2005年12月10日(土)「ザスーラ」

ZATHURA・2005・米・1時間41分(IMDbでは113分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、石田泰子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル、dts、SDDS

※日本語吹替版もあり(米PG指定)

71点


http://www.sonypictures.jp/movies/zathura/index.html
(全国劇場案内もあり。入ると画面極大化。音にも注意)


いつもケンカばかりしている兄のウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)と弟のダニー(ジョナ・ボボ)は、ダニーが地下室で見つけた古いボード・ゲーム“ザスーラ”を始める。すると、出て来たカードに書かれていたことが現実となって起きる。あわてて玄関を開けると、そこは宇宙だった。家ごと宇宙空間に浮いていたのだ。2人は、そのゲームのゴールに達し、終わらなければ地球に帰れないことに気付き、力を合わせてゲームを進めていくことにするが、次々とカードに欠かれた災厄が襲いかかり、命を落としそうになる。

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 内容には余り期待していなかったが、そんなに悪くはなかった。それよりやっぱり視覚効果、SFXがスゴイ。隕石、宇宙、ロボット、ワニみたいなゾーガン星人、冷凍睡眠、砲撃……見どころいっぱいだ。

 ストーリーに身が入らないのは、ハッキリ言えば子供2人がちっとも魅力的に描かれていないこと。単なる悪ガキ、うるさい小鬼、アホないたずら坊主にしか見えないから、彼らが苦労してもあまりかわいそうに思えないのだ。どちらかといえば、ちょうどいい罰、お仕置き、自業自得という感じ。これが「シックス・センス」(The Sixth Sense・1999・米)のハーレー・ジョエル・オスメント君のように魅力的な男の子に見えたら、まったく印象が違っていただろう。これは脚本と演出のせいではないのか。

 子役は兄のウォルターがジョシュ・ハッチャーソン13歳。ロバート・ゼメキス監督のフル3D-CG映画「ポーラー・エクスプレス」(The Polar Express・2004・米)や宮崎アニメの「ハウルの動く城」(Howl's Moving Castle・2004・日)の英語版で声優をやっているらしい。この前に「Little Manhattan」(2005)という作品で主役を演じているが、大作の主要キャストは初めて。製作に「ポーラー・エクスプレス」を手がけたプロデューサーがいるからかも。これで評価を落とさなければいいが。

 弟のもっとうるさいダニーを演じたのは、ジョナ・ボボ8歳。かわいいのに本作では甲高い声でわめき散らし、小鬼にしか見えない。どうもマイケル・ケインが出た「Around the Bend」(2004)あたりの作品が評価されたらしい。日本未公開なのでなんとも言えないが。

 有名俳優は、パパ役のティム・ロビンスと、ゲーム途中で現われるさまよえる宇宙飛行士役のダックス・シェパードくらいしか出ていない。たぶん予算のほとんどはSFXにつぎこまれたのだろう。ダックスはつい最近「トレジャー・ハンターズ」(Without Padole・2004・米)で無軌道に生きるトムを演じていた人。あっ、ロボットの声を出していたのはヨーダの声で有名な、監督でもあるフランク・オズ。

 めっけものは、2人の兄弟のお姉さんリサ役の、クリステン・スチュワートかも。ちょっと顔が細いがかなりの美形。驚くことに、ジョディー・フォスターが主演した「パニック・ルーム」(Panic Room・2002・米)で娘役を演じ、家の中でキック・ボードに乗っていた喘息持ちの女の子を演じていたのがクリステン・スチュワートなんだとか。たった3年でこんなにも大人っぽくなってしまったのだ。びっくり。本作の脚本のデビッド・コープが「パニック・ルーム」の脚本も手がけているが、何か関係あるのか。

 驚異的なビジュアルを作り出したのはデジタル・ディメンションというところのようだ。もちろい今は1社ではできないから数社が関わっているはずだが、中心となったのはということだろう。賛否両論の「ドリブン」(Driven・2001・米)や、最近では「ブレイド3」(Blade: Trinity・2004・米)や「Mr. & Mrs.スミス」(Mr. & Mrs. Smith・2005・米)を手がけている。

 ロボットやゾーガン星人などのクリーチャーを作ったのはスタン・ウィンスト・スタジオ。「ターミネーター」(The Terminator・1984・米)のロボットや、「プレデター」(Predator・1987・米)を作ったところだ。最近では「コンスタンティン」(Constantine・2005・米)を手がけている。

 ただ、アメリカ公開版より12分も短いのが気になる。それで中途半端な感じになっているのかも。これは完全版もしくはディレクターズ・カット版のDVDでも出たら書くに何するしかないが……。

 公開初日の3回目、字幕版の2回目、銀座の劇場は全席指定で、ギリギリについたら470席の1/3くらいの入り。下は小学生くらいから、上は老人まで結構幅広い。老若比は半々くらい。男女比も半々というところ。

 予告編では、なんと「スーパーマン」がリメイクされるという。「スーパーマン・リターンズ」とはびっくり。それからジェット・リー主演で、中村獅童も出たという「スピリット」も面白そう。宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」の予告にやっと絵がついた。

 この劇場、本日から名前が変わったということで、サロ○パス製品のサンプル・ブレゼントがあるとあったが、もらえなかった。不思議なものでもらえないと気になる、というか損した気になる。このキャンペーン逆効果では?


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