日本語字幕:手書き書体下、蒼井尚子/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル
(香IIB指定、米PG-13指定)
現代の青島(チンタオ)、サーカスのアクロバット一座“タッチ”は、一族だけに伝わるジャンプの秘義を披露していた。そのころ、盗みのプロ、エリック(ベン・チャップリン)は、依頼を受けた“敦煌の心臓”を依頼者に届けていた。しかし依頼主に不信感を覚え、さらに届けた秘宝の伝説を聞いた記憶のあったエリックは、再び秘宝を盗み出し、タッチの中心人物であるイン(ミッシェル・ヨー)に渡すことにする。インは一族に伝わる古い伝説を信じてはいなかったが、伝説を信じる弟のトン(ブランドン・チャン)がそれを持ち出して敦煌へ向かい、しかたなくベンとともに追いかけることにする。 |
西洋人に盗み出された国の秘宝を、得意のカンフーを使って奪い返す……もう何回使われたかわからないほど定番の設定。こりゃダメかもという予想もあったが、以外に面白い。まっ、ようするにテーマは同じでも描き方が変わると印象も変るというヤツだろう。ただ、最後のスペクタクルは面白いといえば面白いのだが、ちょっとやりすぎ、荒唐無稽すぎたかも。何も考えずに、単純に楽しめるアトラクション映画とも言えそう。ちなみに車はパジェロを使用。 驚くのは、エグゼクティブ・プロデューサー(製作総指揮)が主演のミシェル・ヨー自身であり、アメリカ作品ではないのに、ハリウッド・スターが多数出ていて、とてもハリウッドっぽい作りになっていること。おそらく、全米公開することを意識してのことだろう。全編英語だし。ただ、それが裏目に出たのか、IMDbでは4.5という低得点。しかも2002年という3年も前の映画を、なぜ今、日本公開することになったのか。DVD化するので劇場公開しておこうということか。うーむ。 共演のベン・チャップリンは、「シン・レッド・ライン」(The Thin Red Line・1998・米)というよりはウィノナ・ライダーのホラー「ロスト・ソウルズ」(Lost Souls・2000・米)や、もの凄いインパクトのあったニコール・キッドマンと共演した結婚詐欺映画「バースデイ・ガール」(Birthday Girl・2002・米)に出ていた、気の弱そうな役の多いイギリス俳優。 悪のボスを演じたのはリチャード・ロクスバーグ。「ヴァン・ヘルシング」(Van Helsing・2004・米)でドラキュラの親玉を演じた人。ニコール・キッドマンの「ムーラン・ルージュ」(Moulin Rouge!・2001・米)では横恋慕する公爵を演じていた。冷酷な印象があるので、そういう役が多いのかもしれない。部下はサイレンサーのついたワルサーP99やM92を使用。拷問は日本的やり方だといって、手を氷水につけた後、熱湯を浴びせるというもの。そうなのかなあ。 監督は本作が監督デビューしたピーター・パウという人。それまでは撮影監督をやっていたらしい。最近作はミシェル・ヨーも出た「グリーン・デスティニー」(Crouching Tiger, Hidden Dragon・2000・米)とか「ドラキュリア」(Doracula 2000・2000・米)とか「チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁」(Bride of Chuchy・1998・米)、「ダブル・チーム」(Double Team・1997・米)などをハリウッドで撮り、その前は香港で涙の傑作「フル・ブラッド」(花旗少林・1994・香)なんかを撮っている人。 公開2日目の2回目、40分前についたら新宿の劇場はロビーにオヤジが1人きり。ぽつぽつオヤジが増えて行き、15分前に開場。待つ間、場内の音がかなり明瞭にロビーにもれてきて、ちょっと閉口した。これでは真剣に聞くと内容が分かってしまうではないか。英語とはいえ、集中して聞けば多少の意味は分かる。いかんなあ。 入場した時点では20人ほど。ほとんど中高年。20代くらいは5〜6人くらいか。女性は老女も含めて3人ほど。指定席はなく、カーテンは左右に開くタイプ。 その後、25〜30歳くらいの若い女性の2人連れや、若いカップルも来たがやっぱり中心は中高年の男性。最終的には330席に50人ほどの入り。でも、予告が始まる前にチャイムというか鐘が鳴るのは良かった。映画が始まるぞって感じ。 「デアデビル」(Daredevil・2003・米)からのスピンオフ作品「エレクトラ」の予告が始まった。 ところで、車で敦煌に向かう途中、ラジオから流れてきた曲はテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」の英語バージョン? |