日本語字幕:手書き風書体、下、栗原とみ子/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル/dts/SDDS
(米PG-13指定)
最愛の妻を、異常者のドライバーにひき逃げされた男レニー(ジム・カヴィーゼル)は、グリーンの72年型キャデラック・エルドラドを5年間にわたって追い続けていた。そして、ついにある町に現れ、モリー(ローナ・ミトラ)という若い女性に狙いを定める。 |
すばらしい。よくここまでストーリーを濃縮し、車での激突というアクションを中心にしながら、これだけの感情を描いたものだと思う。なんかルトガー・ハウアーが怖かった「ヒッチャー」(The Hitcher・1986・米)そっくりの映画だなあと思っていたら、なんと監督はご本人。あらら。 ただ、いかんせん短い。もっと犯人を追いつめていく過程が欲しかった気はする。1つの謎解きのように犯人像に迫り、さいつをどんどん追いつめていく感じが。たぶん、「ヒッチャー」のように余計な枝葉を削いだ、シンプルなストーリーにしたかったんだろう。でも、さすがに82分しかないと物足りない。もう一ひねり欲しいと思う。 それ以外はすばらしい。特に最初にモリーがトンネル内で事故に遭うシーンがすごい。リアルだし、めちゃくちゃ怖い。監督はこういう事故にあった経験があるのではないだろうか。カットの構成がというか絵作りが、どれも事故にあった人の視点になっている。怖い。自動車専用道路で、夜ナトリウム灯のようなオレンジ色の明かりがともるやや下りのトンネルに入っていくと、いきなり馬がいる。これは怖い。それを避けると今度は車いすが道路の真ん中にあるのだ。避けきれずにはじき飛ばしてしまう。ドカーン……これも怖い。さすが「ヒッチャー」のロバート・ハーモン監督。 魅力的なモリーを演じたローナ・ミトラという女優さんは、「インビジブル」に女性研究員で出ていた人。でもTVドラマ「プラクティス」の方が有名かもしれない。たぶん今、一番脂が乗っている、旬なのではないだろうか。魅力炸裂。TVシリーズの出演が続くようだが、今こそできるだけたくさん映画に出て欲しい。女優さんは旬が短いようだから。でもTVの連続ものの方がギャラはいいということになるのだろうな。どうでもいいけど。 公開初日の2回目、新宿の劇場は50分前でロビーに20代男性が1人だけ。でも、そのおかげか初日プレゼントがまだあって、アメリカ製のミニカーのブリスター・パックをもらった。普通に買ったら500〜700円はするんじゃないだろうか。とっても得した気分。嬉しい。 30分前で5〜6人になったが男だけ。30代くらいが1人であとはオヤジ。10分前に入れ替えになったが、この時点では20人くらい。そのうち若い女性が2人、オバサンが3人。あとは老若半々の男性。 最終的に指定席なしの330席に30人くらいの入り。これはもっと入ってもいい作品だと思うが、どこの雑誌でも紹介しなかったということか。 |