日本語字幕:手書き風書体、下、松浦美奈/ビスタ・サイズ(OTTO)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG-13指定)
ある巨大な森の中にある小さな村。そこでは古くからの言い伝えに従って、森に住む何かとの密約により、村人が森に入らない限り彼らも村に入ってこない、という「掟」があった。しかし、ある日、村人の1人がナイフで刺されて重傷を負い、どうしても「掟」を破って森を抜け、その向こうにある町まで行って薬品をもらってこなければならなくなった。皆が恐れをなす中、傷を負った男の恋人で、ほとんど目の見えないアイヴィ(ブライス・ダラス・ハワード)が名乗りを上げる。 |
うーん、これはどうなんだろう。悪くはない。ただ例によってとっても小さな話。映画というよりはTVドラマとして作った方が良かったのでは、というくらい。 どんでん返しもまあまあだが、あれだけCMや予告を劇場で打たれていると、観客としてはもっとスゴイものを期待してしまう。ハッキリ言おう、それはきっちりと裏切られる。 たぶん、この監督ナイト・シャマランの得意なのは、まず世界観をきっちりと作って誰もがそれを受け入れたら、あとで鮮やかに覆してみせるという手法だろう。まさにピッタリはまっている。 そして、何かがいそうな雰囲気、何かが出てきそうな雰囲気、その作り方がうまい。ただ、こう同じ手法で何作も続けられ、しかも小さい話を大げさに見せられると、そろそろ飽きてくる。いつまでも「三尺の大イタチ」じゃいけないんじゃないかなあ。観客はみんな「大イタチ」を期待してきているのに、いつも「大きな板に血」じゃ納得できないと思う。 出演者はすごい。村長らしき男はウィリアム・ハートだし、重傷を負う男はシャマラン組の定番俳優ホアキン・フェニックスだし、その母親がシガニー・ウィーバーだし。 たぶん村全体のセットも実際に全部作ったのだろう。で、のっけのタイトルから音で脅かしているので、これはヤバイかもという予感はあったのだが……。 ちょっとした感動と、あっというどんでん返し。アーティスティックな絵、豪華役者陣……見所はここか。 映画初主演というロン・ハワード監督の娘、ブライス・ダラス・ハワードはとてもがんばっているけれど、この作品だとスケールが小さく感じられて残念。印象もあまり大きくない。次回作に期待かも。 公開初日の初回、新宿の劇場は55分前に着いたらオヤジが2人。20代の男性が1人。40分前になって5人になって、20代が2人に。30分前になったら、前売りの列に20人、当日券の列に20人くらいと急増。25分前にようやく開場し、中へ。ここは指定席はない。その分サイド・スピーカーはあるが、リア・スピーカーもない。うーん、どうなんだろう。 最終的に老若比は2対8で中高年が多く、男女比は8対2でほとんど男性ばかり。逆かと思ったんだけど……。406席の5.5割りほどしか埋まらなかった。そろそろ観客も「シックス・センス以外は……」と思い出したらしい。しようがないだろう。こうなると、監督本人が本編のどこかで出演していようが関係ない。多くの人が興味ないんだから。ちょっと辛いなあ。 |