日本語字幕:丸ゴシック体下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(マスク、Super35、ARRI)/ドルビーデジタル、dts、SDDS
(米R指定、日R-15指定)
火星にあるユニオン宇宙社オルドゥヴァイ研究所で緊急事態が発生。正体不明の生命体によって研究員が殺害されたらしい。カリフォルニア海兵隊特殊作戦本部に協力要請が入り、RRTS(緊急対応戦略部隊)に“掃討作戦”の出動命令が下った。コード・ネーム、サージ(ザ・ロック)以下8名が、ユニオン宇宙社のサマンサ博士(ロザムンド・パイク)を伴って、ネバダ砂漠にある火星へのテレポーテーション装置“アース”を使って火星に送り込まれる。 |
単純に面白い。どの程度まで原作ゲームに忠実なのかはわからないが、同じくゲームを映画化した「バイオハザード」(Resident Evil・2002・英、独、仏、米)そっくりの雰囲気。あれが楽しめた人は本作も楽しめるのではないだろうか。 そして、カッコいい。「エイリアン1&2」(Alien・1979/米、Aliens・1986・米)的な盛り上げ方がうまく、ザ・ロックのラズベリー賞最悪男優賞ノミネートもものともしない感じ。ボクは楽しめた。リズムが良いし、クリーチャーが現われるまでが「ジョーズ/JAWS」(Jaws・1975・米)っぽい。 確かにザ・ロック1人が変。冒頭、部屋に1人でいるときから、なぜか上半身ハダカなのだ。まるで意味なし。せめてTシャツくらい着てろって感じ。次のシーンでは現にTシャツ着ているわけだから。しかも、人命より任務優先というロボットみたいな最低男。よくこんな役を引き受けたものだ。まったくキャラクターに合っていない。 良くないのはザ・ロック1人で、あとはまともな人間ばかり。ネバダに駐留する海兵隊特殊作戦部隊。「エイリアン2」の宇宙海兵隊だ。装備も非常に「エイリアン2」のパルス・ライフルに似ていて、G36をベースにしたようなプラズマ・ライフル。スマート・ガンの代わりには「バイオハザードIIアポカリプス」(Resident Evil: Apocalypse・2004・独、仏、英、加)風のミニガン・ベースのとんでもないマシンガン。ショットガンやサブマシンガン・タイプもあり、それぞれ持つキャラクターに合わせてデザインされたらしい。ザ・ロックの銃にはドット・サイトが付いていた。 さらに、火星にあるユニオン宇宙社オルドゥヴァイ研究所の兵器庫にある、研究中らしいアドバンスト・ガン(バイオ・フォース・ガン)がまたすごい。小脇に抱えなければならないほど大きいが、威力も絶大で、金属の壁に人が通れるくらいの大穴が開く。 サイド・アームとしては、だいたいUSPを使っていたようだが、ザ・ロックのみガタイがでかいので大型拳銃のデザート・イーグル。 こんな武器を使って、また実に気色の悪いモンスターたちをバッタバッタとなぎ倒していくのだから、スッキリ爽快。特に後半、対決姿勢がはっきりしてカール・アーバン演じるリーパーが立ち上がってからは、カメラはリーパーの主観となりすっかりゲーム・モード。音楽もいちだんと盛り上がり、チェーンソーまで使ってモンスターをぶっ殺しながらどんどん進んでいく。罪悪感を感じなくてもすむので、これは盛り上がる。 そのカール・アーバンは、「ゴーストシップ」(Ghost Ship・2002・米、豪)で殺人鬼を演じていた人。他に「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの2作目と3作目でセオデン王の甥エオメルを、「リディック」(The Chronicles of Riddick・2004・米)でモヒカンのような独特のヘアー・スタイルでネクロモンガーのヴァーコ司令官を演じている。「ボーン・スプレマシー」(The Bourne Supremacy・2004・米、独)にも出ていたらしいが、作品自体が酷かったのでほとんど記憶にない。 紅一点とも言うべきロザムンド・パイクは、言うまでもなく「007ダイ・アナザ・デイ」(Die Another Day・2002・英、米)のボンド・ガール。これから公開されるジョニー・デップの「リバティーン」や、つい先頃公開されたキーラ・ナイトレイの「プライドと偏見」なんかにも出ているらしいが、見ていないのでなんとも言えない。本作ではなかなかいい味を出していたと思う。 印象に残ったのは、転送装置アークを操作する、下半身が車イスのピンキーを演じたデクスター・フレッチャー。どこかで見たなあと思ったら、潜水艦ホラー映画「ビロウ」(Below・2002・米)で乗組員の1人で出ていた人。 監督はアンジェイ・バートコウィアク。話題作を多く手がけてきた撮影監督出身で、「ロミオ・マスト・ダイ」(Romeo Must Die・2000・米)で監督デビューし、スティープン・セガール映画では面白かった「DENGEKI電撃」(Exit Wounds・2001・米)や、「ブラック・ダイヤモンド」(Dradle 2 the Grave・2003・米)といったアクション作品を一貫して撮り続けている。 公開初日の初回、新宿の劇場はレイト・ショーのみの公開で、なんと20:00から。45分前に付いたら、誰もいなかった。踊り場のようなところに並ぶ。30分前くらいから増えだして、15分前に開場。 劇場が系列4館中最悪のところなので、「北斗の拳」を見終わって出てきた若い人たちが、字幕なしのアニメにも関わらず「よく見えなかった」と口々にこぼしているのが聞こえてきた。うーん、これはツライ。ベスト・ポジションはわずかしかないからなあ。 当然指定席はなしで、この時点で30人くらい。ゲームの映画化ということでか、90%は20〜30歳くらい。大学生くらいが多いようだ。男女比は6対4で男性がやや多い。外人さんもチラホラ。 最終的に272席の7割ほどが埋まった。予告なしでのいきなり上映。 |