The Texas Chainsaw Massacre: The Beginning


2006年11月12日(日)「テキサス・チェーンソー ビギニング」

THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE: THE BEGINNING・2006・米・1時間32分(IMDbでは91分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、村田 恵/ビスタ・サイズ(IMDbではビスタ版とシネスコ版あり、マスク、with Panavision)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(米R指定、日R-15指定、オリジナル版は米NC-17指定)

http://www.texaschainsaw.jp/top.html
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


1939年、テキサスのリー精肉所で作業中の女が赤ちゃんを産み落とす。しかし生まれつき顔面に奇形があり、密かに込み箱に捨てられた。ところが、近所に住むヒューイット家の女が生ゴミを漁っていてその赤ん坊を見つけ、連れ帰る。そしてトーマスと名付けられ、育てられることになる。やがて9歳からリー精肉所で働くことになるが、1969年に精肉所が閉鎖され、暴言を吐く工場長をカッとなり斬殺。トーマスを逮捕にやって来た保安官を、今度は“おじ”が射殺。制服を奪い、ホイト保安官になりすます。そんな時、2組の男女を乗せた車が事故を起こし、ホイト保安官は現場に向かう。

69点

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 音で脅かすだけで、全く怖くない。ただ、ひたすら気持ち悪い。これはどうしたことか。しかも2003年に29年ぶりにリメイクされたものを、わずか3年後にリメイクして(話を発端までさかのぼっているものの)、しかもホイト保安官役を同じ役者のR.リー・アーメイが、レザーフェイスをこれまた同じアンドリュー・ブリニアースキーが演じているとは。リメイク版の続編、前日談という位置づけなのだろうが、話の中身はほとんど一緒だから、単なるリメイクという印象しかない。絵は重厚で、美しいのだが……さすがはマイケル・ベイ、プロデュース作品ということだろうか。

 レザーフェイスことトーマスの感情的な部分がほとんど描かれていないので、なぜこんなに凶暴になったのかがよくわからない。ただ生まれつき凶暴性を持っていたというような浅いもので、それを育てたヒューイット一家もなぜそれほど異常なのかさっぱりわからない。だとしたら、ビギニングとして描く必要などないではないか。結局、殺人鬼の家に捕らえられた若者たちが、いかに逃げるかという話であれば、みんな一緒だ。

 そう思って見ると、オリジナルのトビー・フーパー版「悪魔のいけにえ」(The Texas Chainsaw Massacre・1974・米)の怖いこと。そして共同脚本家キム・ヘンケル監督による「悪魔のいけにえ/レジェンド・オブ・レザーフェイス」(The Return of the Texas Chainsaw Massacre・1995・米)の怖いこと(IMDbでは希に見る低評価の2.5点だが)。

 ホイト保安官役のR.リー・アーメイは、スタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」(Full Metal Jacket・1987・米)の鬼教官役で注目を浴びた人。あまりにインパクトがあったので、以後そんな役ばかり多く、いまだにそうだが、それで仕事がもらえるのだからいいのではないか。最近は未公開作品が多く、「ステルス」(Stealth・2005・米)とか「ブレイド3」(Blade: Trinity・2004・米)のジェシカ・ビールが出た「テキサス・チェーンソー」(The Texas Chainsaw Massacre・2003・米)のホイト保安官役で久しぶりに見た。その前は、おかしくて怖かったマイケル・J・フォックスの傑作ホラー「さまよう魂たち」(The Frighteners・1996・米)のやたらぶっ放す軍人の幽霊役か。

 今回狙われる美女クリッシーは、ロバート・ロドリゲス監督のSFホラー「パラサイト」(The Faculty・1998・米)で注目され、「ワイルド・スピード」(The Fast and the Furious・2001・米)でもいい味を出していたパナマ出身の美女、ジョルダーナ・ブリュースター。

 監督はジョナサン・リーベスマンという人。南アフリカ出身で、30歳の若さ。劇場長編デビュー作がホラーの「黒の怨」(Darkness Falls・2003・米)。音で脅かす映画で、IMDbでは4.5点と言う低得点。それなのに、なぜ新作が取れたのだろう。本作も音で脅しまくり。しかも怖くない。やっぱりブロデューサーがマイケル・ベイだからだろうか。新作ホラーが控えているというから驚く。マイケル・ベイはルトガー・ハウアーのヒット作「ヒッチャー」(The Hitcher・1986・米)のリメイクや、日本の「トランスフォーマー」のハリウッド実写版も手がけていて、期待して良いのやらどうやら。

 公開2日目の初回、35分前に着いたら、エレベーター・ホール前に5人くらいがたむろ。案内がないので気ままに待っているようだった。しかたないので、いつも列のできるところの最後尾っぽいところへ。若い女性2人、若い男性1人、中年2人。それにしても、劇場内はそれほど忙しそうでもなく、ちゃんと案内して整列くらいさせればいいのに。エレベーターから下りた人は、みんなどうしたものかためらっている。

 25分前に開場になって、この時点で8人ほど。中高年が増えた。指定席なしの場内はスクリーンがビスタ・サイズで開いている。スクリーンは高めなのだが、前席の人の頭が邪魔になる。

 15分前に中高年男性が増え25人くらいになり、最終的に209席に50人くらい。女性は3〜4人ほど。

 気になった予告編は……「硫黄島からの手紙」は音がすごくてビックリ。イーストウッドが日本軍側をどう描くのか。ジェイミー・ベルが演じたイギーの拷問シーンは描かれるのか。見たい。「007カジノ・ロワイヤル」はボンドが片手でP99のデコッキング・レバーを押していてビックリ。3D-CGの「シュレック3」はもういいかなあという感じ。また浜チャンが大阪弁で吹き替えるんだろうか。それより気になったのは、大友克洋の実写映画、オダギリジョー主演、「蟲師」(むしし)。3月公開らしいが、前売り券を買うと3Dビューア(紙製のようだが)がもらえるらしい。日韓合作の「あなたを忘れない」は2001年に新大久保駅で起きた人身事故を描いたもの。予告だけで泣ける。日本の手描きっぽい3D-CGアニメ「鉄コン筋クリート」はかなり面白そう。ただアニメは混むからなあ。


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