日本語字幕:丸ゴシック体、下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG指定)
末っ子で高校生のアラン・トレーシー(ブラディ・コルベット)は1日も早く国際救助隊のメンバーに加えて欲しいと願っていたが、父ジェフ・トレーシー(ビル・パクストン)は許してくれなかった。そして春休み、ペネロープ(ソフィア・マイルズ)に連れられて、同級生で国際救助隊の発明家ブレインズの息子でふるフォーマット(ソーレン・フルトン)と一緒に秘密基地のある南太平洋の島にもどる。ちょうどそのころ、国際救助隊に怨みを抱くフッドの一味がサンダーバードのメカを手に入れるため、国際救助隊の宇宙ステーション、サンダーバード5号にミサイル攻撃を仕掛ける。すぐに一家全員が3号で救出に向かうが……。 |
実は内心ちょっと心配していたのだが、ハッキリ言っておもしろい。単純に楽しめる。春休みとか、夏休みに、子どもが体験したいような大冒険、それがこの映画だと思う。感動とか、考えさせられるというのはないけれど、ハラハラドキドキ、あっという間の1時間35分だった。 監督が最近の「スタートレック」新シリーズのジョナサン・フレークス。「ファースト・コンタクト」(1996)と「叛乱」(1999)を監督していて、どちらも、ちょっと……。なんだかどれもTVっぽい印象だった。 その上、もともとイギリスのTV番組で、アメリカではあまりヒットしなかった「サンダーバード」をアメリカの監督が手がけるという。気合いの入り方が足りないのではないかと……。 ところが、TVのオリジナルを良く生かして、全体をうまくまとめていた。予想どおり救助隊が活躍する話ではなく、少年の成長という話にはなっていたが。 もちろん突っ込みどころはたくさんある。マニア度が高いほどいろいろ言いたいとは思うだろうけれど、1〜5号までちゃんと全部出してペネロープ号出して、その上、ジェット・モグラや空中バイク、消化剤のようなものを放出するヤツとか、レーザー・トラクターみたいななヤツまで出しているんだし。1号、2号、3号の発射シーンもちゃんとある。隠された通路で乗り込むまでは描かれていなかったけど……。 有名俳優がたくさん出ていたのはちょっと驚き。自ら出動して救助活動に当たるという、らしくない父親ジェフ・トレーシーを演じたのが最近、日本では2/3ほどの短縮版で公開された「ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密」(Ghost of the Abyss・2003・米)のビル・パクストン。敵役のフッドがなんと「ガンジー」(Gandhi・1982・英/印)の名優、ベン・キングスレー、あまり活躍しないがブレインズを「ガッチャ!」(Gotcha!・1985・米)や「トップガン」(Top Gun・1986・米)のアンソニー・エドワーズ。 特にベン・キングスレーはすばらしいけれど、一番目立っていたのは、すべてピンクづくめのペネロープを演じたソフィア・マイルズ。つい最近公開されたバンパイア・アクション「アンダー・ワールド」(Underworld・2003・米)で、嫉妬するバンパイアを演じていた人。カンフー・アクションがなかなかすばらしいし、上流階級のお嬢様という感じがよく出ていた。本作ではアクションもいけることを証明した。この映画の評価が高ければ、今後どんどんスクリーンに登場することになるのではないだろうか。 公開2日目の2回目(字幕初回)、新宿の劇場は30分前ロビーの片側に11人ほど。うち女性はたった1人。ほとんどはハイティーンから20代の男性。15分前、劇場の案内もなく、掃除の人が内側からドアを開けて、どっと人が入る。 最終的に、指定席なしの406席に5割ほどの入り。中心は20代くらいで、中高年は3割ほど。白髪もちらほら。女性は3割くらいか。つまりカップルが多いと。小学生低学年も1人くらい見かけたが、はたして字幕が読めるのか。親の責任だよなあ。 |