2005年11月20日(日)「CUBE ZERO」

CUBE ZERO・2004・加・1時間37分(IMDbでは独版102分、米版99分)

日本語字幕:手書き風書体下、瀬尾友子/ビスタ・サイズ(1.85、OTTO)/ドルビーデジタル

(米PG-13指定。日PG-12指定)

72点


http://www.cube-zero.jp/
(全国劇場案内もあり。音に注意)


キューブの監視役であるウイン(ザカリー・ベネット)は、残酷でいて退屈な仕事に飽きて、禁じられている収容者のファイルを読み始める。すると収容されている女性のレインズ(ステファニー・ムーア)がほとんど重大な罪を犯していないことを知り、救出のためキューブ内に入る。

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 悪くない。ただ、キューブらしい意表をつく死のトラップというのはほとんどなく、誰でもが考えつきそうなありふれたものばかり。なおかつ、内容が第1作をなぞったものばかり。キューブ外でも話が進み、それと連携ししてキュー部内でも話が展開し、しかもどんでん返しが用意されているという構成は素晴らしいのだが、ほとんど第1作と同じでは本作を作った意味がないではないか。ただし、第1作の解説的な部分があるので、第1作を見てから本作を見れば、キューブがどういうものかはよりよくわかると思う。

 ガッカリさせられた第2作の「CUBE 2」(CUBE 2 : Hypercube・2002・加)よりはかなりマシになっている。たぶん、その反省点を挙げ、それをあらためる方向で作り直したのではないかと思えるような作りになっている。そして、それを裏付けるかのように、第2作で脚本と製作を担当したアーニー・バーバラッシュという人が監督している。

 第1作はヴィンチェンゾ・ナタリが監督し大評判となったが、ナタリ監督はそのあと「カンパニー・マン」(Cypher・2002・米)でちょっと勢いを落し、最新作「Nothing ナッシング」(Nothing・2003・加/日)はとてつもなく退屈な映画だった。彼は一体どこに以降としているのか。あれほとど素晴らしい作品が作れる才能ある監督なのに……ハリウッドに潰されたのか。第1作の脚本に関わった人は、ナタリ以外、誰もパッとした活躍をしていない。ナタリ自身もそうだとすれば、キューブというまがまがしいものを考え出したタタリかもしれない。残念だが、もうこれ以上キューブ・シリーズは作らない方が良いと思う。ろくなことにならない。

 ラスト、軍のブラックホーク・ヘリが2機登場するが、なんかデジタルぽかった。CG合成ではないだろうか。そして捜索部隊のスナイパーが持っているのがH&Kの高級狙撃ライフルのSG1。数挺出ていたようだが、これも撃たないし、トイ・ガンっぽかった。

 なんだか「ターミネーター」(The Terminator・1984・米)のようなエンディングで、これもどうなんだか。サラウンド感はすごかったが、残念。

 公開2日目の2回目、新宿のこの劇場もスクリーンが見にくい悲しいところ。30分前に着いたらロビーには10人前後の人。オヤジが4人に、あとは20代のカップル。以外に若い人が多い。第1作の「CUBE」は若い人達がいっぱい入ったから、期待している人が多いのだろう。

 20分前くらいに整列の案内があり、30人くらいの行列ができた。狭い劇場なので、これでロビーは結構いっぱいの感じ。15分前に入れ替えとなった。この時点で50人くらい。まだ若い人が多い。

 最終的には指定なしの300席に5割ほどの入り。これ以上入るとスクリーンが見えなくなってくるから、ぎりぎりセーフ。

 ここは映写機の作動音が客席まで漏れてきてうるさい。しかも中央寄りがピンあま。どうにかしてくれ。


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