日本語字幕:手書き書体、下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビーデジタル・dts
(仏-12指定)
フランスのある修道院で、13号室の壁に埋め込まれた死体が発見された。捜査に駆けつけるニーマンス警視(ジャン・レノ)。そのころ麻薬捜査に当たっていたレダ刑事は、行き倒れになったキリストのような格好をした男を保護し、病院に入院させる。そしてニーマンスは捜査を進める内、12使徒と同じ名前、同じ職業の男が次々と殺されていることを突き止め、行き倒れのを尋問しようと病院にやってくる。かつて警察学校で教官と生徒だったこともあり、2人の刑事は協力して捜査に当たることにする。 |
前作がタイトル相応のミステリーで素晴らしかったのと対照的に、まったく川に関係のない、つまりタイトルとジャン・レノだけを借りた別物。ボクは何カ所か、もったいないことにクライマックスの銃撃戦でも寝てしまった。5月なのに31℃もある暑い日で、劇場の冷房がガンガン効いて寒かったにもかかわらず……。危ない、危ない、劇場で遭難してしまうところだった。 謎は宗教的な臭いを付けて複雑に見せているだけで、実はシンプルで幼稚な感じさえする。舞台となるのがマジノ戦で、そこを見せてくれたのはうれしいが、いまどきまたナチスと財宝では誰も納得しないだろう。 酷い脚本は誰が書いたのかと思えば、リュック・ベッソン。以前のものは面白かったが、メジャーになってから脚本を手がけているのを見ると……「TAXi 3」(2003)、「ミシェル・ヴァイヨン」(2003)、「YAMAKASIヤマカシ」(2001)、「WASABI」(2001)……「ジャンヌ・ダルク」の後がいけないのか。まあ「トランスポーター」(2002)は面白かったけど。あるいは、作り過ぎで1本1本が薄くなってしまっているのではないだろうか。そんな気がする。 前作は「ゴシカ」(2003)を撮っているマシュー・カソヴィッツで、脚本も本人。まったくレベルが違う。役者もやっていて、「アメリ」でアメリのあこがれの人を演じていた人。この人が脚本を書いて撮っていたらと悔やまれてならない。 ジャン・レノの教え子の刑事を演じているのは、ブノワ・マジメル。見たことあるなあと思って調べてみると「スズメバチ」(2002)に出ていた。 ちなみに「マジノ線」というのは、フランスが第一次世界大戦後にドイツの脅威から国を守るために作った防衛ラインで、ドイツとの国境線沿いにある。構想では760kmもあったらしいが、第二次世界大戦が始まるまでに作られたのはその内の140kmほどといわれている。対戦車柵や機関銃座、トーチカなどで構成され、地下に鉄道を張り巡らせてそれらをつないでいたという。この内部を「クリリバ2」は見せてくれる。本物かどうかわからないが、地下から銃座が現れて車をボロボロにするというシーンが用意されている。 それ以外の見所としては……銃かな。ブノワ・マジメルがラストの銃撃戦で使うのは、フルオートにもなるグロックG18。これにロング・マガジンを付けて撃ちまくってくれる。そしてドラキュラ男爵こと「ロード・オブ・ザ・リング」のクリストファー・リーが22口径のルガーMk Iを使ってみせる。 公開初日の初回、新宿は前売り券の劇場よりいい70mm館での上映に変更されていて、ラッキー。完全なスタジアム形式の座席でスクリーンが見やすい。45分前に着いたらオヤジが1人。30分前に係員が整列に来た時点で15〜16人。2/3は中高年で、若い女性が1人。若い男性が1/3。 日差しの強い中、やっと25分前に開場し、この時点で列は25人ほどに。うち女性はオバサンが2人。女性に人気なしか。最終的には、指定席なしの420席に3.5割ほどの入り。これはまあまあか。下は高校生くらいから、女性は15人くらい。老若比はほぼ最初どおり。 |