日本語字幕:手書き風書体、下、神代知子/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
(香IIB指定、米R指定、日PG-12指定)
マダムM(アルメン・ウォン)と呼ばれる殺人請負組織の女ボスに、世界中から格闘技経験のある13歳前後の少女が誘拐された。マダムMは彼女らを絶海の孤島に監禁すると、殺人技術の英才教育を行い、落ちこぼれたものや脱走を図ったものを容赦なく殺していった。6年後、最終テストでシャーリーン(マギー・Q)とキャット(アンヤ)とジン(ジュエル・リー)の3人が生き残る。 |
広東語版もあるらしいから、日本公開はインターナショナル版ということなのだろうか、全編が英語。まずこれに驚いた。しかも出演者がみな流ちょうに(吹替であっても口がほぼあっている)しゃべっている。最初から世界市場を意識した作品ということか。2002年の作品がなぜいままで公開されなかったのか? これが一番気になる。美女だらけで、お色気満点、アクションも満載なのに……。 たぶん、アクションの大げさ感と他のドラマ部分のバランスがとれていないのだと思う。重力に逆らいすぎ。コメディ寸前のそりゃないだろうアクションと、リアル感のない、いかにも作りましたというクサイせりふ(字幕のせいかもしれないが)とが補完し合わない。面白い香港映画はたいていこれがうまくいっていて、アクションがドラマを補ったり、ドラマをアクションが補ったりする。ところが……。 監督は個人的に好きな「サイキックSFX/魔界戦士」(奇縁・1985・香)や名作「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」(倩女幽魂・1987・香)、そして「スウォーズマン/女神伝説の章」(東方不敗・1992・香)、のチン・シウトン。ただ最近作はあの悲しい映画「沈黙の聖戦」(Belly of the Beast・2003・加/香/英)だから、やっぱり監督のせいか……。 違和感のあるセリフと、かなり強引なストーリー展開は、脚本のバリー・ウォンのせいか。しかし最近はさえなくても、あの傑作「ゴッド・ギャンブラー」(賭神・1989・香)の監督なんだけどなあ。 メイン・キャストの多くが、アメリカ生まれで、モデル出身という感じなので、とにかく英語がうまくてカッコイイ。ちょっと際どいシーンもあるし。 ベレッタM92が米軍が採用する前の。丸トリガー・ガードのSBだったのは意外。使い古されていたようだったから、ブロップ・ガンとして昔からあるヤツなのだろう。確か韓国映画でも同じものが使われていたような……。ほかにM92のシルバー、M16A2やM4カービンも登場し、警察はグロックを使っていた。そして、空薬莢の落ちる音が後方から聞こえたり、かなりこだわった作り。 床に落ちたショットガンを足に絡めて飛ばし受けて撃つのは、他の映画でもよくやっているが本作が一番うまく、説得力があった。似ていないのに、どこか「リオ・ブラボー」(Rio Bravo・1959・米)のウィンチェスター投げ撃ちを彷彿とさせるものだった。そして、卒業試験の檻の中での殺し合いは「バトル・ロワイアルII」(2003・日)とそっくりの印象。こちらの方が製作年は早いが……。 そして、アクションは本物っぽい雰囲気。絶対に日本の美人女優さんには出せない迫力。っていうか、たぶん日本の女優さん全てができないだろうなあ。ただのケンカじゃなく、修業を積んだマーシャルアーツの達人っぽい動きは。まばたきせずに実銃ベースのプロップ・ガンも撃っているし。やるとすれば凄いアクション監督をつけるしかない。「修羅雪姫」(2001・日)の釈由美子がよかったのはアクション監督ドニー・イェンのおかげで、「スカイハイ」(2003・日)とは比べ物にならなかったから。 公開初日の2回目、新宿の劇場は45分前に着いたら、劇場が変更になっていて、見やすいちょっと広い劇場へ。やったー。嬉しい。ロビーには誰もおらず35分前くらいからポツポツ人が来だして、25分前に案内があって列を作ることに。でもこの時点では10人ほど。全員男で、ほとんどオヤジ。すでに3人くらいは先に場内に入ってしまっている。 15分前くらいに入場となって場内へ。指定席はなく、全席自由。スタジアム形式なので非常にスクリーンが見やすい。このとき30人くらい。9割は中高年で、なんだ自分も含めてエッチなオヤジばかりか。若い女性など1人のみ。 1人なのにスクリーンを指さしてしゃべっているオヤジとか、めちゃくちゃでかい音でウォークマン聞いている日焼けしたオヤジとか(場内がくらくなったら止めたが)、ヘンなヤツを含めて最終的には50人くらいの入り。女性は2〜3人のみ。 なぜか5分くらい前になるまで場内の音楽がなかった。カーテンもなく、「荒野の七人」の予告は動かない写真で構成したもの。ちょっと悲しかった。「マイ・ボディガード」は新しいバージョンでの予告。 |