日本語字幕:手書き風書体、下、全?鈴/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル
近未来、自分の息子を誘拐された特別捜査隊の隊長ユン(キム・スンウ)は、強行突入して息子を植物状態にしてしまう。1年後、もと政府の科学者だけをねらった連続誘拐殺人事件が発生する。特別捜査隊が捜査に当たるが、長官が誘拐されてしまう。たまたまアメリカから帰国していた長官の娘ノ・ウス(キム・ユンジン)が分析官だったことから、捜査に協力することになるが……。 |
韓国的な強い情念のドラマに、アクションをたっぷり織り込んで、SFの味付けをしてXファイル風に仕上げたポリス・アクション。銃撃戦の迫力はハリウッドなみだし、SFとしても、ちゃんとビジュアルに凝って(しかも合成が自然)高層ビル群を見せたり、凝った小道具を取り入れて世界観を出そうとしている。 ただストーリーがそれほど複雑でもないのに流れが悪く、ちょっとわかりにくい部分もあった。そのため中だるみする。あまり寝ていなかったのでちょっと気を失いかけたことが何度か……。 よかったのはこれが映画デビュー作という、特殊部隊の女性隊員メイを演じたキム・ソナ。もちろん美人だが、アクションがいい。ゲスト・スター的な扱いの「シュリ」のキム・ユンジンより目立っていた感じ。なんでも中学時代に日本の学校に通っていたそうで、プロモーションで来日してインタビューを受けたところを見ていたら、日本人でも通るくらい日本語が流ちょう。しかもデザート・イーグルの2挺拳銃だもんなあ。うーん、びっくり。今後の作品にも期待が持てる。 役者さんもみんないい。その1人だけ気になったのは、ボクだけなのだろうが、主人公とも言える特別捜査隊の隊長を演じたキム・スンウ。彼だけが、どうしても最後まで特別捜査隊の隊長に見えなかった。どうもキャラがおぼっちゃま的で、弱い気がした。 当然ながら、「ソウル」や「リベラメ」のチェ・ミンスはいい。彼がいるおかげでこの映画がしまる。しまるだけに、主人公の弱さが辛い。 特殊部隊の話なので銃もたくさん登場し、隊員は基本的にG36アサルト・ライフル、隊長はなぜかフルオート射撃が可能なベレッタM93R。一部M4カービンもあったとと思う。 テロリストというか犯人たちはもきわめて特殊なメーカー製のスーツ・ケース入りのサブマシンガンMP5K(銃を持っていることを悟られずに射撃が可能)まで持ち出す。たぶん映画初登場だろう。3点射のある新フレームだった。 ほかにチラッとで確認はできていないが、ワルサーP99らしいピストルや、レーザー・サイト付きベレッタM92、スナイパー・ライフルのH&K・PSG-1、SOCOMピストル……などなど。とても凝っているし、お金をかけている。 それに加えて、弾着がウマイ。とてもリアルだ。銃はハリウッドなどに申請して借りているとしても、弾着は自前ではないだろうか。だとすればかなりの熟達度。自家薬籠中のものとしている。ほとんとどハリウッドと変わりないといってもいいと思う。 公開4日目の2回目、銀座の劇場に35分前に着いたらロビーにはオヤジが3人。20分前に入れ替えとなって、入場した時点で13〜15人。20代らしき男性は1人か2人。若い女性はたった1人で、オバさんが2人。あと全部オヤジ。場内は指定席なしだが、なぜかロビーより暑い。うーん。 最終的には130席に20人ほどの入り。少なくてよかった。ここは混むとスクリーンの下が全席の人の頭でよく見えないのだ。字幕が下に出る映画(ほとんど)はかなり辛い。 |