Snakes on the Plane


2006年10月21日(土)「スネーク・フライト」

SNAKES ON THE PLANE・2006・米・1時間47分(IMDbでは105分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、林 完治/シネスコ・サイズ(マスク、Moviecam、Super 35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS(IMDbではドルビーデジタルのみ)

(米R指定、日PG-12指定)

http://www.movie-eye.com/snake/
(入ったら音に注意。全国の劇場案内もあり)


ハワイで殺人現場を目撃したショーン・ジョーンズ(ネイサン・フィリップス)は、FBI捜査官のネヴィル・フリン(サミュエル・L・ジャクソン)の説得で、ロサンゼルスで証言をする決心をする。フリンは、ホノルルからロスに向かう深夜便のフライトに予約を入れ、犯人の襲撃を避けるためファースト・クラスを全て押さえてしまう。しかし犯人は時限装置を仕掛けた箱に毒蛇を数千匹隠し、ジャンボ・ジェットの荷物室に積み込んだ。そしてジャンボが離陸すると間もなく、タイマーによって蛇は箱の外へとはい出した。

73点

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 エロ、グロ満載。いかにもB級という作り。しかし結構しっかり作られていて、観客を楽しませようという心意気が伝わってくる。本物と3D-CGとたぶんメカニカルな蛇をうまく組み合わせているのだろう、数千匹の蛇が乗客を襲うというパニック・シーンを、リアルに作り上げている。大蛇が人間を頭から飲み込むなど、見どころもたっぷりある。オヤジ・ギャグというかダジャレの日本版予告は、イメージ・ダウンだと思うが……。

 乗客に渡されるレイに蛇のフェロモンが掛けてあり、それによって興奮した蛇が襲ってくるという設定になっている。しかも荷物として持ち込む時は低温にしてあったので、気付かれなかったという仕掛け。

 おぞましさはかなりなもので、蛇嫌いな人には耐えられないかもしれない。はう感じ、うごめく感じ、換気口を伝ってくる感じはとにかく気持ち悪い。そして、時には蛇の主観でフェロモンが煙のように見え、スキだらけの人間が見える。ツノのあるヤツとか、どぎつい色のヤツとか、長いヤツとか、太いヤツとか、変な模様のヤツとか……うぇっ。毒で腫れた腕、足、顔……。スゴイ。

 エロで言えば、女性の胸をわしづかみにしてそこにサインする潔癖症のラッパーがいたり、我慢できず機内のトイレでことに及ぶカップルがいたり、その乳首に蛇が飛びついたり……こちらも、なかなかドギツイ。

 蛇と闘う武器はFBI捜査官の持っている銃(外壁に穴を開けると大変なことになる)と、スタンガンと、スプレーにライター(持ち込み禁止だと思うが)をくくり付けた即席火炎放射器、消火器……などなど。しかし敵はジャンプするし、独を吐きかけるし、音もなく忍び寄るし、なかなか手ごわい。

 なぜ、一流俳優のサミュエル・L・ジャクソンがこんなB級映画に出たのかと思ったら、公式サイトのインタビュー記事などを読むと、仕事が好きで本作は自分からやりたいと連絡したらしい。それで「サウス・パシフィック121」という何だかわからないタイトルを“SNAKES ON THE PLANE”にすべきだと強く主張したらしい。そう言えば「ケミカル51」(The 51st State・2002・米)というB級アクションにも出ていたか。自分の製作総指揮だったし。だいたい年に2〜3本の作品に出ている。

 気の強いフライト・アテンダント、クレア役はジュリアナ・マーグリーズ。人気TVシリーズの「ER緊急救命室」に婦長役で出ていたらしい。劇場作品では、なかなか面白かった「ゴーストシップ」(Ghost Ship・2002・米/豪)で主役を演じていた。

 もう1人のフライト・アテンダント、金髪のメルセデスには、レイチェル・ブランチャード。エロティックなサスペンス「秘密のかけら」(Where the Truth Lies・2005・加/英)や、コミカルな冒険談「トレジャー・ハンターズ」(Without a Padole・2004・米)で主人公たちが出会う美女たちの1人を演じていた人。

 最近、実際によく見かけるようになったベテランのフライト・アテンダント、を演じたのはリン・シェイ。「-less[レス]」(Dead End・2003・仏/米)で恐ろしいお母さんを好演していた人。本作でも、そんなに出ていないのに存在感がある。さすが。

 ファースト・クラス担当の金髪のフライト・アテンダント、ティファニー役は、サニー・メイブリー。「スピーシーズ3 禁断の種」(Species III・2004・米)のクリーチャー役で全裸でがんばっていたり、「トリプルX ネクスト・レベル(未)」(xXx:State of the Union・2005・米)にも出ていたらしい。

 監督はデイヴィッド・R・エリス。1970年代からスタントを手がけ、やがてセカンド・ユニットの監督を経て、監督になったらしい。主な監督作品には、さまざまな死に様を見せるホラー「デッドコースター」(Final Distination・2003・米)やキム・ベイシンガーの面白かったアクション「セルラー」(Cellular・2004・米)がある。B級であっても、うまいはずだ。

 公開初日の初回、銀座の劇場は45分前についたら20人くらいの行列。若い男性は4〜5人、女性はオバサンが3人、あとは中高年の男性。40分前くらいに2列にされたが、そんなに列のびてないのに……。窓口が2つで2列だと、実は不公平が起る。1万円札とか出す人がいたり領収書が必要な人がいると遅くなってしまうのだ。フォーク並びで1列の方が不公平感が少ないのだが。

 35分前くらいに列が30人くらいになったところで開場。やっぱり左の列だけが速く進むという現象が。まあ30人くらいだから、大した違いはないだろうけど。初回のみ全席自由。

 10分前くらいからカーテンが左右に開いて前方が暗くなり、劇場案内を上映。最終的には若い人がちょっと増えて、400席に100人くらいの入り。関係者らしい10くらいの一団がやっぱり気になる。予告編が終わって、本編が始まる時に次々と出ていくのだ。うーん。

 気になった予告編は……やはり「どろろ」と、韓国映画「サッド・ムービー」。「サッド……」は予告だけで泣けてくる。こりゃ劇場じゃあ見れないなあ。


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