2005年8月15日(月)「チャイルド・プレイ チャッキーの種」

SEED OF CHUCKY・2004・米・1時間27分

日本語字幕:丸ゴ書体下、堤 洋子/ビスタ・サイズ(ARRI、1.85)/ドルビーデジタル、dts(IMDbではSDDSも)

(日R-15指定、米R指定)

http://www.seed-of-chucky.net/
(全国劇場案内もあり。入ったら音に注意)

イギリスの見せ物小屋に、生命を持つ人形シットフェイス(声:ビリー・ボイド)がインチキな腹話術の人形として酷使されていた。しかしあるとき、TVでハリウッドで活躍する人形を見て彼らが自分の両親だと確信し、渡米する決心をする。手首にまったく同じ“Made in Japaan”の刻印があったのだ。しかしハリウッドのペアの人形はまさに人形であり、魂はなかった。シットフェイスが両親の形見であるペンダントの裏に刻まれた呪文を唱えると、再びチャッキー(声:ブラッド・ドゥーリフ)とティファニー(声:ジェニファー・ティリー)が甦る。

70点

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 酷いストーリーで、子供っぽい感じさえする。なのに、なぜか、怖いホラーに仕上がっている感じはする。B級というより3流というような感じさえするのに、ホラーというただ1点において恐ろしく、またおどろおどろしい話に仕上がっていてちゃんと最後まで見ることができる。

 理由はよくわからない。とにかく突っ込みどころ満載の、穴だらけ、ボロボロ脚本なのだ。撮り方が徹底的に残酷で、またえげつないほどリアルだからそう感じるのだろうか。たぶんこの映画全体から溢れてくるような毒気にやられているのだろう。

 さらに驚くべきは、ジェニファー・ティリーが自分の役で、やや落ち目の女優というような役を演じていること。代表作はいまだに「バウンド」(Bound・1996・米)だと言われていると(確かにそうかも)、開き直ったように演じている。なんだかちょっと悲しい気も。大きな役を得るために、マネージャーの制止も聞かず、自らの体を武器に監督に売り込むことまでする。私だったらワンダー・ブラなしで「エリン・ブロコビッチ」が演れるのにとまで。ただ、実際には売れっ子で、2004、2005と映画に出まくっているけど。まっ、余裕というところか。

 そして、それをまんまと受け入れて「やっりー」とかってはしゃぐのが、これまだ実名で出ているラッパーのレッドマン。よくやってくれたなあ。「オレはハリウッドに来たときからパイプ・カットしている」とかって言い放っちゃって。どうやら熱烈なチャッキー・ファンということらしい。むこうの人は、やるときゃやるなあ。

 特殊メイク係のトニー・ガードナーとして登場するのも、もちろんトニー・ガードナー本人。首まではねられちゃって、本望というところなのだろうか。「ザ・ブロブ」(The Brob・1988・米)や「ダークマン」(Darkman・1990・米)、「アダムス・ファミリー」(The Addams Family・1991・米)、「ワイルド・ワイルド・ウエスト」(Wild Wild West・1999・米)、「最'新'絶叫計画」(Scary Movie 2・2001・米)などを手がけた人。

 劇中劇で人形のチャッキーに殺られる役者を演じていたのは、「リーグ・オブ・レジェンド」(The League of Extraordinary Gentlemen・2003・米/独ほか)でジキル博士とハイド氏を演じていたジェイソン・フレミング。

 パパラッチで登場するのは、デバインが出たあの伝説の映画「ピンク・フラミンゴ」(Pink Flamingos・1972・米)の監督で脚本家で役者もやる、ジョン・ウォーターズ。彼がまたチャッキーの大ファンで「死ぬほど出たかった」のだそうだ。劇中で気持ち良さそうにチャッキーに殺されている。

 監督は全チャイルド・プレイ・シリーズの脚本を担当しているドン・マンシーニ。彼こそがチャッキーの生みの親らしい。本作で劇場用長編作品の監督デビューを果たした。脚本はともかく、演出は悪くないかも。

 人形のできは素晴らしい。手首にMade in Japanとあるのはご愛嬌として、皮膚の柔らかそうな感じとか、チック症で片目がヒクヒクするところなど、確実にクレード・アップしている。「チーム★アメリカ ワールドポリス」(Team America:World Police・2004・米)のサンダーバード風人形(どちらも1/3スケールくらいの身長30cm)もすごかったけれど、やっぱりアメリカが本気になるとスゴイ。チャッキーたち人形は見る価値がある。

 公開3日目の、平日初回、お盆休みだったこともあってか、銀座の劇場は30分前(時間変更になっていて、10分前に付くはずだったのに)で8人の行列。女性6人のうち4人が20〜30代。中高年は2人。男性も30代くらい。20分前くらいに開場し、指定席無しの場内へ。

 R-15のはずだが、1つおいて隣に座ったのはどう見ても15歳くらいの少年、というか中学生。予定より早く開場したのか、クールビズなのか、場内は結構、暑い。ホラーなんだから、ちょっと涼しくした方が雰囲気出るのに。スクリーンは1.85ビスタで開いていた。

 ロビーには、なんとプレス・シートが400円で売っていた。昔のプログラムの値段だ。プレス・シートって200円くらいだったのに。チャッキーとティファニーの30cmくらいの人形も4,700円くらいで売っていた。

 10分前で177席に40人くらい。最終的には50人くらいというところか。

 CMで「映画へ行こう」というキャンペーンをやっていたが、こういうキャンペーンを劇場でやっても無意味だと思う。劇場に来ない人に向けてやらないと。劇場でCMとして流すことで、キャンペーン出資分を還元できるということか。

 予告はケビン・ベーコンの「エコーズ」がおもしろそう。なんかビデオ広告っぽいものが混じっていたようだが、画質が悪くて逆効果になるので止めた方がいいと思う。


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