2004年10月2日(土)「ヘルボーイ」

HELLBOY・2004・米・2時間12分

日本語字幕:丸ゴシック体、下、林 完治/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米PG-13指定)

http://www.uipjapan.com/hellboy/index.htm


1944年ナチスに協力するロシアの怪僧ラスプーチン(カレル・ローデン)によって、冥界から魔物をこの世に召還させる実験が行われようとしていた。それに気づいた連合軍はその場所を急襲、実験は失敗してラスプーチンが冥界にのみ込まれ、かわりに冥界から召還された真っ赤な赤ん坊を保護した。そしてブルーム教授に(ジョン・ハート)よってヘルボーイ(ロン・パールマン)と名付けられ、やがて成長するとFBIの超常現象捜査局の捜査員として、冥界からの侵略者たちと戦いはじめた。

74点

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 おもしろい。「X-MEN」と「MIB」というか「Xファイル」をミックスしたような作品。超能力を持ったヘルボーイ、半漁人のようなエイブ・サピエン(ダグ・ジョーンズ)、炎を操ることができる一見普通の女性リズ・シャーマン(セルマ・ブレア)が、やはり超常パワーを使うナチス残党女将校のイルザ(ブリジッド・ホドソン)とナチスの科学者で将校のカール・クロイネン(ラディスラフ・ベラン)、そして彼等によって復活させられたラスプーチンらた戦う。

 ただし、普通の子ども向けのコミックの映画化というとそうではなく、異形のものとしての悩みや、恋愛も描かれ、ただのヒーローものと違ったダークさがかなりある。これをプラスととらえるか、マイナスととらえるかで、評価は変わってくるかもしれない。ボクは悪くないと思うが、ちょっと暗い部分が多すぎるような気はした。

 とにかく異様な容貌と超常パワーを使った戦いが良くできている。そしてデジタル処理を少なくして、できるだけ現場の処理で対処したという効果が現実的な迫力を増しているのかもしれない。壮絶というかすごい迫力。

 そして、ビジュアル・イフェクトもいいが特殊メイクがまたスゴイ。ヘルボーイを演じるロン・パールマンは彼の個性を生かしつつ、不自然さの全くないメイクになっている。そして、半漁人のエイブの不気味さ、機械仕掛けのミイラのようなクロイネン……どれもまたダークな過去があるものの、本当にいそうなリアルさが合って良い。うまいなあと感心していたら、手がけたのは何度もアカデミー賞を受賞している巨匠リック・ベイカー率いるシノベーション・スタジオ。うまいわけだ。

 監督・脚本は「クロノス」(Cronos・1992・メキシコ)以来ずっとロン・パールマンを使い続けているメキシコ生まれのギレルモ・デル・トロ。「ブレイド2」(Blade II・2002)もアクション満載だったが、そのアクションの構成がウマイ。

 公開初日の初回、45分前に銀座の劇場についたら、7人ほどが並んでいた。20代1人、30代1人、おとは中高年の男性という構成。40分前から5分ごとに劇場の係員が来て整理を行っていたのは立派。でも、ここは来年3月いっぱいでなくなってしまう。うーむ。

 当日券と前売り券の列が分けられ、30分前で当日券15人くらい、前売り券30人くらいの行列に。女性はほとんど20代でわずかに2〜3人。やっぱりこういう映画は男の子、ということか。

 20分前に開場し、大きなプレミアム・シート以外は全席自由。最終的には612席の3割りほどしか埋まらなかった。もっと入ってもいい映画なんだけどなあ。プレミアム・シートに2人ほどオヤジが座っていたが、一度も係員がチェックに来なかったので、たぶんお金を払わず勘違いして座っていたのではないだろうか。


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