2004年12月5日(日)「バッドサンタ」

BAD SANTA・2003・米/独・1時間31分

日本語字幕:丸ゴシック体、下/ビスタサイズ/ドルビーデジタル、dts

(米R指定、日PG-12指定)

http://www.wisepolicy.com/bad_santa/
(全国劇場案内もあり。音に注意。画面最大化)

同時上映「こまねこ4」(2003・日)(1〜2分、全5話)

毎年クリスマス・シーズンになると、サンタと妖精に扮してショッピング・センターに入り込み警備状況を探って最後には売り上げを奪って逃げるという手法で、全国を荒らし回っているウィリー(ビリー・ボブ・ソーントン)とマーカス(トニー・コックス)の2人組。そして今年もクリスマスが近づき、今度はアリゾナ州フェニックスのショッピング・モールにやってきた。しかし年々ひどくなるウィリーのアル中と女好きにマーカスは嫌気がさしていた。そしていじめられっ子の男の子(ブレット・ケリー)が、ウィリーにつきまとう。

71点

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 IMDbで7.2となかなかの高評価。ただ、ユーモアとかコメディに対する感覚は日本人とちょっと違うようで、ボクはあまり気分よく見られなかった。ギャグとして汚い言葉や行動を受け入れられるかどうか、評価の分かれ目だろう。ボクはノリ切れなかった。「ビッグ・リボウスキー」(The Big Lebowski・1998・米)の不快な汚さを彷彿とさせる。ラストはハリウッドらしいエンディングで、さわやかに劇場を後にできるのだが……。

 クリスマス・シーズンのサンタを演じるくせに、子供が嫌い。平気で子供の前でタバコを吸い、ポケット瓶から直接アルコールを飲む。トイレが我慢できなくてそのまま小便してしまう。女性服売場の更衣室で勤務中にヤってしまう(しかも1週間はウンコができなくなるぞと……)。さらに、酔っぱらって正体をなくし、わめき散らしものを投げる、壊す……乱暴狼藉の限り。

 あまりにひどすぎて、笑えない。アメリカなどでは爆笑になるのだろうか。コメディだからと許されるのだろうか。うーん、わからない。酷い分、ラストの感動が大きいということなのかもしれないが、ちょっと付いて行けないなあ。微妙なセンなのかもしれないけど。

 どうもビリー・ボブ・ソーントンがいけない。実際に女性に関する話題の堪えない人で、本当かどうかは知らないが、芝居という感じがしない。49歳にして、アンジェリーナ・ジョリーを含め5人と離婚というのは……。本作より後に作られて先に公開された「アラモ」(The Alamo・2004・米)もビリー・ボブ・ソーントンがさえなかったしなあ。本作みたいに無精ヒゲが汚かったし。ボクはこの人の小奇麗なイメージというのがないのだが、どうなんだろう。芝居はうまい人だろうとは思うけど。

 印象に残ったのは、ちょっと尻軽風のバーのホステス、スーを演じたローレン・グラハムという女優さん。TV出身の人のようで、劇場映画では、やるせないラブ・ストーリー「スウィート・ノベンバー」(Sweet Nobember・2001・米)に出ていたらしい。いい雰囲気を持っていて悪くないと思うが、どうも作品に恵まれない感じ。

 相棒のマーカスを演じるのは、「ジェダイの復讐」(Return of the Jedi・1983・米)でイウォーク族を演じたトニー・コックス。

 ショッピング・モールの支配人らしきボブ・チベスカを演じたのはジョン・リッター。ロブ・ライナー監督の「ノース/ちいさな旅人」(North・1994・米)でいい味を出していた人。本作の後亡くなってしまったので、本作は彼に捧げられている。もちろん本作でもとぼけた良い味を出している。

 警備主任を演じているのは「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」(Charlie's Angels: Full Throttle・2003・米)で、いなくなってしまったビル・マーレーに代わって登板したバーニー・マック。本作ではコメディ控えめでちょっと怖い役を演じている。

 監督は「ゴースト・ワールド」(Ghost World・2001・米)のテリー・ツワイゴフ。うーん、どうなんだろうなあ。

 なんとなく本作は、ショッキングなラスト・シーンを撮りたくて始まった企画のような気がした。そのへんが、汚さも含めて製作総指揮イーサン・コーエン、ジョエル・コーエンというところなのかもしれない。

 公開2日目の初回、渋谷の劇場は45分前についたらまだ開いておらず、ボックス・オフィス前に大学生くらいの男性が8人。2つの劇場共通なのでどちらの劇場を待っているのかはわからない。40分前に15人くらいになって、小学生くらいの子供を連れたファミリーが1組、オヤジが少々。

 35分前にようやくシャッターが開き、前売りを持っていたので上の階へ。劇場自体はまだ開いていない。この時点で2人。あれれ。20分前くらいから人が増え出したので、下の窓口が開いたのだろう。

 驚いたことに、10分前にやっと開場。せっかく劇中に登場するピンクの象とか売っていながら、これではゆっくり見ている暇も無い。トイレに行ってチラシもらって……。うーん。

 最終的に303席(たぶん)ありながら2F使用禁止で(不入りのため?)指定席なしの、たぶん200席くらいの1F席に35人くらい。1F席はかなり見上げる形になり、スクリーンも台形に歪んで見える。どうせなら2Fだけにしてくれれば良いのに。100席くらいだから狭過ぎるのか。

 男女比は半々かやや男性が多いくらい。年齢層は、35歳で分けると若7、老3.下は小学生連れのファミリーもいたが、はっきり言って汚い言葉、暴力、セックス……いずれをとっても子供向きではないと思う。中学生でもどうか。アメリカのように18歳というところではないだろうか。


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