日本語字幕:丸ゴシック体下、(翻訳者表記なし)/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビー、dts
(米PG-13指定)
幼なじみの4人組が30歳になったある日、仲間の1人だったビリーが死んだという知らせが入り、残りの3人は久しぶりに田舎で再開する。かつて4人で“秘密基地”として使っていた木の上の小屋に行ってみると、最近ビリーが訪れた気配があり、子供の頃に話題になった大金を持って行方不明になった犯罪者D・B・クーパーの不時着地点を予想し調査するためのメモが書き込まれた地図があった。3人はその地図を頼りにお宝探しの冒険に出ることにする。 |
面白い。いずれも傑作の「スタンド・バイ・ミー」(Stand by Me・1986・米)と「シティー・スリッカーズ」(City Slickers・1991・米)を足して2で割ったような感じで、冒険談としてもなかなかの出来。ただのドタバタ、おふざけ、といった感もあり、それが気になると評価も低くなるかもしれない。 まず冒険に出るきっかけが良い。とても自然。無理がない。冒険行こうぜというより、ノリやすい。全員がそれぞれ人生で問題を抱えており、行きつづまりのようなものを感じている。そこがうまい。3人のキャラクターも良く立っていて、それぞれに魅力がある。みんな基本的には二枚目だし。そして、一番末っ子のようなダンが、医者になっていながら一番自信なさげで、消極的で他の二人がどんどん行こうとするのをいさめるのがいい。 そして、荒唐無稽ほどではないが、想像も出来ないような展開があり、しかもたっぷり笑えるようになっている。ダン役のセス・グリーンのキャラクターなのだろうか、さあ笑えというような感じがなくていい。セス・グリーンといえばあの爆笑映画「オースティン・パワーズ」(Austin Powers・1997)でDr.イーブルの息子を演じていた人。「ミニミニ大作戦」(Italian Job・2003・米)でもいい味を出していた。 離婚の危機を抱えているジェリーを演じたのは、最近は「スクービー・ドゥー」(Scooby Doo・2002・米)などのコメディが多いものの、もともとは「スクリーム」(Scream・1996・米)や「デッドマンズ・カーブ」(Dead Man's Curve・1998・米)の怖いイッちゃった演技のうまい人。本作では「スクービー……」の流れで、愉快な男の役だが、「スクービー……」ほどバカバカしくなく、ちゃんと足が地に着いた役。なかなかいい。 なんだか無軌道に生きているように見えるトムを演じたのは、TV出身というダックス・シェパードという人。あまり見かけないが、かなり甘い二枚目。こういう役を演じると、とても嫌らしさが出て、ちょっとイヤな役だったかも。「ジュマンジ」(Jumanji・1995・米)の続編で近日公開になる「ザスーラ」にも出ているらしい。 監督はちびっこスポ根の傑作「飛べないアヒル」(The Mighty Ducks・1992・米)の脚本を手がけたスティーブン・ブリル。その後、日本では全く受けないアダム・サンドラーの「リトル・ニッキー」(Little Nicky・2000・米)や「Mr.デイーズ」(Mr. Deeds・2002・米)を監督し、忘れられてしまった感さえ漂う……。それが本作で、限定公開ながら復活した。もともと「飛べないアヒル」を書ける人なのだから才能はあるのだ。作品に恵まれなかっただけ。 この面白い脚本には原案を考案した3人の名前と、脚本を書いた2人の名前がクレジットされている。しかしどの人もあまりメジャーな作品を手がけていない。脚本家としては新人に近いような人達ばかり。今後の作品に期待したい。 ちなみに途中で出現する巨大なクマは、バート・ザ・ベアという有名な芸能クマ。しかし本作のバートは2代目だそうで、1代目はあのアラスカ・サバイバル映画「ザ・ワイルド」(The Edge・1997・米)に出ていた。気のせいかもしれないが、ソックリ。アラスカのウッディさんによれば野生のクマはあんなに太っていないそうだ。迫力は太っていた方があるんだけど。2000年に死んでしまったらしい。一方2代目は2000年にアラスカで生まれたらしい。「ドクター・ドリトル2」(Dr.Dollitle 2・2001・米)から映画に出ているとか。1代目を超えられるか。 公開初日の初回はPCの地図ソフトがもらえるとかだったが……2回目は30分前に着いたらロビーに8人の人。20分前になって20人くらいになり、小さな劇場のロビーはいっぱいになったので整列させられた。男女比はほぼ半々。老若比もほぼ半々。 15分前に入れ替えとなり、指定席なしの場内へ。この時点で30人くらい。やや若い人が増えたか。カップルもチラホラ。最終的には177席に5割くらいの入り。混み方としてはちょうどいいが、もっと入ってもいい映画だと思う。 |