日本語字幕:手書き書体、下、稲田嵯裕里/シネスコサイズ/ドルビーデジタル、dts 、SDDS(IMDbではドルビーデジタルEX6.1、dts ES)
(米PG指定)
町の人々を危機から救うスーパー・ヒーローが活躍していた時代、彼らが活動をすると被害も大きいことからやがてスーパー・ヒーローたちはその活動を制限され、ついには全く活動できなくなってしまった。15年後、そのスーパー・ヒーローの1人Mr.インクレディブルは、同じスーパー・ヒーローのイラスティ・ガールと結婚し、ボブ・パーとヘレン・パーとして2男1女に恵まれ密かに暮らしていた。そんなある日、ボブは会社をクビになり、謎の女からまたヒーローとして活躍してみないかと声を掛けられる。 |
心がほっこりする映画。しかも大冒険で、スーパー・ヒーローものでありながらテイストは往年のスパイ映画そのもの。秘密兵器、秘密基地、謎の美女、心のねじれた悪党……ボクは「007は二度死ぬ」(You Only Live Twice・1967・英)を思い出してしまった。 そして3D-CGの素晴らしさ。モーションキャプチャーと違って動きは滑らかで違和感がなく、ありえない超人ワザも、自然に受け入れられる。そして、フォトリアリスティックには作っていないのに、もの凄いリアル。ピントのぼけ具合、薄く霞のかかった距離感、そして立体上映ではないのに感じられる素晴らしい立体感。たぶん今までのCG映画の中で一番スゴイのではないだろうか。特にモノクロのニュース映像ふうに処理されたシーンが立体感にあふれている。 髪の毛も確実にレベルを上げている。ダッシュのもじゃもじゃになった髪や、水に濡れた髪、水の中で漂う髪、逆光で周辺が光り輝いている髪など、わざとらしくなく自然にシミュレートされている。素晴らしい技術。 ジャングルの木々、水の表現、サラウンドの音響効果……いずれも素晴らしい。そしてキャラクターの魅力的なこと。これが一番大切かもしれない。どんなに技術が凄くても、キャラクターがちゃんと立っていなきゃ面白い映画になるわけない。それが見事に成功している。ボクは敵キャラながら「警部マクロード」の美人女優テリー・ガー似のミラージュはとても魅力的だし、ちょっと勘違いしているファッション・デザイナーのエドナ・モードが「ロシアより愛をこめて」(From Russia with Love・1963・英)の靴ナイフ女、ロッテ・レーニアみたいで良かったし。 ただ、一番大きなテーマが「家族」で、これはハリウッドがここ最近ずっと描き続けていること。もちろん大切なことなのだが、あまりにずっと描かれ続けているので、ちょっとテーマとしてはありきたり過ぎた感じがした。 オリジナルの声優は、お父さんが「ポルターガイスト」(Poltergeist・1982・米)でお父さんを演じていたクレイグ・T・ネルソン。お母さんが「オールウェイズ」(Always・1989・米)や「ピアノ・レッスン」(The Piano・1993・米)のホリー・ハンター。そして、なんとフロゾンがいかにも黒人っぽいしゃべり方だなと思ったら、ボクの大好きなサミュエル・L・ジャクソン「交渉人」(The Nagotiator・1998・米)。悪役シンドロームに「ドリームキャッチャー」(Dreamcatcher・2003・米)のジェイソン・リー。エドナ・モードに至っては監督のブラッド・バードご本人。何ともスゴイキャスティング。名優は名声優なんだなあ。 その監督と脚本も手がけたのは、TVアニメ「シンプソンズ」や「キング・オブ・ザ・ヒル」でコンサルタントを務め、泣かせるあのアニメ「アイアン・ジャイアント」(The Iron Giant・1999・米)で劇場映画監督デビューしたブラッド・バード。結構古い映画が好きな人なのではないだろうか。「ニューヨーク東8番街の奇跡」(Batteries not Included・1987・米)の脚本もてがけていて、あれはどうだったかなあ。実写にそぐわない内容だったのかもしれない。 公開初日の初回、銀座の劇場は60分前で4人。8時30分でシャッターもまだ開いていない。中高年2人、若いカップル1。意外に少ないかも。40分前になってやっとシャッターが開いた。うーん、寒いっていうのに。この時点で7人ほど。字幕版のせいか中高年が多い印象。 20分前になってやっと開場した。階段下は風は防げるが、まだちょっと寒い。ふー、暖かいところへ入れる。関連グッズもいっぱいあるんだから、早く開ければいいのに。食べ物や飲み物も、時間があれば買ってしまうことが多いし……。 劇場は売店が改装されトイレが工事中だった。それでうまそうに見えて、ついコーヒーを注文してしまった。劇場の名前も「シャンゼリゼ」から「丸の内TOEI 2」に替えられた。でもなんでローマ字? 指定席はなく、どこでも自由。男女比はほぼ半々くらいで、オジサン、オバサンの中高年と、20代の若いカップルが同数くらい。小学生連れのファミリーも1組いたが、字幕で大丈夫なのか。 最終的に、360席に3.5割ほどの入り。さすがに字幕版で早朝は少ないか。 予告編なしのいきなり上映ということだったが、シネスコ版の「ナショナル・トレジャー」と出演者が車だけという3D-CGアニメ「カーズ」(PIXARとの最後の作品)の予告あり。やっぱり予告編の力は大きいと思うので、絶対に上映したほうがいいと思う。ボクの場合、迷っていたら予告編を見て決める。予告編で見ていないものは、リスクが大き過ぎるから。軽視しないで欲しいなあ。 |