日本語字幕:手書き体下、石田泰子/ビスタ・サイズ(Canon Digital SLR camera、Nikon Lenses/Canon EOS-1 Mk.II)/ドルビーデジタル、dts、SDDS(IMDbではドルビーEX6.1、DTS-ES、SDDS)
(英、米ともにPG指定)日本語吹替版もあり
すっかり落ちぶれてしまって1銭もなくなった貴族のエバーグロット家は、成り上がりのバン・ドート家の息子ビクター(声:ジョニー・デップ)と自分たちの娘ビクトリア(声:エミリー・ワトソン)を結婚させ再興を図ろうとしていた。そしてリハーサルの日、緊張したビクターはヘマばかりで教会を飛び出し、森の中で1人練習を始めるが、誓いの言葉とともに結婚指輪を指した枝は、実は死んだエミリー(声:ヘレナ・ボナム=カーター)という花嫁の手の骨だった。誓いの言葉を信じたエミリーは、ビクターを死後の世界へ連れていく。 |
暗い。そして怖くて、残酷で、ちょっぴりかわいくて、笑えるところもあって、それでいて悲しい話。これって小さな子供でもOKなのだろうか。聞いてみたい気がした。 とにかにく、どの登場人物も陰気。目の回りにクマができているようなキャラクターばかり。それでいて、滑稽な感じは残っていて、想像を超えるような造形はクセは強いが圧倒的でさえある。特にビクトリアの母、モーデリンの造形は想像を絶している。どうやったらこんなキャラクターを考えつくのか。そして、骸骨なのにいかにも老人という感じが溢れているグートネクト長老。ちゃんと個性があって、すばらしい。ミセス・プラムも驚異の造形だ。子供の骸骨もそれらしいし、かわいいし、犬も骸骨なのに撫でたくなる感じ。 ボクにはコープス・ブライドの目の奥にすんでいるウジ虫のマゴットとクロゴケグモだけが気持ち悪いキャラクターだった。 カラー設計では、現世というか生きている人間の世界が色の褪せたモノトーンで、死後の世界は原色が溢れるカラフルな世界というふうに分けられている。わざとらしい気がしないでもないが、分かりやすいのは間違いない。 オリジナル版のビクトリアの声を担当しているエミリー・ワトソンという人は、「羊たちの沈黙」の続編の続編「レッド・ドラゴン」(Red Dragon・2002・米/独)で殺される女性を演じていた、どちらかというとオバサンっぽい人。でも、こうやってアフレコを見ると(聞くと)、まさに貴族のお嬢様、若い新婦に見える(聞こえる)。 エバーグロット家のころころ太った主人フィニスの声を担当していたのは、「ビッグ・フィッシュ」(Big Fish・2003・米)で父親を演じていたアルバート・フィニー。すぐ怒る怖い牧師ゴールズウェルズはあの名ドラキュラ俳優のクリストファー・リー。骸骨の長老グートネクトは「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(Batman & Robin・1997・米)でブルース・ウェインの秘書を演じていたマイケル・ガフ……と、最近の傾向にならってとても豪華な布陣。 監督は、ティム・バートンともう1人、マイク・ジョンソンの共同監督。どういう分担だったのかよくわからないが、ティム・バートンが製作した「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」(The Nightmare before Christmas・1993・米)でアシスタント・アニメーターを務め、「ジャイアント・ピーチ」(James and the Giant Peach・1996・英/米)でアニメーター、その後、短編などを監督して、エミー賞を受賞したエディー・マーフィ原案のTVシリーズを手がけたあと、本作へ招聘されたらしい。 とにかく動きも自然だし、あまりストップ・モーションに見えない。最近はCG合成なども使うので、なお多才な表現が可能になり、もはや普通のアニメなのか、ストップ・モーション・アニメなのか、3D-CGアニメなのか区別がつかなくなってきた。なんでも、ストップ・モーションでは12時間働いて作れるのは1〜2秒分の映像だという。「ウォレスとグルミット」もそうだが、その大変さを考えたら3D-CGでやったほうが、まだましなのではないかと思えてしまう。3D-CGが実写に近づき、ストップ・モーションが3D-CGに近づいてきたのだから。ただ製作手法があまりに違うので、結果として出来上がったものが非常に似ていても、一緒になることができないような気がするけど……違うかな? 公開初日の2回目(字幕版初回)、銀座の劇場は全席指定なので早めに行って前売り券を当日券と替え、買い物や食事をして15分前くらいに劇場に戻った。運良くなのか見やすい2階席もOKでとれたので2階へ。後ろから2列目の中央11席×1列がぴあ席だったが、だれも座らなかった。15分前の時点では20人くらいで、幼稚園から小学生くらいの子供連れもいたが、字幕が読めるのだろうか。親が見たいので連れてきたという感じだろうか。 となりに座ったオバサンが、座るやいなや靴を脱いだ。さすがに足を上げることはしなかったが、オマエはマナーの悪いオヤジか。ビックリした。当たり前のように涼しい顔をしている。さいわい足の臭いはしなかったが……。一体普段家でどんな暮らしをしているんだろう。不快だった。 最終的には2階は7割くらいの入りで、小学生くらいの子供が1割という感じ。男女比は4対6で女性のほうが多かった。やっぱりジョニー・デップ人気か。銀座という場所柄か中高年も含めカップルが多かった。前の席に座高の高いオヤハジが座り、階段状の座席になっているのにスクリーン下に出る字幕が読みづらかった。字幕はタテがいいなあ。 「エデンの東」のデジタル・リマスター版の予告があったが、この画質が良くない。なんだか古いまんま。驚くほどきれいな絵を見せてくれないとデジタル・リマスター版の予告にはならないと思うが。それと、ナタリー・ポートマンの「Vフォー・ヴェンデッタ」が面白そう。レトロ・フューチャーぽい感じが良かった。2006年公開らしい。 |