日本語字幕:手書き書体下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ(1.85、ARRI)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG-13指定)
シカゴで遺言書の作成を専門に行っている弁護士ジョン・クラーク(リチャード・ギア)は、家庭も円満、2人の子供たちも素直に育ち、仕事も順調な毎日を送っていた。しかしある日、帰宅の電車の中からふと見上げたビルのダンス教室の窓に悲しげな表情の美人(ジェニファー・ロペス)を見つけ、毎晩その窓を気にするようになる。そしてついに家族に内緒で、彼にとって小さな冒険でダンス教室をのぞきに行く。なりゆきから入門したジョンはもやがてダンスの面白さに目覚め、競技会出場を目指すのだが……。 |
一言でいえば、日本の映画を下敷きに、世界で最もタキシードが似合うハンサム・ガイが真っ赤なバラを一輪持って自分の妻を迎えに来る話。オリジナルとは微妙に違う。ボクの印象では、日本版はもっとダンスのウエイトが大きかったが、ハリウッド版はそれよりも家族というか夫婦関係にシフトしていて、すべてを丸く収めている。日本版であいまいなまま残したものも、キッチリ収めている。スッキリはするものの、とてもお手軽なこじんまりとしたものにまとまってしまったような気がする。感動するし、いいんだけど、あまり心に残らない感じ。 もちろん原作は周防正行監督の「Shall we ダンス ?」(1996)。美人ダンサーに淡い恋心をいだく話だが、面白いのはダンスに本気になって行く部分だったのではないだろうか。それでスポ根もののようになっていくから、観客は競技会でハラハラドキドキすることになるし、主人公を信じられる。 ところが、ダンスに本気になる部分が希薄だと、どうしても美人ダンサーに下心があって近づいたという印象が強くなり、結局それは否定されるのだが、でき過ぎの話だという感じが勝る。アメリカとしては、よくありそうなこのパターンで家庭が壊れるのではなく、あえて建て直す話にしたかったのではないだろうか。で、タイトルは「踊らん哉」なのだ。ダンスが最大のテーマであるはず。不滅の名コンビ、フレッド・アステアとジンジャ・ロジャースがガーシュイン作曲の曲にあわせて華麗に舞う、あの1937年の「Shall We Dance」ではないの? それとも「王様と私」(The King abd I・1956・米)の歌か。「王様と私」だって踊ろうと誘う歌だったわけだし。日本版では見終わった後、ダンスを習ってみようかなという気になるが、ハリウッド版ではまったくそうならなかった。家族を大切にしなきゃっていう感じで、最近のアメリカはこればっかだもんなあ。 ダンス教師役のジェニファー・ロペスは歌手としても成功していて、最近はJ-Loなんて略すらしい。なんだか「ブラビ」とかの日本の略し方みたいでおもしろい。ただ社交ダンスなので本領発揮とはいかなかっただろうが、さすがにダンス・シーンはサマになる。 公開初日の初回、新宿の劇場は、用心して65分前に着いたら誰もいなかった。45分前に案内があった時で前売りの列に6人、当日の列に2人という少なさ。あれれ。 40分前に前売り20人、当日10人。前売りは20代くらいの若い人が多く、当日は中高年が多い。男女比は3.5対6.5で女性が多い感じ。35分前に当日券売場が開いて、30分前に開場した。この時点で60人くらい。老若比は1対3くらいで若い人が多かった。 アナウンスで携帯のメールも周りの迷惑になるので……と注意があったが聞く耳持たない人の多いこと。スクリーンに絵を映しながら注意してもダメなんだから、アナウンスくらいじゃ聞かないだろう。 最終的に1,044席に150人くらいの入り。これは寂しい。男女比は3対7くらいになった。 予告編では「ステルス」が気になった。ものすごいビジュアル。意味はよく分からなかったけど。 劇場予告で「キングダム・オブ・ヘブン」の前売りを劇場で買うと、ペンダントとポストカード、プレゼントと言っていたのでモノに弱いボクは帰りがけに買ったのだが、まったく何もくれなかった。どうなつてんの? もうなくなったってこと? それとも領収書を頼んだから忘れたのか、面倒くさいことを頼まれてイジワルしたか……なんか損した感じ。気分悪し。 |