日本語字幕:丸ゴシック体下、石田泰子/ビスタ・サイズ(1.85)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG指定)
クジラの体を洗う“ホエール・ウォッシュ”で働くオスカー(声:ウイル・スミス)は、会社から借りた金が貯まりに貯まり、24時間以内に返さないと殺すと会社のボス、サイクス(声:マーチン・スコセッシ)に脅される。密かにオスカーに思いを寄せる同僚のアンジー(声:レニー・ゼルウィガー)は、母の形見のピンク・パールを売って借金を返すように申し出てくれる。借金を返しに行く途中、ついギャンブルに手を出してしまったオスカーは、全財産を失いそれを知ったサイクスは、サメが出没する場所にオスカーを縛りつけて置き去りにする。そこへサメが現れ……。 |
技術的にはスゴイのかもしれないが、ステレオタイプのキャラクターに、お定まりのストーリー展開。始まった瞬間から結末が見えてしまうような作品。 キャラクターは声を担当した声優のイメージに合わせたそうだが、怖くなりすぎないように押さえられたサメ以外、みなキモイ。もっとピクサーを見習って、「ファインディング・ニモ」みたいに感情移入できるかわいいキャラにしてくれないとなあ。欧米の新聞の風刺漫画や、「ベルヴィル・ランデブー」(Les Tripletts de Belleville・2002・仏/ベルギーほか)に見る異形の者たちのような不気味さが漂っている。IMDbでもわずかに5.8点。 上映が始まってから入ってきた外人さんファミリーが、アメリカのルールと同じだと思ったのだろう、堂々と空いている指定席に座って、ところどころ大笑いして見ていた。子どもは放し飼い状態で、ウルサイは、歩き回るは、どうにかしろよ。ただ、興味深かったのは、やっぱり日本人とは笑のツボが違うということ。たとえば冒頭、ニューヨークそっくりの海の中のサンゴ礁にある魚達の町に、すし屋があって客が誰も来ないってグチっているのに大爆笑。でも、日本人的にいうと、客が来ないのは当たり前だろって感じ。初めッから成立してないだろ。大笑いするほどじゃないと思うけど。アメリカで受けたのは、そのへんのところか。 日本語吹替版は別として、この映画の売りは豪華な声優陣。ストーリーで挙げたように、主人公オスカーにウイル・スミス、その恋人アンジーにレニー・ゼルウィガー、ボス、サイクスに「アビエーター」の監督マーチン・スコセッシ、町を牛耳るギャングのボス、ドン・リノにロバート・デ・ニーロ、心優しいその息子レニーに「スクール・オブ・ロック」(Thaa School of Rock・2003・米)のニセの産休代用教員を演じたジャック・ブラック、オスカーを誘惑する悪女、ローラに「アレキサンダー」(Alexander・2004・米)でヘビと戯れていたアンジェリーナ・ジョリー……さらには、2人組のクラゲのレゲイ・マンの1人、アーニーにはボブ・マーリーの息子というジギー・マーリー、サメのボスの1人ドン・ファインバーグに「刑事コロンボ」のピーター・フォーク……という具合。もう贅沢そのもの。ただ、これ以外に売りがあるか? 残念!! まあ、ラストのダンス・シーンは良かったかな。 公開8日目の3回目、字幕版初回、新宿の劇場は35分前でロビーにオヤジが1人だけ。20分前に入れ替えになって中へ。10席×3列×左右が指定席で、ぴあ席は10席×1列×左右、さらにプレミアム・ペア・シートが4つ×2列×左右。 ぼつぼつと人が入ってきて、最終的には1,064席に3.5割ほどの入り。男女は半々で、老若比は中高年が2割と少なめ。カップルが多いような気がした。指定には結局1カップルがプレミアム・ペア・シートに座っただけ。まあこのできではしようがないだろう。 < |