日本語字幕:手書き風書体、下、林 完治/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG13指定)
2035年シカゴ。ロボットが人間と共生する世界。しかし、ある日1人のロボット学者(ジェームズ・クロムウェル)が自殺し、刑事のスプーナー刑事(ウィル・スミス)が指名されて現場へ赴く。彼は内側から鍵のかかった研究室のガラスの壁を突き破って飛び降り自殺したらしかった。しかし、部屋から1体のロボット、サニー(アラン・テュディック)が発見される。ロボット嫌いのスプーナー刑事は、彼が殺したのではないかと疑い、捜査を始めるが……。 |
おもしろい。きっちりと描かれた未来世界(ちょっといかにも描いた絵っぽいが……)、アクション、陰謀、謎解き、美女、存在感のあるロボット……ストリー展開は強引だが、それらが受け入れられる人は見ている間まちがいなく別世界をバーチャルに体験できる。いやあ、久々にプログラムを買ってしまった(スチルが少なかったけど……)。 問題があるとすればオチで、これはあまりにも使い古されたネタ。それまで良かったのに、これかよ、というのは確かにある。ありふれたオチだけれど、でもこれだけをもってこの作品全体を良くないと言うことはできないと思う。 とにかくキーとなる新型ロボットNS-5のサニーがいい。3D-CGなのだが、人柄というか感情を持ったキャラクターが魅力的だ。観客が感情移入できる。もちろんメインはスプーナー刑事なんだけれど。 主人公がどちらかというとアナログ人間で、ロボット嫌いというのは出来過ぎな感じはする。これはあとにつながる伏線なのだが、初めっから対立させようという意図が見え見え。 美人科学者を演じたのは、ブリジット・モイナハンという人で、モデル出身の人だという。スタイルがいいわけだ。ちょっと情けない映画「トータル・フィアーズ」(The Sum of All Fears・2002・米)でベン・アフレックの恋人の女医さんをやっていた人。なかなかおもしろかったCIA映画「リクルート」(The Recruit・2003・米)でも、コリン・ファレルの同僚を演じていた。結構、芯の強い女性の役が多いようだ。 ロボットのデザインはハリウッド版「ゴジラ」をデザインしたパトリック・タトポロス。この透明な感じは米アップル社のマッキントッシュのデザインのようでもあるかなと。自動的に生産会社のU.S.R.社とつながって最新情報にアップデートされるというところが、今っぽい。通信中は胸の奥が赤く点灯する。これが怒りモードっぽくて、またまたグッド。 監督はアレックス・プロヤス。ブランドン・リー主演の「クロウ」で事故が起きブランドン・リーを死なせてしまったことから、なかなかメジャーに復活できなかった。それがついに本作で復活した。しかし、もともと実力のある人で、「クロウ/飛翔伝説」(The Crow・1994・米)はシリーズ化されたし、「タークシティ」(Dark City・1998・米)は驚異の異世界SFで見るものを圧倒した。ただしB級扱いであまりパッとしなかった。その次の「Garage Days」(2002・豪)は日本未公開で、本作でやっと再びスポット・ライトが当たったというところ。今後に期待したい。 ドイツのアウディがこの映画のために作ったというスペシャル・カー、RSQはとてもカッコいい。一見の価値あり。映画の中ではタイヤを使わないエアー・カーのような設定になっていたようだが。 公開初日の初回、新宿の劇場は65分前に着いたら30代後半らしき男性が1人。60分前になったら同じくらいの年齢の男性が3人。おや、意外に若い人がいないんだ。女性いないし。 45分前になって前売り券の列に15人、当日券に6人くらいとなり、20〜30代の若い人が増えてきた。女性はようやく2〜3人。40分前に開場して中へ。この時点で前売り20人、当日10人くらい。前評判の割りには少ない気もする。 初回のみ全席自由で、12席×5列のカバー席も自由。下は親に連れられた幼稚園くらいの子もいたが、字幕読めないだろうなあ。だいたい理解できるんだろうか。暴力シーンだって多いし。親が見たいだけか……。平均すれば下は中学生くらいから、上は白髪の老人まで、客層はかなり幅広い。中心はでも中高年で、老若比は7対3という感じ。男女比は8対2で圧倒的に男性が多い。 最終的に1,044席に6割りほどの入り。まあまあというところだろうか。先頭グループで入場したが、何か配り忘れていたらしく、あとになって入ってきた人たちは何か持っていた。どうもアンケートらしかったもののあまり気分はよろしくなかった。 |