Nacho Libre


2006年11月5日(日)「ナチョ・リブレ 覆面の神様」

NACHO LIBRE・2006・米・1時間32分(IMDbでは米版100分、英版92分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、岡田壮平/ビスタ・サイズ(by Panavision)/ドルビー、dts、SDDS

(米PG指定)

http://www.nacho-movie.jp/top.html
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


イグナシオ(ジャック・ブラック)は、メキシコの修道院で孤児として育てられ、いまは料理人として暮らしている。ある日、修道院に孤児たちの新しい先生として美人の尼僧エンカルナシオン(アナ・デ・ラ・レグエラ)がやってきたことから、俄然やる気を出して町にポテチをもらいに行くが、やせ男スティープン(ヘクター・ヒメネス)に奪われてしまう。修道院にはお金がなく、食材を買うことは出来なかった。そんな時、イグナシオは新人レスラー募集のポスターを見つける。優勝すれば200ドルの賞金。子供の頃からプロレスラーに憧れていたイグナシオは、食材を買う金を得るため、やせ男スティープンと組んで出場することを決意するが……。

68点

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 ハッキリ言ってこれは子供向けのどたばたコメディ。大人も笑えるかどうかはちょっと微妙。子供の大好きな下ネタや、汚さ、大げさな仕草、わざとらしいギャグ、おかしな顔……ギャグ漫画をそのまま実写にしたような感じ。スラップスティック・コメディ。

 ストーリーにはほとんど工夫がないので、ギャグで笑えないとこの映画は辛い。さらには皆メキシコ訛りの英語なので、違和感がある。出ているのは、ほとんどメキシコ人俳優。アメリカでは字幕上映は一般には受けないというし、結果メキシコ訛りの英語というセンに落ち着いたのだろうが……。

 もしストーリーに工夫があって、孤児たちとジャック・ブラックの心の交流とか絆が描かれていれば、素直に子供たちのために試合に出て一生懸命戦うというのが信じられるのだが、それがなくて台詞として言われるだけでは、どうにもビンとこない。お金目的か、美人シスター狙いとしか思えない。アメリカ版の100分版だとそれが描かれているのか。

 主演のジャック・ブラックは「スクール・オブ・ロック」(The School of Rock・2003・米)や「キング・コング」(King Kong・2005・ニュージーランド/ 米)でしられる人気俳優。本作ではみずからプロデューサーもやっている。

 相手役の美女は、本物のメキシコ美人でアナ・デ・ラ・レグエラ。メキシコで活躍している人で、ほとんど日本公開されていない。新作で「Unkown アンノウン」(Unkown・2006・米)のサイモン・ブランド監督と組む「Praciso Travel」が撮影中とか。

 頼りないこそ泥の相棒は、ヘクター・ヒメネス。シャロン・ストーン、ケビン・ベーコン、ダコタ・ファニングが共演したサスペンス「コール」(Trapped・2002・米)のルイス・マンドーキ監督の「イノセント・ボイス 12歳の戦場」(Voces Inocentes・2004・メキシコ)に出ていたとか。

 修道院の先輩ギレルモは、リカルド・モントーヤ。とぼけた感じのコメディアンのようだが、ジョエル・シューマカー監督の「フォーリング・ダウン」(Falling Down・1993・米)で刑事を演じていたらしい。

 ナチョが憧れるプロレスラー(ルチャドール)のチャンピオン、ラムセスには、本物のルチャドール、ブロンコことセサール・ゴンザレス。

 メキシコ人俳優が多く、日本人にはほとんど馴染がない。アメリカでは人気があるのだろうか。それともメキシコ向けに作ったのか。

 監督はジャレッド・ヘス。日本劇場未公開の「バス男」(Napoleon Dynamite・2004・米)が評価され本作の監督に抜擢されたらしい。本作の脚本を奥さんのジェルーシャ・ヘスと、ジャック・ブラックの隣人で親友で「スクール・オブ・ロック」も書いたマイク・ホワイトと3人で書いている。

 公開3日目の初回、新宿の劇場はビルが開くのが30分前なので、30分前に到着するとエレベーターで12階へ。劇場前へ走って行くヤツまでいる。なぜ走るのか。そんなに混むとは思えないが。それでも10人くらいの人。

 下は幼稚園児くらいからいたが、字幕は読めるのか。中心は中高年。男女比はほぼ半々。15分前くらいから人が増え出して、最終的に340席に3.5〜4割くらいの入り。まあ、こんなものか。

 上映前にBGMとして流れていた「カリット、カリカリット」とかいう合の手(?)が入る曲がノリが良くて良かったが、映画の曲なんだろうか。(→「CARLITO」(カリート)スウェーデンから現われた謎のメキシコ人なんだとか。曲は「Go! Go! カリート」)

 初回上映は予告編無しでの上映。残念。でも全館禁煙は嬉しい。


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