Chaos


2006年11月4日(土)「CHAOS カオス」

CHAOS・2005(IMDbでは2006)・加/英/米・1時間47分(IMDbでは106分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、野口尊子/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(米R指定)

http://www.chaos-movie.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


アメリカ、ワシントン州シアトルのグローバル銀行に数名の銀行強盗が押し入り、多数のお客と行員を人質に立てこもった。犯人のリーダー、ローレンツ(ウェズリー・スナイプス)は交渉人として停職中の刑事コナーズ(ジェイソン・ステイサム)を指名する。上司ジェンキンス(ヘンリー・ツェーニー)の命令で、新米刑事のデッカー(ライアン・フィリップ)と組まされて現場復帰したコナーズは、すぐに現場に向かいSWATを配置し突入しようとするが突然、爆発が起り大パニックとなる。犯人は見つからず、盗まれたものは中東のある王子の貸金庫の中身だけだった。

74点

1つ前へ一覧へ次へ
 豪華キャストで描くアクション快作。二転三転するストーリーはなかなか面白い。ウェズリー・スナイプスも、お気に入りの軍の特殊部隊員を演じるよりは、こんな感じで悪役などで抑えた演技をしたほうがそれらしい雰囲気が出ていい気がする。ちょっと雰囲気的には「インサイド・マン」(Inside Man・2006・米)っぽい気もする。楽しめた。

 アクションたっぷりの頭脳戦というところか。キーに「カオス理論」をもってきたところがミソで、仏教までも登場する。まあB級アクションに高級な味付けをしたということもできるかも。それが気になると楽しめないかなあ。

 「トランスポーター」(The Transporter・2002・米/仏)のジェイソン・ステイサムは、ちょいワルの優しい男という似たような設定で、ピッタリはまっている。腰に革のサム・ブレイク・ヒップをつけP228か229を携帯。

 相棒の新米刑事、シェーン・デッカーを演じたのはライアン・フィリップ。つい最近「父親たちの星条旗」(The Flags of Our Fathers・2006・米)に出ていたばかり、「キューティ・ブロンド」(Legally Bronde・2001・米)のリース・ウィザースプーンとは2人の子供がいるが、別居中らしい。使っていた銃はグロックのようだった。

 久々に良いウェズリー・スナイプスは犯人のリーダー、ローレンツ役。ウェズリー・スナイプスの大運動会と称した主演3部作(?)はいずれも悲しくなるような出来で、単にヨーロッパ旅行に行って来たのかという感じてあったけれど、ちゃんとした企画の作品で、ふさわしい役があれば、さすがベテラン・スター、光るものなんだなあと。銃はシルバーのM92Fだったと思うが、スターム・ルガーのKPオートも出ていたような。

 同僚の美人刑事テディには、南アフリカ生まれのジャスティン・ワデルという人。吸血鬼映画「ドラキュリア」(Doracula 2000・2000・米)で一番輝いていたヒロインを演じていた人。その後どうしたのかなあと思っていたら、日本公開作がなく、やっと本作が来たのだが、あまり大きな扱いでなく、それもウェズリー・スナイプス映画の1本のような扱いでは……。

 刑事たちの上司ジェンキンスを演じていたのは、ヘンリー・ツェーニー。「ミッション:インポッシブル」(Mission: Impossible・1996・米)でCIAエージェントを演じ、最近ではホラー法廷劇「エミリー・ローズ」(The Exorcismof Emily Rose・2005・米)でエミリーを治療する医師を演じ、ガッカリだった「ピンクパンサー」(The Pink Panther・2006・米)にも出ていたようだが。

 監督はトニー・ジグリオ。1995年くらいから「クイック・アンド・デッド」(The Quick and the Dead・1995・米)とか「ヒート」(Heat・1995・米)などのアクションものの製作にアシスタントなどで参加し、1997年くらいからアクションものの脚本を書き、それが認められ1999年に監督に抜擢されたらしい。ただ日本公開はされておらず、メジャーな作品は「Uボート 最期の決戦」(In Enemy Hands・2004・米)、敵同士が協力しなければならなくなるという構成で、結構面白かった。あれも脚本も手がけていて、本作も脚本も手がけている。ギャグのセンスもいい。次作も期待したい。

 賊たちは、強盗の時KG-9サブマシンガンのような銃を使っている。対するSWATはMP5と、スナイパーがレミントンのM700か。

 オープニングのクレジット、文字の見せ方は、ブレたような感じで出てピッと合うという演出。うまい。

 公開初日の2回目、35分前くらいに着いたら、銀座の劇場はロビーに10人くらいの人。小劇場なのでこれでロビーはいっぱいの感じ。25分前に案内があって、列を作ることに。この時点で20人くらいになり、2列でいっぱいいっぱい。15分前に入れ換え予定だったが、ちょっと遅れて10分前くらいに入れ替え。

 基本的に全席自由なのだが、なぜかもう無くなったと思っていたぴあ席が4席ほどあった。この劇場ではどこに座っても混んだらスクリーンは良く見えなくなるのに……。4人もいるとは。この時点では50人ちょっとくらい。

 最終的には130席に8.5〜9割の入りはなかなか見事。ほとんど中高年というか白髪が多かった。女性は2割いたかいないか。それもオバサンのみ。若い男性も2割くらい。ウェズリーの大運動会が影響しているのか。ジェイソン「トランスポーター」ステイサムなのに。

 予告はも桃井かおり監督作品「無花果の花」、今度はクリスチャン・スレーターが透明化するらしい「インビジブル2」(上下マスク)、そしてヒット作の続編「氷の微笑2」。レイト・ショーの劇場もありながら、前売りを買ったら早く終わる可能性もあるので早めに見てくださいといわれた。IMDbではたったの3.6点。もうリメイクの「グロリア」(Gloria・1999・米)あたりからシャロン・ストーンはダメなのでは……。


1つ前へ一覧へ次へ