日本語字幕:手書き風書体下、寺田次郎/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタルEX、dts
(仏-12)
ど田舎の小さな町スコットレットに、フェスティバルに参加するためスタントマンのジェームズ・バタイユ(ジェイソン・フレミング)がやって来た。町を仕切っているのはボスコ(ジャン=ピエール・マリエル)という男で、その娘コンチャ(ヴァネッサ・パラディ)も歌手としてフェスティバルに参加することになっていた。コンチャに一目ぼれしたジェームズはさっそくアタック、たちまち二人とも恋に落ちてしまう。ところが、ジェームズがスタントに失敗。ボスコの店にバイクごと飛び込みメチャクチャにしてしまう。二人の交際に反対していたボスコはジェームズを訴え、133年の刑に処せられるが脱獄、コンチャのもとへ向かう。ちょうどそんな時、町の近くに隕石が落ち、奇妙な生物が現れる。 |
時間にして1時間半ほどだが、長い。飽きる。スプラッターのドタバタ・コメディなのに全く笑えない。フランスとは笑いの感覚が違うのか。もともと、こんな残酷で血まみれの話で笑えるとは思えないが。ラストも「なんてコンチャ」などというダジャレ(オヤジ・ギャグはいかんなあ。しかも、それ日本語じゃん。オリジナルと関係ないし)では、まったく納得できない。何が作りたかったのかもよくわからない。ヴァネッサ・パラディとジェイソン・フレミングとエイリアン以外、見るとこなし。うーむ。このティストが好きな人にはたまらんのかもしれないが……。 設定としては面白くなりそうな要素がいっぱいある。どこかメキシコ近くの怪しげな町というかコミュニティ。フランス人が大半で、1人の資産家によって牛耳られているというまるで西部劇のような設定。当然、ここへ流れ者のような男、スタントマンのジェームズがやってきて一騒動持ち上がるわけだ。ボスの一人娘はコミュニティ一番の美人で、歌姫。歌手を目指してここから出ていきたいと思っている。愛犬を虐待死ながら芸を仕込んでいる男や、ミイラ化した祖母と暮らすAK47乱射男、女とヤルことしか考えていない音楽プロデューサー、訳のわからないことをつぶやいている引退した宇宙飛行士……。しかもそこへ隕石が落ちて、くっついていたエイリアンが片っ端から人間を斬殺するという、とんでもない展開。これで笑えればなあ……。 虐待されている犬はどう見ても作り物というのが明白で興ざめだが、3D-CGらしいエイリアンはデザインも面白く、合成も完璧に近い。まさにその場にいるようだ。なぜ空中に浮くのかとか、なぜ人間を襲うのかなど、よくわからないことは多いが。それらをあまり気にさせない何かがある。何かはあるが、それが生きていない。そして、ラストまで積み上げてきたものを、台無しする最後のだじゃれオチ……。 問題は予算なのか、脚本なのか、演出なのか、それとも全部か。監督は39歳のディディエと40歳のティエリーのポワロー兄弟。2人で脚本も書いている。ミュージック・ビデオの出身だそうで、本作が劇場長編映画デビュー作ということらしい。これで先があるんだろうか。 ヴァネッサ・パラディは「奥サマは魔女」(Un Amour de Sorciere・1997・仏)とか「ハーフ・ア・チャンス」(1 Chance sur de 2・1998・仏)がめちゃめちゃ良くて、その後ジョニー・デップと結婚して引退したとか言われていて、どうしたのかなあと思っていたら本作から女優業復活らしい。 相手役のジェイソン・フレミングは「ザ・グリード」(Deep Rising・1998・米)が印象的で、続く「URAMI〜怨み〜」(Bruiser・2000・米)の白い仮面を着け復讐の鬼となった姿がまた強烈。映画自体はパッとしなかったが「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」(The League of Extraordinary Gentlemen・2003・米/独)のジキル博士とハイド氏が強烈で、とても印象に残った。本作での印象はすこぶる薄いが、この脚本ではしようがないかも。 小さな劇場でしかやっておらず、しぶしぶ遠い池袋へ。50分前に着いたら、いつの間にか全席指定で、前売り券も当日券との引き換えが必要なシステムに変わっていた。しかし、場内の座席レイアウトやスクリーン・サイズ、床の傾斜も分からないのに、座席を選ぶことはできない。6館共通のゾーンで聞かれたって、答えようがない。通路がどこにあるかさえ書かれていないのだ。センターは危険なのでそれを避けて選んだら、思った以上に壁に寄っていてビックリした。こんなシステムで良いのかなあ。インターネット予約もできるらしいが、行くまで上映館もわからないし、やっぱり池袋は避けた方が……。 並ぶ必要がなくなったので、スタバで時間をつぶし30分前に着いたらちょうど開場したところ。ロビーに関係者らしい女性が3〜4人。ぴあ席が6席×左右にあり。 ロビーから関係者らしい人々のあいさつが聞こえてきて、うるさい。場内もまだエアコンが効いておらず、ちょっと暑い。準備が悪いなあ。イスは飲み物をこぼした後がありありと残っていたし、環境劣悪。20分前くらいになって、やっとエアコンが効いてきた。 7〜8分前から劇場案内の上映が始まり、場内はようやく20人くらいに。20代くらいの女性が3人、オバサン1人。ほとんどは中高年のオヤジ。関係者がどんどん増えてきて、場内にも並び始めた。あいかわらずロビーのあいさつがうるさい。人数は観客より関係者のほうが多いのではないかと思えるほど。2人で充分だって。 最終的には280席に30人くらいの入り。予告では日本映画の「キダン」が面白そうだった。「ダーク・ウォーター」に日本語の曲はなんか合わない気がした。「親切なクムジャさん」は面白そうだが……。 |