日本語字幕:丸ゴシック体下、堤洋子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米R指定、UK15指定)
カナダの山中で隠遁生活を送る男、ランシング(スティープン・セガール)は、唯一の楽しみがポーランド、ワルシャワの孤児院にいる少女イレーナ(アイダ・ノヴァクスカ)との手紙のやり取り。ランシングはゲームとして暗号を教えたりしていた。そんなある日、イレーナからの手紙が突然途絶え、心配になったランシングはポーランドへ行く決心をする。 |
いつものパターンながら、なかなか面白い。少なくともつまらなくはなかった。この前の「沈黙の聖戦」(Berry of the Beast・2003・加/香/英)を見た時はスティープン・セガールはもう動けなくなってダメだと思ったが、まだまだどうにか体は動くらしい。ちょっとセガール自身のアクションは少ない感じがするけれど。ただ、IMDbでは3.4点という稀に見る低得点。「沈黙の聖戦」が4.2点だからボクの評価とは逆で、結構監督の知名度が影響しているのかも……。 プロットは「沈黙の聖戦」に似ている。外国にいる娘を助けに行くという話。いつものようにセガールは引退したCIAのような特殊機関の工作員という設定。驚くことにクレジットはされていないが、「沈黙の聖戦」の脚本家、ジェームズ・タウンゼントがリライトしたらしい。最初に書いたのは、同じイギリス出身のトレバー・ミラーという人。本作がデビュー作らしい。 公式サイトのプロダクション・ノートによれば、本作はスティープン・セガールが東ヨーロッパでいまだに行われている人身売買の事実を「撃鉄GEKITETZワルシャワの標的」(The Foreigner・2003・米)のワルシャワ・ロケの時に知り、より多くの人に知らせねばと本作を企画したのだとか。 たぶん、似たように話でも本作が面白いのは、その脚本が良かったことが1つの要因だと思うのだが、自信がなくなってきた。もう1つの要因は、まちがいなく憎たらしい敵役だろう。 演じたのはマット・シュルツ。ハイ・スピード・バイク・アクション「トルク」でも素晴らしい敵役を演じていた人。さらにさかのぼると「トランスポーター」(The Transporter・2002・仏/米)でも悪のボスを演じていたし、「ブレイド2」(Blade II・2002・米)、「ブレイド」(Blade・1998・米)でも憎たらしい役を演じていた。 監督は1939年ロンドン生まれのレオン・ポーチ。1967年から香港に渡り、1976年から監督として活躍しているらしい。チョー・ユンファの「風の輝く朝に」(Hong Kong 1941・1984・香)も撮っているものの、1990年代はTVの仕事が多かったようだ。この人の演出が適切でおもしろくなっていたのかもしれない。 孤児を演じた美少女は、本作が映画デビュー作という新人のアイダ・ノヴァクスカ。ポーランド出身の15歳で、現在はアメリカ在住だとか。ポーランド語の他、英語、フランス語も話せるマルチリンギャル。本作にはオーディションに合格して採用されたらしい。今後の作品に注目したい。 公開初日の2回目、40分前に着いたら銀座の劇場はロビーに中年オヤジが7〜8人。ぼつぼつと人が増えて20分前に30人くらいになったので列を作らされた。オバサンが3人くらい、30代くらいの男性が3人くらい。あとはほとんど中高年男性。B級アクションはやっぱオヤジなんだなあ。 15分前に入場となって、最終的には指定席なし、ぴあ席1席の177席に、中学生くらい3人を含む50〜60人の入り。前席の人の頭が気になる劇場なので、このくらいの混み具合が嬉しい。 予告でまた杉本彩の「花と蛇2」をやると言っていたけど、この人すっかりハダカ・キャラになってしまったよう。見たいなと思ったのは韓国のサスペンスメスリラー映画「スパイダー・フォレスト」。面白そう。ただ劇場がなあ……。ビデオ予告も1本あったが、VHSの3倍モード、Hビデオのような画質だけが印象に残って、タイトルが何だったかさっぱり思い出せない。あんな酷い予告って、効果があるんだろうか。逆効果のような気がするんだけど。 |