2004年6月26日(土)「セイブ・ザ・ワールド」

THE IN-LAWS・2003・米独・1時間35分

日本語字幕:手書き風書体、下、税田春介/ビスタ・サイズ(with Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS

(米PG-13指定)

http://www.savetheworld-movie.com/
(入ったら音に注意。全国劇場案内もあり)

チェコのプラハで活動していたCIAのスペシャル・エージェント、スティーブ・トバイアス(マイケル・ダグラス)は、息子が結婚するというので相手の両親に会うため帰国する。相手の父親ジェリー(アルバート・ブルックス)は足専門の医師でなかなかの堅物だった。全員でベトナム料理を食べに行くと、そこへ武器の密売組織の男が現れ、トイレで格闘するハメに。それをジェリーに目撃されたスティーブは、彼を囮捜査に巻き込むことにするが……。

72点

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 何も考えず、ビールでも飲みながら肩の力を抜いて見られる映画。たまにはこういう映画も良いのではないだろうか。どうも最近、力のはいるものばかり見ていたせいか、とても新鮮に感じられた。

 とにかく演者があからさまに笑わせようとしていないのがいい。大げさな演技とか、わざとらしい動き、ヘンなしゃべり方、モノマネ……コテコテのギャグではない。つまりシチュエーション・コメディ。それも無理してそういう状況に持って行くのではなく、あり得なくはないという観客が納得できる展開。

 アルバート・ブルックスは笑いもせず、ただ困難な状況にはまってしまった堅物のあがく姿をまじめに演じているだけ。それがおかしい。特にウェスト・ポーチがからかいの的になっていて、どうもアメリカンではウェスト・ポーチはしないほうがいいらしい。

 一方アクション担当はマイケル・ダグラスで、ちょっともう年齢的に辛い感じだが、どうにか立ち回りもこなしている。銃器もコメディとは思えないほど本気で、MP5、M4カービンもグロック17にグロック26(たぶん)と定番アイテムにちょとしたひねりを加えているところがにくい。

 素晴らしいことの一つは、出演者。主役の2人はもちろんのこと、マイケル・ダグラスの仕事上の相棒が「バーティカル・リミット」で登山家一家のひとり娘を演じたロビン・タニー。マイケル・ダグラスの前妻が「砲艦サンパブロ」や「風とライオン」のキャンディス・バーゲン。まだ美人だが年を取った感が強いのは否めない。フランス人武器商人の男色のボスに「ハリーとヘンダーソン一家」でビッグ・フット・ハンターを、「ウィング・コマンダー」で司令官を演じていたデヴィッド・スーシェ。……という具合。かなりの個性派揃いだ。

 そしていいのが、音楽。なにしろのっけから「死ぬのは奴らだ」のテーマだし、「男と女」のテーマ、「明日に向かって撃て」の「雨にぬれても」、プレスリー、ビージーズ、エラ・フィッツジェラルドだとてんこ盛り。このサウンドトラックがあるのなら、かなりお買い得だと思う。60年代〜70年だのヒット曲が目白押しでお勧め。それで、マイケルは息子が初めて歌ったカラオケはなんだったか聞き出し、本当にKCザ・サンシャイン・バンドが自分たちの役で出演している。

 驚いたことに、本作はアラン・アーキンとピーター“コロンボ”フォークの「あきれたあきれた大作戦」(The In-Laws・1979・米)のリメイクなんだそう。そういわれれば、確かに似ている。ほとんど笑わないアラン・アーキンはアルバート・ブルックスとほぼ同じキャラ。でもピーター・フォークはどうだろう、マイケル・ダグラスだろうか。

 本当にあるのだと思うが、泡爆弾というのは驚いた。道路に止まっている車のドアの周りにシューとスプレーするとシェービング・クリームのように泡が付いて、そこが爆発してドアが取れてしまう。すごいなあ。勉強になります。

 公開初日の2回目。50分前に着いたらロビーにはオヤジ2人に、オバサン1人。初日プレゼントがあって、C2コーラのアルミ・ボトルをもらった。

 ポツリポツリと若い人も中高年もやってきて、25分前に列を作るよう案内があり、20分前に開場したした時点で40人くらい。スクリーンが見にくい劇場なので、ちょっと心配になる。

 男女比は4対6でやや女性が多く、老若比は3対7で20代が多かった。つまり女の子が多いわけだ。なんでだろう。ぴあ席が2席あった他は全席自由。最終的には306席の4.5割ほどが埋まった。

 それにしても、足下を照らす非常用のランプが点きっぱなしで、ちょっと気になった。ちなみにin-lawというのは義理の親戚関係のことだとか。


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