2004年10月16日(土)「エクソシスト ビギニング」

EXORCIST: THE BEGINNING・2004・米・1時間54分

日本語字幕:丸ゴシック体、下、翻訳者不明/シネスコ・サイズ(Univision 2.00:1)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米R指定)

http://www.exorcist-beginning.jp/
(音に注意、全国劇場リストもあり)

メリン神父(ステラン・スカルスゲールド)は、第二次世界大戦ですっかり信仰を失い、戦後になって世界をさすらっていた。そんな1949年のある日、イコン専門家の男からイギリスの考古学発掘隊に加わって、こんな像を探してきて欲しいとサンプルを渡される。興味を覚えたメリンはイギリス軍の司令官に許可を得て、発掘現場に向かうと地中から教会が発見されたところだった。

70点

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 ハッキリ言ってこれはホラー映画ではなく、ビックリ・ハウスのようなアトラクション映画。音でおどかされて驚くが、ちっとも怖くない。ひょっとしたらキリスト教信者の人は怖いのかも知れないが、たぶん多くの日本人には怖くないはず。第1作のあの小さな恐怖を積み重ねていく感じなどみじんもなく、いきなり結果をつぎつぎと紙芝居のようにパカッ、パカッと見せていくだけ。シリーズ中、もっともそっけないエクソシストとなってしまった。なにしろかつてマックス・フォン・シドーが演じた神父が、まるでインディー・ジョーンズのようなコスチュームで登場し、遺跡の発掘をするのだから。時代的にも近いし。

 監督が最初はジョン・フランケンハイマーだったのが亡くなってしまったとか、いろいろケチが付いてしまっただけに、多くの人の手を経る内に換骨奪胎というか、いじりすぎて別なものができてしまったとそういうことかもしれない。

 見所は2つ。1つは女優さんで、「007/ゴールデンアイ」(Goldeneye・1995・英米)や「バーティカル・リミット」(The Vertical Limit・2000・米)「サラマンダー」(Reign of Fire・2002・米英)で魅力を溢れさせていたポーランド生まれのイザベラ・スコルプコ。どれも頑張る女を演じていたが、今回はあんまり頑張っていないかも。お約束のシャワー・シーンはあり。

 もう1つは、第二次世界大戦の回想シーン。ここは良かった。どくろのマークを付けた親衛隊の将校が、ルガーP08で罪もない一般市民を処刑していくところが、冷ややかな視点でゾッとする。全シーン中で一番怖い。が、なんだか「戦場のピアニスト」(The Pianist・2002・仏独ポ英)のあのシーンみたいだったけど……。

 無理して悪魔を出そうとしたために、「エクソシスト」シリーズではなく、まるっきり666の「オーメン」(The Omen・1976・米)シリーズになってしまっている。何なんだろ?

 もしこの映画に呪いだとか祟りだとかあると言うんであれば、この映画の出来自体が呪いだろう。

 公開初日の初回、銀座の劇場に60分前に着いたらエレベーター前には3人のオヤジ。寒い日で、45分前にエレベーターが動き出し、そのまま並ばず場内へ。嬉しい。全席自由で、前6席のぴあ席を含む11席×3列のカバーの席もOK。この時点では6人。もちろん中高年のみ。

 30分前くらいになって10人ほどに。女性は3人。うち1人が20代くらいか。寒かったのと、早めに開場したことで、ついつい1杯200円のコーヒーを買ってしまった。それほどうまくはないが、自動販売機よりは良い。

 最終的に516席に50人ほどの入り。はっきり言ってこの程度の出来ではしようがないかも。老若比は6対4で中高年のほうが多い。オリジナルの「エクソシスト」を知っている年代が中心か。男女比は7対3で男性の方が多かった。

 予告編で「シャークテイル」の新しいバージョンが流されていた。


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