2004年7月25日(日)「シュレック2」

SHREK 2・2004・米・1時間33分

日本語字幕:丸ゴシック体、下、太田直子/ビスタ・サイズ(Arriflex)/ドルビーデジタル・dts・SDDS



http://www.shrek2.jp/
(音に注意。情報少ないのに遅い)

アツアツの新婚生活を送るシュレック(声:マイク・マイヤーズ)とフィオナ姫(声:キャメロン・ディアス)のもとに、フィオナ姫の実家から「二人の結婚を祝うパーティをやるから返ってこい」という知らせが届く。シュレックは怪物が夫では、実家に行けば不愉快な思いをするだけだからと気が進まないが、フィオナの熱心なすすめで渋々出席することにするが……。

73点

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 劇場予告の最初のものを見て、まったく見る気がなかった。「1」はあまりボクに向かなかったのだ。それの「2」では期待はできないだろうと。ところが、前評判どおり、なかなか面白い。IMDbの7.7は高すぎるような気もするが、悪くはない。

 ボクの採点がいい加減なので、2001年の映画の中で「シュレック」(Shrek・2001・米)は74点だが、2004年における73点の本作より落ちると思う。結局「1」は人間は見かけじゃないという「愛しのローズマリー」(Shallow Hal・2001・米)でも失敗したネタをおとぎ話に持ち込んで、失敗してしまったのではないかと思う。とにかく話が終わってもスッキリしないのだから。

 本作では、そのテーマを受け継ぎながらも、ちょっと視点を変えて、本当は怪物なのに魔法の力で人間の姿になって問題を解決しようとする姿が描かれる。そして「自分を偽って生きることはできない」と訴えてくる。これは素直に納得できる。そして、ちょっぴり感動も……。

 素晴らしいのは、よりリアルになった3D-CG……ではなくて、新しいキャラクターの長靴を履いた猫。暗い部屋でブーツしか見せない思わせぶりな登場の仕方はどうかと思うが、突然メルヘンチックに瞳を潤ませて媚びを売る仕草や、剣を振るって敵を止めるナイトのようなさまは、おかしいしカッコイイ。しかもアントニオ・バンデラスの声がぴったり。ときどき織り交ぜるスペイン語も自然で、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが注目を浴びた主演作「マスク・オブ・ゾロ」(The Mask of Zorro・1998・米)の雰囲気そのまま。素晴らしい。

 驚いたのはフィオナ姫の母に当たるリリアン王妃の声を、大女優のジュリー・アンドリュースが演じていたこと。まったく違和感なく、しかも誰だかわからなかった。「ドレミの歌」とか歌ってくれればわかったのに。

 実写映画がさえないエディ・マーフィも、ロバのドンキー役はぴったりで、しかもおもしろい。アニメだとあの大げさな演技が鼻につかないということなのだろうか。

 物語の設定は、良いものであるはずの妖精が実は悪くて、良い役であるはずのチャーミングな二枚目がマザコンで嫌なヤツという、通常のおとぎ話をひっくり返している。そしてヒット映画のパロディをふんだんに取り込み、笑いをたくさん散りばめて、王道たる魔法の話にしたと。そしてノリのいい歌を何曲も入れ、ミュージカル的楽しみも盛り込んでいる。

 映画でよく使われる「ヒーロー」(Holding Out for a Hero)、リッキー・マーティンの「リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ」(Livin' La Vida Loca)、デビッド・ボウイの「チェンジズ」(Changes)……などなど、詳しくはIMDb(http://us.imdb.com/title/tt0298148/soundtrack)で確認して欲しい。このサントラはちょっといいかも。

 ラスト、エンドロールが始まってもちょっとだけ映像があるので、早々と席を立たないように。

 公開2日目の3回目(字幕版初回)、銀座の全席指定の劇場だったので朝、当日指定券と交換しておいたのでゆっくり出かけ20分前に着いた。すでに前回が終わり、入れ替えとなっていて場内には20人ほどの人。男女比は半々で、多いのは20〜35歳くらいまでと、35〜50歳くらいの2グループ。親に連れられた幼稚園児や小学生もいたが、字幕でわかるのだろうか。

 後ろの席のオヤジは靴を脱ぎ、前の席に足を投げ出していたが、なんなんだろう。マナーどころの話じゃない。恥を知れと言いたい。あんたに映画を見る資格はないゾ。

 最終的には654席の3.5〜4割ほどしか埋まらなかった。え、なんで? 中央付近のプレミアム・シーン17席×2列は0人。まあ「1」よりいい「2」というのはなかなか無く、「1」の出来があれだからなあ……。でも「2」はなかなか。できればデジタル上映で見たかったが、銀座のこの劇場はDLPを持っていたんじゃなかったっけ?


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