日本語字幕:丸ゴシック体、下、/70mmサイズ、1対2.2(レンズ、in Panavision、1対2.35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG指定)
イギリスのロンドン銀行に泥棒(ジャッキー・チェン)が侵入し、預けられていたヒスイの仏像を盗み出した。追っ手に追われる泥棒は、発明家のフォッグ(スティーブ・クーガン)の屋敷に逃げ込み、どうにか助手として雇ってもらうことに成功する。そしてフォッグが科学アカデミーで80日間で世界一周できると宣言したことから、それに便乗して追っ手を逃れ中国へ帰ることをたくらむが……。 |
まるでマンガ。しかも「80日間世界一周」ではなく、普通のジャッキー・チェン映画になっている。これだったら原作を使わずに、別なジャッキー・チェン映画を作ればいいのに。いくら子供向けとしても、原作を台無しにしているのではないだろうか。 1956年に70mmで作られた「八十日間世界一周」(Around the World in Eighty Days・1956・米)とは比較にならない。前作では日本のシーンもあるのに、本作ではジャッキーが出ていながら日本のシーンはない。始まりとオチだけが原作通りで、あとは全くの別物。助手のジャッキーの部分も全く必要なし。 チラ出の共演者だけが豪華で、気球の持ち主がイギリス・ヴァージン・グループの会長リチャード・ブランソン、トルコの王子がアーノルド・シュワルツェネッガー、中国の謎のマントの男がサモ・ハン・キンポー、アメリカの荒野て出会うライト兄弟が「キューティ・ブロンド」(Legally Blonde・2001・米)のルーク・ウィルソンと「シャンハイ・ヌーン」(Shanghai Noon・2000・米)のオーウェン・ウィルソンの兄弟(本当の兄弟だったんだ)、ニューヨークのホームレスがツイ・ハークの「ノック・オフ」(Knock Off・1998・米)のロブ・シュナイダー、イギリスのヴィクトリア女王が「ミザリー」(Misery・1990・米)のキャシー・ベイツ……という具合。 それにしても、映画の冒頭からいけないのは、もう100年も続いているような気がする「盗み出された宝物を取り返す」という設定。「シャンハイ・ヌーン」もそうだし、「マッハ!」(Ong-Bak・2003・タイ)も同じ。安直過ぎやしないか。 ジャッキー自身がエグゼクティブ・プロデューサーだからか、かなり香港俳優が出ている。もちろんやられ役はジャッキー・チェン・スタント・チーム。傑作アクション「クローサー」(夕陽天使・2002・香)のカレン・モクが絵に描いた魔女のようなコテコテの敵役というのも、どうなんだろ。 ジャッキー・チェンって、最近チャップリンを目指しているんだろうか? 随所でそんな感じがした。 公開2日目の初回、新宿の劇場は駆け込んだら予告編が終わって本編が1〜2分始まったところ。ヤバイと思ったら、763席の劇場はガラガラ。2〜3割程度しか入っていない。客層はわかりづらかったが、どうやら小学生連れのファミリーからオヤジといったところで、老若は半々で男性が多かった感じ。細かくはよくわからなかった。終わるとすぐ出て行く人が多かったので、いつも明るくなるまで入るボクには確かめられなかった。 シャッキー主演じゃないということでか、いつものNG集はなかった。ただ、最後に「THE END」の文字が出た。久しぶりだなあ。最近、見たことがなかったもんなあ。とっても新鮮な感じ。「めでたし、めでたし」といったところか。 |