2005年1月22日(土)「オーシャンズ12」

OCEAN'S TWELVE・2004・米/豪・2時間05分

日本語字幕:手書き書体下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(マスク、by Panavision)/ドルビーデジタル、dts、SDDS 8ch

(米PG-13指定)

http://oceans12.warnerbros.jp/
(全国劇場案内もあり。入ると画面最大化、音に注意)

前回の事件から3年、突然11人のメンバー全員のところにだまされたカジノ王テリー・ベネディクト(アンディ・ガネシア)が、盗んだ金を利子を付けて返せと現れた。さもなければ命はないと。ところがアメリカではすでに顔を知られてしまっていた11人は、ヨーロッパに渡り大きなヤマを手がけることにするが……。

70点

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 アイディアなしのスター依存映画。当然、前作よりもつまらない。何しろ盗み自体が小さくて、11人も要らないものばかり。2〜3人でできる仕事なのだ。しかもメンバーのほとんどは捕まって留置所にいるとかだから、実際に動いているのも2〜3人。なんで12人も必要なのか。「オーシャンズ11」がウケたのは、オール・スター・キャストもそうだが、11人のチームワークで盗み出すのが不可能なところから大金を奪うテクニックにあったのではないのか。今回はどれも子供だましのようなものばかり。観客をナメてやしませんか、ソダーバーグ監督? っていうかエグゼクティブ・プロデューサーのジョージ・クルーニー。

 見どころは、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、アンディ・ガルシア、マット・デイモンに、今回新しく登場するキャラクター、ステンレスPPK/Sを持っている欧州警察ユーロポールの捜査官を演じるキャサリン・ゼタ=ジョーンズといったスター・キャスト。おまけにゲスト出演の、本人役で出てくるブルース・ウィリス。良いのは恐ろしい感じが良く出ていたアンディ・ガルシアと、真剣な感じが良かったキャサリン・ゼタ=ジョーンズだけで、あとは楽しんで流している感じがして、どうにも……。

 監督のスティーブン・ソダーバーグは、この前に撮っている長編がIMDbで5.0点という低得点の「フル・フロンタル」(Full Frontal・2002・米)と、悲しかったリメイク「ソラリス」(Solaris・2002・米)だからなあ。確かに「エリン・ブロコビッチ」(Erin Brockovich・2000・米)は面白かったし、「トラフィック」(Traffic・2000・米)はアカデミー賞にノミネートされたし(面白かったかは?)、「イギリスから来た男」(The Limey・1999・米)は独特の緊張感が良かったけど……。うまいのかヘタなのかよくわからない。

 脚本を担当しているジョージ・ノルフィという人は、これまでにマイケル・クライトン原作、リチャード・ドナー監督のSF「タイムライン」(Timeline・2003・米)の感心できない脚本を手がけている。というかほとんどそれしかない。そういう人に本作の脚本を任せた時点で結果は見えたのかもしれない(「オーシャンズ11」の脚本ものジョージ・ノルフィが書いているからだろうが)。

 もう1人の脚本家ジェフ・マクガイアは、「タイムライン」とともにイーストウッドがシークレットサービスを演じた「ライン・オブ・ファイヤー」(In the Line of Fire・1993・米)も書いているので、まあまあだったのかもしれないが……。

 責任者はエグゼクティブ・プロデューサーたちか。先に挙げたジョージ・クルーニー、「マトリックス」などを手がけたベテラン、ブルース・バーマン、出演したショーン・コネリーが怒ったという「アベンジャーズ」(The Avengers・1998・米)を手がけたスーザン・イーキンス、最悪映画賞を受賞した「ジーリ」(Gigli・2003・米)を手がけたジョン・ハーディ、そしてソダバーグ監督自身!(だから誰も注意できなかったのか!!)……つまりブルース・バーマン以外は……どうなんだろう。

 これはピクサーが去った後ディズニーが今「トイ・ストーリー3」でやろうとしていることと同じではないか。続編を作ることを先に決めて、それから脚本を募集しているという。こういうものを作りたいという熱い情熱などないのだ。そこには金もうけしかない。

 公開初日の初回、10時45分の回を音響の良いほうの劇場で見ようと思って銀座の劇場に9時35分頃に到着。前売り券でも当日券との引き換えが必要で、窓口に出したところ「10時の回でよろしいですか」と言われた。おかしいなと思いつつもつい「ハイ」と応えてしまったら、これが何と1階下の劇場だった。こちらの方が少し広いのだが、音は上の階の方が良く座席も上の階の方が見やすいのだ。ああ失敗した。紛らわしいよ。

 それで、初回の25分前に到着したことになってしまって、当然すでに開場していて、レディース・シート(右の10席×2列)以外、初回のみ全席自由の540席(カバーの席は10席×5列)の3割ほどがすでに埋まっていた。多くは中高年で、20代は1/4くらい。若い人は女性の方が多く、中高年は男女比半々。関係者が入口付近に10人くらいいて、客層や入りに目を光らせていた。

 最終的には時間が早かったためか5割ほどの入りでアレレという感じ。あれだけ宣伝している割には少ないのではないだろうか。まあ、とても寒い日だったけど……。

 いよいよ「バットマン」の新予告が始まり、とってもカッコよかった。期待してしまうなあ。音がまた大迫力。予告編ではもったいないくらい贅沢に感じた。そしてキアヌー・リーブス期待の新作「コンスタンティン」の予告も。これもワクワク。すごいSFXだ。人がビルから飛ばされている!

 JBLスピーカーのデモがあってから本編開始。


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