日本語字幕:手書き書体下、栗原とみ子/シネスコ・サイズ(マスク、by Panavision)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米PG-13指定)
潜入捜査のためミス・アメリカ・コンテストに出場し、すっかり有名人になってしまった女性FBI捜査官のグレイシー・ハート(サンドラ・ブロック)は、もう歳なんだからFBIの宣伝塔「顔」になるか、デスクワークをとるかどちらかにするように決断を迫られる。たくさんのファンレターにしぶしぶFBIの「顔」を選んだグレイシーは、あまりに暴力的で多くの支部から追い出された問題の女性捜査官フラー(レジーナ・キング)をボディー・ガードとして付けられる。そして全国で広報活動を続けるうち、ミス・コンで親友となったミス・アメリカのシェリル(ヘザー・バーンズ)とマネージャーのスタン(ウィリアム・シャトナー)が誘拐されたことを知り、制止も聞かず捜査に乗り出す。 |
内容としては子供っぽく、事件自体もお粗末なものだが、結構笑えて楽しめる。なぜなんだろう。やっぱり、ひとえにサンドラ・ブロックのキャラクターのおかげということか。個性的な美女でありながら、下ネタ、ヨゴレ、なんでもOK。それでいて下品にはならない、ここが肝心。 くだらないといえばくだらない。しかしつまらなくはない。コテコテのギャグでもなく、笑わしてやろうというイヤらしさもない。サンドラ・ブロックは結構自然体で、一生懸命な感じがする。そこがいいのかも。今度はオカマのふりして歌と踊りだもんなあ。特殊メイクでばあさんになり、タンポンなんて言葉も平気でポンポン飛び出し、つけパイがずれ落ちてきて果てには振り回してしまう。よくやるなあって感じ。 予告編では前作が美人コンテストへの潜入捜査だったことから、本作は「今度はセレブ界」だと言っていたが実際にはそんなことはなく、単にFBIの顔となった主人公がどさ回りをするのがストーリーの柱になっていて、ミスコンの時に友達になった女の子が誘拐されるというだけのこと。上流階級は何の関係もない。てっきり大金持ちの住む地区で事件が起こって、おとりで大金持ちに化けるのかと思うではないか。うーん、肩透かし……っていうか、看板に偽りありじゃん。 笑えるところはたくさんあるが、キャラクターとしては前作のように人を改造するプロとして登場するオカマのジョエルを演じるディードリック・ベーダーがおかしい。さらに劇中、オカマとして女装してダンスまで披露。かなり笑える。いいキャラクターだ。テレビや声優としての活躍が多い人で、有名どころでは「アイス・エイジ」(Ice Age・2002・米)のサーベル・タイガーの1頭の声を出していた人。結構イケるんではないだろうか。 FBIラスベガス支局の嫌らしい上司として登場するのは、トリート・ウイリアムズ。「ザ・グリード」(Deep Rising・1998・米)で主役、小型船の船長を演じた人。古いところでは「鷲は舞いおりた」(The Eagle has Landed・1976・英)にも出ていた。ある意味うさん臭さが売りの人。見るからに何かありそうな感じが良い。 最初鼻持ちならない相棒にしか見えないが、徐々に良さがわかってくる相棒サム・フラー捜査官を演じるのは、レジーナ・キング。最近では、小さい劇場だったので見ていないが「Ray/レイ」(Ray・2004・米)にも出ている。髪をひっつめて登場するが、途中オカマのショー・パブでティナ・ターナーの真似をしてライオンのような髪形にして笑わせてくれる。 また前作に引き続き、ウィリアム「スタートレック」シャトナーは、情けない役で登場。なんだかちょっと小太りになって丸まっちくなったのが、なんだか寂しい。 エンド・クレジットはジャッキー映画のようにNG集付き。シネスコ・サイズ画面を活かして半分に小さな画面が出る。撮影の雰囲気はとても良かったのだろうと思わせる内容。サンドラ・ブロックはプロデューサーでもあるのだから、いばっているのかと思いきや、とっても気さく。プロデューサーゆえの余裕かもしれないが、笑いのたえない現場だったようだ。「こんなセリフ言えな〜い」と叫んでいるのがおかしかった。 公開初日の2回目、新宿の劇場は45分前に着いたらロビーに7〜8人。15分前、劇場の右側ロビーだけで20人くらいに。 若い女性が多い。たぶんサンドラ・ブロックの明るい前向きなキャラクターが若い女性に支持されているのだろう。カップルも1/3ほどいた。デート向き作品か。男性のひとりというのはほとんど中高年。 劇場側の案内は何もなく、10分前に自主的に列ができ、5分前になって場内から係員が現れ「どうぞ、お入りください」だと。5分の時間じゃ席を確保してトイレにいってくるのがせいいっぱい。とても飲み物なんかを選んだりしている時間はない。アイスを買おうと思ったが止め。なんでこんなに入れ替え時間が短いんだろう。近くに座っていた若い女の子が「休憩5分?!」と怒っていた。女子トイレは混むので大変らしい、 ま、この系列の劇場はだいたいこんなもんで、見せてやっているという気なのか、やる気がないというのか、期待するだけ無駄なのだが。いかんなあ。劇場に対する印象が悪くなるだけだ。最近は劇場の設備も良く、きれいで快適、サービスも良いというところが増えてきているというのに。まあ、スクリーンが小さいよりはガマンできる、ボクの場合。小さいくせに気取っているところの方が最悪だ。 最終的に763席の1/3くらいが埋まった。6対4くらいで女性の方が多く、中高年は1/3くらい。若い男性は女性に連れてこられたという感じだった。11席×3列の指定席と11席×1列のぴあ席には1人も座らなかった。 「アイランド」は予告を見る限り面白そう。「サハラ」の予告は画質が悪く、逆効果かも。印象が悪い。各映画会社にはもっと予告編を重く考えて欲しいなあ。フィルム撮影しているのにビデオ予告なんてものもある。最低だと思うけど。いかにもDVD発売を控えていますって感じがみえみえではないか。 それにしても、足下でずっと点いているガイド灯は明るすぎる。まぶしいほど。どうにかして欲しい。 |