2005年9月18日(日)「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」

FANTASTIC FOUR・2005・米/独・1時間47分(IMDbでは106分)

日本語字幕:手書き風書体下、林 完治/ビスタ・サイズ(with Panavision)/ドルビー、dts(IMDbではドルビーデジタル/dts/SDDS)

(米PG-13指定)

http://www.foxjapan.com/movies/f4/
(入ったら音に注意。全国劇場案内もあり)

巨大な宇宙嵐が発生し、そのフィールドの中で実験を行うため、大変な野心家の実業家ビクター・バン・ドゥーム(ジュリアン・マクマホン)の宇宙ステーションを借りることにする。しかしリーダーのリード・リチャーズ(ヨアン・グリフィス)の計算よりも早く宇宙嵐が宇宙ステーションを襲い、乗り組んでいた4人と、ビクターはモロに宇宙嵐の洗礼を受けることになってしまう。実験は中止され、ただちに地球に帰還した5人だったが、まもなく全員がDNAの異常を来たし、体に変化が起こり始める。

74点

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 これまた正統にマーベルコミックを真っ正面から映画化した。それがいい。敵となるビクターも含め、4人のキャラクターがいい。それぞれ魅力的だし、応援したくなる雰囲気を持っている。ここが一番大切なところだろう。そして、じっくりゆっくり時間をかけて異変を少しずつ描いていく丁寧な手法で、観客をその気にさせてから超能力バトルを描いているので、多少大げさな戦いも素直に見ることができる。

 とにかくSFXがすごい。それぞれの超能力がいかにもありそうに、かつ自然に描かれている。どう見たってCG処理したとしかしか考えられないが、それでもどうやって実現したのか知りたくなるスゴさがある。これは「宇宙戦争」(War of the Worlds・2005・米)とか「スター・ウォーズ エピソード3」(Star Wars; Episode III・2005・米)のように、内容は置いておいても、ビジュアルはお金を出してみる価値があるということ。逆に言うとそれ以外の見どころがない……。

 あとはとりたてて、どこがどうスゴイということはない。ただ、「ダーク・エンジェル」のジェシカ・アルバが出ていることは見たい気にさせる要素の1つといっていい。美形だし、透明人間になるため下着を取るシーンまで用意されているのだから。「シン・シティ」の公開も控え、今後期待大だ。

 リーダーのリード・リチャーズを演じたヨアン・グリフィスは、「タイタニック」(Titanic・1997・米)で最後まで救難者を救おうとする乗組員を演じ注目され、イギリスのTV海洋冒険シリーズ「ホーン・ブロワー」で主役を演じ、「キング・アーサー」ではランスロットを演じたひと。やはり誠実な役柄にあっているようだ。

 炎を自由に操るジョニー・ストームを演じたのは、「セルラー」で事件に巻き込まれて一生懸命キム・ベイシンガーを助けようとする青年を好演したクリス・エヴァンス。おつむの軽そうな役だが、なかなかハマっていた。

 監督は、あの「TAXI NY」(TAXI NYC・2004・米)を撮っちゃったティム・ストーリー。もう次回作が撮影に入っているというから、アメリカでの受けは良かったのだろう。

 中央寄りのピンがやや甘かった。映写技師は何をやっているのか。プライドすらないのか。

 公開2日目の2回目、新宿のロビーには30分前でオヤジが1人。25分前くらいから増え出して、入れ替えの10分前に案内があって整列。この時点で50人くらい。中高年は1/3くらい。残り2/3は20〜30代が中心。女性は1/4〜1/5といったところ。

 最終的に指定席なしの406席に8割ほどの入り。予告編で「ソウ2」があることを知った。どうなんだろう。2蟇目のドジョウはいるか。


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