日本語字幕:手書き風書体、下、滝本真理子(松浦美奈)/シネスコ・サイズ(マスク、Panavission)/ドルビーデジタル
(香港IIB指定、英15指定)
1991年、尖沙咀を支配するンガイ組の大ボスが暗殺された。その下のボス5人はこの期を利用して組を離れようとするが、大ボスの息子ハウ(フランシス・ン)はそれぞれのボスの弱点を握り一気に引き締め掌握にかかる。一方警察はンガイ一族の異母兄弟で警察学校の学生ヤン(ショーン・ユー)を組織に潜入させる。また5人のボスの一人サム(エリック・ツァン)は部下のラウ(エディソン・チャン)を警察に潜入させるため警察学校に入学させる。やがてハウは5人のボスの抹殺を始める……。 |
映画としてはまとまっていて、良くできている。なんだか昔の日本のヤクザ映画を見ているような感じ。完璧なるギャング映画。だから、決して明るい話ではなく、裏切り、だまし、愛憎渦巻く犯罪者たちの世界。それを取り締まろうとする警察サイドもまたきれい事では済ませられず、犯罪者と紙一重の罠を仕掛けていく。うーん、凹んだ。 その結果、関わった者たちはみな「無間地獄」に落ちてしまうという、そんなお話。約2時間が2時間半ほどにも感じられた。ついこんな世界から速く出たい、そう思ってしまった。それくらいだから、世界観の描き方は完璧。これはスゴイとしか言いようがない。ただ……。ハッキリ言って元気なときに見た方がいいと思う。 話としては3部作の第1作に当たるのだそうで、だから第2部に当たる第1作目の「インファナル・アフェア」を見ていないとしても充分楽しめる。むしろ第1作目にあったようなわけのわからない第1部からの引用のような、いわば雑味がないぶん、とてもスッキリした。それで話がわかりやすいかというと、かなり複雑で全体の絵が見えてくるまではちょっと集中力が途切れがちだった。 前作では警察に潜入するギャングのラウことアンディ・ラウと、組織に潜入する警官のヤンことトニー・レオンが良かったわけだが、本作では自らが悪になろうとしてしまうウォン警部こと、アンソニー・ウォンがいい。潜入捜査を独断で決め、1人の刑事の人生を狂わせてしまう彼の悩みは第1作ではあまりわからなかったが、本作で初めて描かれている。うーん、いい。とてもエディソン・チャンと一緒にゆるゆるの「ツインズ・エフェクト」なんていうアイドル映画に出ていた人とは思えない。もちろん役者は仕事だから、普通の役者さんは役を選んでいてはいけないのだけれど。 そして、サムの妻マリーを演じたカリーナ・ラウもいい。夫のために殺人まで犯し、なにやらウォン警部とはできているような雰囲気。それでいて若くて魅力的なラウのかなり真剣な求愛はキッパリと断る。ラストも衝撃的。 ボク的には大ボスの息子ハウを演じたフランシス・ンが特に良かった。クールで、そして怖い。いわゆるインテリ・ヤクザ系。その雰囲気が実に良く出ている。これまであまり見たことがないというか気づかなかったが、今後は注目してみたいと思う。 銃声はとても怖い。本当に人が死ぬんだというまがまがしさがある。この種の映画ではやっぱりこうでないと。登場する銃はベレッタM92やハイパワー、ガバメントで、ガバメント・カスタムもチラリと出てくる。 公開3日目の初回、新宿の劇場に行ってみると小さくて見にくい劇場から大きな劇場に変更されていた。嬉しい。これで印象はかなり良くなると思う。見る方の気合いも違ってくる。 45分前に付いたら30代らしき男性が1人のみ。40分前になったら10人くらいに。男女比は半々で、30代が中心という感じ。中高年は1/3くらい。 30分前をすぎた頃上の入口が開き、地下のもぎりの前へ。20分前に開場し、場内へ。この時点で30人くらいか。白いカバーの席はなく、全席自由。最終的には763席に4.5割ほどの入り。当初の予定どおりの劇場だったら確実に満席立ち見状態。いや入りきらないか。 上映前に案内があり、本編上映後3部作最後の作品の予告があるとのこと。10人くらいが帰ったもののほとんどの人は残って予告を見ていた。公開は2005年だそうで、いまならシリアル・ナンバー付きの限定捜査ファイル付き前売り券があるという。ちょっと気持ちが動いたが、今から買っておくとなくす可能性が高いので、やめておいた。 |