。生き残った人々と町の巨大モールへ逃げ込むと、テレビでは世界的にゾンビが発生していると報じている。

73点

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 ほとんどオリジナルのジョージ・A・ロメロ版「ゾンビ」(Zombi : Dawn of the Dead・1978・米/伊)と似た印象だが、余計な説明をいっさいせず、とことん大多数で高速に襲いかかってくるゾンビからいかに逃れるかに集中したアクション・ホラー。感覚的には「エイリアン2」(Aliens・1986・米)に近いかも。それが成功している。

 ゾンビという名前を流行らせたくらいの前作だから、ほとんど説明はいらないということなのだろう。たぶん誰でも生きている死体は知っている。それが前提にあるので、観客はおいてきぼりにならない。見た目で生き返った死体だというのはわかるし。

 本作では、一度死んだ死体で、すでに死んでいるわけだから相手に対して同情も憐憫もいっさい必要ない存在として捕らえている。どんなに酷いことをしようと、罪悪感を感じる必要はないのだ。だから3D-CGなどのデジタル技術を駆使して、容赦のない暴力をむき出しに、壮絶な戦いを徹底的に描ききる。ここがスゴイ。

 そして、その戦いの構成はなんだかケビン・ベーコンの「トレマーズ」(Tremors・1989・米)のようだ。巨大ミミズの代わりに雲霞のように群がるゾンビがいて、やっぱり簡単には死なないと。脳を破壊しなければ本当に殺すことはできないらしい。銃ならヘッド・ショットのみが有効で、棒なら目を突くとか、下あごから串刺しにするとか、かなり残酷なことをしなければならない。

 加えて、動きが速い。足を引きずって歩くようなレベルではなくて、全速で走って追ってくるのだ。しかも神出鬼没。ちょっとしたミスがあると、そこを狙って侵入してくる。一口でもかまれれば、数時間後には死んで自分もゾンビになってしまう。「トレマーズ」のミミズのお化けも動きが速かったよなあ。どこにいるかもわからなかったし。

 そして、生き残った人たちでモール(「トレマーズ」はドライブ・インの雑貨屋)に集まり、協力して問題を解決しようとする。近くにはガン・ショップ(トレマーズ」はガン・マニア宅)があって、重武装すると。

 ただ、あのラストはどうなんだろう。安易な終わり方をしたくなかったのか、次につなげようとするつもりなのか、オリジナルとは違うエンディングにしたかったのか。普通はエンディングになる前に死ぬ人の役はカッコ良く、目立つもの。ところがあのエンディングでは、犠牲となった人々はただの犬死にではないか。せっかくの犠牲が台無し……。

 公開2日目の初回、雨がそぼ降る昼近い朝、銀座の劇場は55分前で8人。中学生から大学生くらいのみ。女性は1人。あれ、この映画ってR-15(15歳未満、つまり中学生以下は入場お断り)のはずだが……。どう見てもあきらかに中学生に見える男の子が2人いたが、高校生だったのか。前売りを開始してからR-15指定になったのか。

 50分前に1度だけ並び方の整列に来て、説明があったが後はナシ。人が増え出す30〜40分前になっても説明がなかったため、列の最後尾では当日と前売りの列がわからず混乱していたようだ。

 雨だったからか35分前に開場し、この時点では30人ほどの行列。老若比は半々になり、オヤジが増えた。女性も中高年が多く、男性の1/5〜1/4ほど。

 最終的には612席の6.5割ほどが埋まり、なかなか優秀。若者も増え中高年は全体の1/3ほどに。豪華シートのプレミアム席6席×4列には5人が座った。


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