Udon


2006年8月27日(日)「UDON」

2006・フジテレビジョン/ROBOT/東宝・2時間19分

シネスコ・サイズ(HDCAM SR)/ドルビー



http://www.udon.vc/
(全国劇場案内もあり)


スタンダップ・コメディアンになる夢が破れてニューヨークから四国・香川県(さぬき)の実家に帰ってきた松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、友人の紹介でタウン誌「TJ Sanuki」の編集部に就職する。売れた部数に応じた歩合制の給料だったため、一計を案じさぬきうどんの特集を組むことを提案する。すると、これがヒットし、全国的なさぬきうどんブームが起きるが……。

71点

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 面白いは、面白いと思うが、長い。なんだか2つの話をくっつけたような感じ。1つは讃岐うどんブームにまつわるタウン誌編集部の話。もう1つは、讃岐うどん製麺所の興亡記のような話。どちからがメインなら違和感がなかったと思うが、どちらも同等の扱いに感じられるため、どっちつかずの感じに。

 たぶん、ファンタジー、大人の童話という感じなのだと思うが、どうにもストーリー展開に納得できないというか、気になる部分が多くて、ファンタジーを楽しめなかった。もちろん、ラストでは感動して涙が出そうになるのだが、これはラストだけあれば可能な感じで、それまでの大半はあまり関係ない気がした。

 ギャグもたくさんちりばめられてはいるのだが、これは「笑いに来ている」人のためのギャグであって、「笑わせる」ためのギャグではないような……。微妙な違いなんだけど。

 それに、なんで今うどんなのだろう。確かにこの映画を見ているとおいしい讃岐うどんが食べたくなる。食事前に見るには最適の映画だが、なぜ。ちょっとラーメン・ウエスタンと言われた伊丹十三監督の「タンポポ」(1985)のような雰囲気はあるけど。

 そして、なんでシネスコ? 画面のレイアウトに違和感はなかったけれど、なぜ。ワイプも多用しているから、ファンタジー感を強調するためだろうか。そしてHDCAMのせいなのか、色調が浅い。そしてなぜ「うどん」ではなく「UDON」?

 いい味を出していたのは、町の広告代理店に勤める香助の親友、鈴木庄介を演じたウルフルズのトータス松本。そして後輩のタクシー運転手、水原宗典を演じた永野宗典がおかしかった。編集部の三島憲次郎を演じたラーメンズの片桐仁も笑った。

 監督は、「踊る大捜査線」シリーズを大ヒットさせた本広克行。ボクは「踊る……」以外はあまり見ていないが、あまり好きではないかも。

 予告編はあまり記憶に残らなかったが、ピンが甘かったのが気になった。そしてシネスコになってからいちだんと酷くなり、本編が始まってから調整されたようで、ピントが徐々に合っていった。なんだろ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は上映時間が変更になっていて誰も並んでいなかった。しようがなく書店へ行って30分ほど時間をつぶして40分前にもどると、まだ誰もいなかった。この作品の場合ちょっと恥ずかしい。30分前になって開場した時でも0人。ますます恥ずかしい。

 指定席なしの場内へ入り、20分前くらいになったら、やっと20代くらいの若いカップルが入ってきた。その後ぽつぽつと続き、最終的には586席に100人くらいの入り。ほとんど20代の若い人で、男女比は半々くらい。中高年はわずかに4〜5人。招待券をもらったので見たが、自腹だったら見ないなあ。




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