日本語字幕:手書き風書体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(マスク、ARRI、Sony HDC-F950、Super 35)/ドルビーデジタル(IMDbではdts、SDDSも)
(米PG-13指定)
ルーマニアの古い修道院跡の地下で巨大な洞窟が発見された。それが水没していたことから、すぐにプロのダイバー・チームが呼び寄せられ、調査が開始された。洞窟には得体のしれない生物がおり、やがて1人また1人とメンバーが襲われていく。 |
IMDbで4.5点という低評価。しかし、面白かった。長さもちょうどよく、1時間50分くらいの感じ。この間、何も考えずに、主人公たちと一緒に大冒険を楽しんだような気がした。これは良くできているということではないだろうか。 気になったのは、冒頭の30年前の事件で、たぶんディレクターズ・カット版があるとすれば、もっと30年前の囚人のような男たちの謎を明かしているのではなと邪推してしまうが……。 話としては「ディセント」(The Descent・2005・英)に似ていて(偶然にも製作年が同じ)、ほぼ地底版「エイリアン」(Alien・1979・米)だ。火炎放射器を作って使うし。ただ、それをいかに料理して見せるか。ここが監督の手腕の見せ所なわけで、本作ではそれがうまくいっていると思う。話は徐々にエスカレートしていって、ラストはハリウッド作品らしく大爆発があって、意味深な幕切れも用意されているという、パターンといえばパターン。それが気に入らない人はIMDbと同じ評価になるだろう。 それにしても、何たる邦題。予告もシリアスではなく川口探検隊風だったし……。「ザ・ケイヴ」でいいんじゃないかなあ。いかにもB級というタイトルを付けるなんて。 クリーチャーのデザインはハリウッド版「ゴジラ」(Godzilla・1998・米)のパトリック・タトポロス。さすがにうまい。怖くて気持ち悪い。そういえばこの前「サイレントヒル」(Sillent Hill・2006・加日ほか)でも名前を見かけたなあ。着ぐるみも使っているのだろうが、合成もうまく、本当にこんな生物がいるかのような存在感。ちょっと白っぽいエイリアンという感じか。 セットもりっぱ。一部本物だろうが、本当に巨大な感じがするからすごい。超音波を飛ばして、一瞬にして洞窟の地図を作っていくシステムが素晴らしかったけれど、あれって本当にあるのだろうか。MacのPowerBookを使ってたけど。 ちょっと怪しげな隊長ジャックは、特殊部隊の救出作戦を描いた「ティアーズ・オブ・ザ・サン」(Tears of the Sun・2003・米)でいい味を出していたコール・ハウザー。ほかに「ワイルド・スピードX2」(2 Fast 2 Furios・2003・米/独)や「パパラッチ」(Paparazzi・2004・米)で強面の役をやっていて、どちらかというと怖い印象。 その弟タイラー役はエディ・シブリアン。なんとなくハンマー投げの室伏広治選手に似ているような……。ほとんどTVで活躍している人。 唯一の黒人隊員トップは、モーリス・チェスナット。最近では「アナコンダ2」(Anacondas: The Hunt for the Blood Orchid・2004・米)に出ていた。 遺跡を発見した教授の美人助手に、「ブラザーズ・グリム」(The Brothers Grimm・2005・チェコ/米)で男勝りの村の娘を演じていたレナ・ヘディ。 勇敢な女性隊員チャーリーは、パイパー・ペラーボ。女性版青春音楽根性もの「コヨータ・アグリー」(Coyote Ugly・2000・)で見事なダンスを披露していた人。さすがにロック・クライミングは体の動きが軽い。 監督はアメリカ生まれでオーストラリア育ちというブルース・ハントという人。CMディレクターとしていくつもの賞を受賞したらしい。その後「ダークシティ」(Dark City・1998・豪米)や「マトリックス」(The Matrix・1999・米)シリーズのセカンドやサード・ユニットの監督を経て、プロデューサーに認められ、本作で劇場長編映画デビューを飾ったらしい。そのためか、本作もカメラ・アングルがユニークで面白い絵作り。今後に期待したい。ただ、予定はないようだが……。 それにしても、またピンが甘い。うーむ。 公開2日めの初回、銀座の劇場は25分前に着いたたら、なんと21人ほどが並んでいた。あれ、と思ったら映画の日で1,000円均一。オバサン2人のほかは全員男性。前の方に若い人が多かったが、全体では老若比は半々くらい。 15分くらい前になって「太陽」の上映が終わり、入れ替え。全席自由だが、座席はフラットで、千鳥配列でもなく、前の席に人が座るとスクリーンは非常に見にくくなる。混まないで欲しい……と、最終的には130席に6.5割くらいの入り。 近所の定食屋からクサヤの匂いが漂ってきて、ちょっとせつなかった。 スクリーンはシネスコで開いており、予告が始まるとビスタになった。ナオミ・ワッツのなんとかという新作はビデオ予告で、非常に画質が悪い。いくらナオミ・ワッツでも、これでは逆効果。まったく見る気がしなかった。なんだかわからないが、とにかく怖そうというか気持ち悪いのは、クエンティン・タランティーノがかんでいるらしい「ホステル」。劇場が、劇場だからなあ、どうだろう。R-18指定だとか。 「バタリアン5」はいきなり5になったような気がしたが、5作目らしい。日本公開されていたのだろうか。「ダンジョン&ドラゴン2」は微妙。前作もいまいちだったし……。「ヘイブン」はタックス・ヘイブンのヘイブン。天国のヘブンじゃなくて回避所という意味だったのね。暮らそうで、重くて、オーランド・ブルームでも気が進まないなあ。 |