2005年11月19日(土)「フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い」

FOUR BROTHERS・2005・米・1時間48分(IMDbでは109分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、岡田壮平/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビー、dts

(米R指定)

74点


http://www.fb-movie.jp/top.html
(入ったら音に注意)


デトロイトの下町で、深夜コンビニに強盗が入り、巻き込まれて中年女性のエブリン(フィオヌラ・フラナガン)が射殺された。葬儀の日、孤児だが本当の息子のように彼女に育てられた、かつての悪童4人が街に戻って来た。エブリンのおかげで、4人は家族として深い絆を持ち、今は全うな道を歩んでいた。彼らは警察がなかなか犯人を逮捕しないので、独自に得意の暴力を使って犯人探しを始めるが、単なる巻き込まれではなく、彼女への処刑であったことに気付く。

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 面白い。暴力満載だが、小さな事件から謎を探るうち次第に巨悪が関わっていたことが明らかとなり、スケール・アップしていく。しかも意外な展開となり、驚きの結末へ。ちょっとばかりダークな感じがずっと漂っているのは気になるが、全体としては素晴らしい出来。

 ドラマ部分がちょっと足りない気がするものの、なかなかテンポよく、アクションを主体に強引に物語を動かしていくところところが潔い。孤児たちの母の顔で始まり、彼女の顔で終わる、うまい構成。ただ、どこかにノリ切れない部分もあるのは確か。それさえなければきっと傑作になっていたことだろう。

 脚本はデイビット・エリオット。この前にキアヌー・リーブスが悪役を演じた「ザ・ウォッチャー」(The Watcher・2000・米)の脚本を書いている。監督はリメイク・アクション「シャフト」(Shaft・2000・米)や「ワイルド・スピードX2」(2 Fast 2 Furious・2003・米)を手がけたジョン・シングルトン。ということは、たぶんそこそこの作品はできるというプロデューサーの読みがあったと思われる。

 主演はマーク・ウォールバーグで、ちょっと優男なのでひげ面にしてタフさを出そうとしている。まっ、これはハリウッドならずものパターン。そこそこワルっぽさは出ていたと思う。心からのワルに見えてしまうと物語が違ったものになってしまうので、キャスティングは難しかっただろうと想像できる。危険な地区で育ち、不良だったが“ママ”のおかげで更生し、まともな大人に育ててもらったという感じを出すにはマーク・ウォールバーグしかいなかったのかも。

 彼らは敵がヤバイやつらただと知ると銃を出してくる。最初はガバメントとM870風ポンプ・アクション・ショットガンだけだが、殺し屋などが出てくるとルガーKPシリーズのオートマチックや、ベレッタM92FSのオール・シルバー・モデルあたりが使われ、ギャングの襲撃で家がポロポロにされるときなど、オーストリアのAUG、MP5K、G36C、M16A2などがフル・オートで使われる。レンガ・ブロックなど粉々で、壁に穴が開けられてしまう。恐ろしい。警官はやはりグロック。

 ラスト、スナイパーが使っているライフルはH&Kの53らしいオートマチック。高価なPSGを持ち出すよりはリアルだ。

 末の弟ジャック役の二枚目、ギャレット・ヘドランドの腕には「和」という入れ墨が入れられているという設定。日本語というか漢字をカッコいいと思う人達がいるのだろう。

 銀座の劇場は「ダーク・ウォーター」が不入りで劇場変更となり、上映時間も変更に。ただ劇場が大きくなったのは嬉しいが、初回が16時50分からというのは予定が立てにくい。

 ここも全席指定なので、朝に座席を確保してぴったりの時間に着いた。654席の3.5〜4割程が埋まり、17席×2列の指定席は0。その前方にあるぴあ席は17席×3列くらいで、半分くらい埋まっていた。こんなに空いているのに、わざわざ高いお金を出してぴあ席に座るとは、よく理解できない。

 アクション物でもメインはやっぱり中高年。20代は1〜2割程度か。女性は全体の2〜3割くらい。

 予告では、いよいよ「キング・コング」の新しいバージョンが始まった。ニューヨークに連れて来られて暴れるコングの姿が描かれている。見るほどに「ジュラシック・パーク」に似ている感じだが、とにかくこの作品は見たい。ナオミ・ワッツが息を飲むほどきれいにとらえられている。


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