日本語字幕:手書き風書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG-13指定)
特殊部隊で8年過ごしたクリス(ザ・ロック)が故郷へ帰ってくると、就職しようと思っていたハミルトン製材所は閉鎖され、町の中心は「ワイルド・チェリー」というガジノに移り、幼なじみのジェイ・ハミルトン(ニック・マクドノー)が経営していた。カジノでは八百長が横行し、柄の悪いガードマンたちがドラッグをさばいているという噂もあった。そんな時、幼い末の弟が急性麻薬中毒で救急車で運ばれたことから、クリスは売人のガードマンがいるカジノに乗り込む決心をする。 |
ありがちな話だが、実は基になっているのは実話。最後に「ビューフォード・パッサーに捧げる」と出る。これが面白い。わかりやすいストーリーだけに、主人公の強い気持ちがストレートに伝わってくる。しかもテンポが良く、中だるみしたりせず、トントンと物語は進んでいく。上映時間は1時間30分もないのに、中身がぎっしり詰まっているのでちっとも薄い感じはしないし1時間40分くらいに感じられるほどの充実ぶり。ザ・ロックの実直な感じのキャラクターもドラマの雰囲気作りに大いに役立っているようだ。 チラシによればビューフォード・パッサーというのは1937年生まれで、1964年にテネシー州のマクネイリー郡の保安官に選出され、8回撃たれ、7回刺され、一度に6人と戦い、3人を刑務所送りにし、3人を病院送りにしたという伝説的な人物。しかし36歳の若さで亡くなっているそうで、その生き様はTVドラマ化されているのだという。 主演のザ・ロックは絶大な人気を誇るプロレスラーで、小さな役で出演した「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」(The Mummy Returns・2001・米)が大ヒットして、映画でもブレイク。なんとアメリカでは「Be Cool」というのが公開され、さらに今年から来年にかけて公開予定の作品が7本もあるという。「ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン」(The Rundown・2003・米)もそこそこ面白かったから、期待できるかもしれない。 憎たらしい敵役を演じたのはTVの戦争ドラマ「バンド・オブ・ブラザース」でちょっと危ない兵士を演じていたニック・マドノーという人。「マイノリティ・リポート」(Minority Report・2002・米)でも「タイムライン」(Timeline・2003・米)でもイヤらしい役をやっていた。こういう役をやらせたらめちゃくちゃうまいなあ。 相棒を演じるのは「メン・イン・ブラック2」(Men in Black II・2002・米)で頭が二つある宇宙人をコミカルに演じていたジョニー・ノックスヴィル。あまりに宇宙人役が強烈だったので、彼が出てくるだけで何かついつい笑ってしまう。本作でもちょっとコミカルな役で、いい味を出している。 色っぽい幼なじみはアシュレイ・スコットという個性的な美人。過去に「A.I.」(Artificial Intelligence: AI・2001・米)や「S.W.A.T.」(S.W.A.T.・2003・米)などに小さな役で出ている。でも本作で見た時、印象は全く違うのに(本当はブルーネットなのに本作ではブロンド)どこかで見たような気がしたから、小さな役でもうまく演じていたということだろう。 監督はケヴィン・ブレイという人。TVでの活躍が多いようだが、実はあの面白かったアイス・キューブの「グッドボーイズ」(All about Menjamins・2002・米)を監督した人。「Taxi 3」を撮るはずだったのに叶わなかった。その代わりに本作を撮ったということか。この人はうまい。もっとお金を使わせてあげたいって感じ。 田舎の小さな町とはいえ、警察官が使う銃はみなグロック。都会と変わらない。カジノのガードマンや子飼いのシェリフたちが使うのは、ミニミやM16に75連マガジンをつけたもの、ベレッタM92など。おやじさんが使うポンプ・ショットガンは、ハッキリわからないがレミントンM870のようだった。もちろん主人公のザ・ロックは銃を使わずに棍棒1本で全員をやっつけることができる。 公開初日の2回目、新宿の劇場は45分前に着いたらロビーに30代くらいの男性が1人。40分くらい前に場内から1人のオヤジが出てきてタバコを吸い、トイレに行って帰るのかと思ったら、また場内へもどっていった。なんなんだ、あれは。 30分前に10人くらいになった。若い女性2人と20代くらいの男性、最初からいた30代くらいの男性、老人に近い女性以外は中高年のオヤジ。15分前に入れ替えになり場内に入った時で30人くらい。最終的には指定席なしの300席に40人くらいか。ほとんど広告もされていないのでこんなものだろう。 予告では「バットマン・ビギニング」が新バージョンに。ついに渡辺「ラスト・サムライ」謙が登場。なかなか怖い。 カーテンなしで、最初からスクリーンはシネスコ・サイズ露出。それにしてもこの劇場はデジタル・サウンド対応館だが、ロビーへの音もれは大きすぎる。セリフまで聞き分けられるようでは困る。ドアを見直した方がいいのではないだろうか。 初日プレゼントがあり、コカコーラの袋に入ったWALKING TALLの英文ロゴ入りショット・グラスをもらった。これは得した感じ。 |