日本語字幕:手書き風書体、下、林 完治/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米R指定)
工事現場から両腕を切断され、顔をつぶされた男性の死体が発見された。地元警察のレクレア(チェッキー・カリョ)はFBIに協力を依頼し、特別捜査官スコット(アンジェリーナ・ジョリー)が派遣されてくる。やがて目撃者、コスタ(イーサン・ホーク)が現れる。彼は絵が描けるので似顔絵を描くという。これで一気に事件解決かと思われたが……。 |
なかなか不気味な物語。たくさんの死体が出てきて、だんだん気持ちも悪くなってくる。 しかし、狙った人物を惨殺し、その男になりすまして暮らしていくという物語自体はおもしろい。一体、誰が犯人なのか。どうやって犯人を追いつめていくのか、ここが一番の見所だ。 ただし、キーファー・サザーランドが出てきたあたりで、犯人の想像はついてしまう。ここが惜しい。だから意外な犯人の正体というのが、やっぱりという感じになってしまうのだ。いいのは、それで終わってしまわずに、最後もう一ひねりしているところ。これは意外だった。 サイコ・キラーものはとにかく気持ち悪い。殺した人物になりすますため、殺された人物が誰だかわからないようにする必要がある。それで、両手首を切り取り、顔をつぶすのだ。主人公のスコットはこの現場写真を見ながら食事をし、インスピレーションが得られるからと、死体が埋められていた穴に入って横たわる。そして、自分で「サイコは死体や殺人という言葉に反応しない」と堂々と言い放つのだ。そりゃ自分もだろって感じだ。たぶんここは狙いなのだろう。 とにかく出演者が豪華だ。上司が凶暴な役もこなせるチェッキー・カリョ(公式サイトではケイリオと表記)、同僚が「S.W.A.T.」で若き麻薬王を演じたオリビエ・マネティネス、もうひとりが「キリング・ゾーイ」や「ニキータ」の二枚目ジャン=ユーグ・アングラード、犯人の母親にあの名作「グロリア」のジーナ・ローランズ、事件の目撃者に傑作SF「エキスプローラーズ」のときは子役だったイーサン・ホーク、という面々。これで文句あるかというところだろう。カナダが舞台なのでフランス人が多い。 これらのクセものをまとめた監督はD.J.カルーソーという人。これまではテレビで活躍していたらしい。アメリカで高い評価を得たという「The Salton Sea」は日本公開されていないが、今後期待できる人なのではないだろうか。 刑事たちはだいたいグロックを持っており、アンジェリーナ・ジョリーはFBIということでかSIGザウエルのP230のシルバー・モデル。スターム・ルガーKP89らしきオートもちらりと。ラストには小型オートとS&Wの.357マグナムっぽい4インチのリボルバーまで出ていたので、ちょっと銃器にこだわりがあるのかも。それに銃声がよかった。サラウンドでちゃんと右の壁から音が聞こえたり工夫を凝らされていた。 全体に効果音のサラウンド感はすばらしかった。非常に効果的に使われている。ドキっとするほど音が移動していた。映像の怖さにちっとも負けていない。 公開2日目の初回、新宿の劇場は50分前でまたまたオヤジが1人。ほんとオヤジは熱心だ。45分前に20代2人、オヤジ4人の6人となった。女性は0。どうもここでホームレスが寝ていたらしく、ものすごく臭いにおいが残っていた。速くあけてくれ〜。息ができないよ〜。 25分前になってやっと地上のドアが開き地下へ。ふう、助かった。2〜3分で開場となった。 初回のみ全席自由で、場内へ。11席×4列とぴあ席1列のカバーの席も自由。ただその案内がないので、とまどっている人もいた。ボクは用心して少しはずれた席へ。というかはずれていた方がスクリーンは見やすい。 15分前くらいで35人くらい。ほとんどは中高年の男性で、女性は20代くらいが5人で、オバサンが2人。指定席は意外とスクリーンが見にくいことがわかっているのか、案内がなかったからか、あまり埋まらなかった。案内があったのは上映開始ちょっと前になってから。 最終的に763席の3〜3.5割りが埋まった。まあまあというところだろうか。 |